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使い魔はリヴァイアさん  作者: おやびん


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98 放蕩騎士~脆弱の極み~

 食事を終えた俺達は、ヨルムさん達と共に王都観光を続けている。ヨルムさんは若かれし日の武者修行中に、一度訪れているとか。


 「そうは言っても観光なんぞしとらんよ。木賃宿に泊まっただけじゃな」


 「なるほど、なら今回はしっかり観光しましょう! 道場の事考えたら、この先ユッコちゃんとのんびり旅行なんてあんまりできないでしょ」


 「確かにの。そもそもユッコと旅行するのは初めてなんじゃよ」


 そいつは重畳(ちょうじょう)。二人のいい思いでにする為なら一肌でも二肌でも脱ぎまっせ!


 まず最初に訪れたのは演劇場。屋内と屋外とあり、演目が違う。屋内は比較的シックな大人向けの演目がおこなわれ、屋外は演出の派手な子どもでも喜ばれる物が多いらしい。


 「さてどっちを観るかなんだが」


 屋内は【フィクサー ~地下街の王と呼ばれた漢~】


 屋外は【神獣大戦】


 俺としてはどっちも観てみたい。言い方を変えればどっちでもいいんだが。


 「ワシはフィクサーかの」

 「私もフィクサーですね」


 さすがアダルトチームはフィクサーか。


 「わたし神獣大戦!」

 「僕も!」


 ヤングチームはまぁそうだろう。


 「自分は……」


 ここでのリンちゃんの1票は大きいぞ、さてどうする?


 「この【放蕩騎士 ~脆弱の極み~】だ!」


 「「「「「それは無い!」」」」」


 「なんでだぁ~」


 なんと言うか、ある意味リンちゃんらしいというか、毎度毎度期待を裏切らない斜め上の答だぜ。

 全員に突っ込まれて泣いてるけども。


 「ふむ、となるとムサシ次第じゃな」


 「お兄ちゃん神獣大戦だよねぇ」


 困った。どっちにしても角がたつよな。


 「ほら、兄上も困っているではないか! なら間をとって放蕩……」


 「「「「「だからそれは無い!」」」」」


 「うう……」


 めげない娘だな。そんなに観たいか? 放蕩騎士?


 「ヨルムさんリヴァイアさん、今回は子供達に譲ってあげましょう」


 「ま、そうじゃの」

 

 「仕方ありませんね」


 「「やったぁ~♪♪」」


 「うう…放蕩…」


 子供でも楽しめるってだけで、大人はつまらないわけじゃ無いからね。妥当だろ。

 ま、まあリンちゃんはちょっと気の毒だが。


 そして観劇してみると思っていた以上に楽しめた。リヴァイアさんから聞いた神獣大戦とは異なる点もあったが、よい意味での脚色と思えば何も問題点無い。笑い有り涙有り、特に神獣達と悪しき神との戦いのシーンは手に汗握る展開だった。


 「いやぁ面白かったですねぇ」


 「神獣格好よかったぁ」

 

 「悪しき神は許せんな」


 ユッコちゃんもヨルムさんも楽しめたようでなにより。ただ神獣三人は怪訝な表情を隠しきれないな。三人共に神獣としてきちんと活躍はした。問題は見てくれなんだ。本物の神獣を見た人がいないから着ぐるみがね、残念というかね、はっきり言うと蛇、狐、馬なんだよね。お話的には格好いい役どころなのになぁ。


 「あれは蛇です」

 「尻尾が九つ無かった…」

 「角が無ければただの馬だろう」


 うん、いっそ着ぐるみなんか着なければいいのに。本物を知ってる者にはちと惜しい部分かな。


 そしてもう一つのお楽しみは。


 「やって来ました競馬場!」


 地球のそれとほとんど変わりません。当然お金も賭けられます。驚いたのは年齢制限無しで子供も賭けられる事! ギャンブルで借金背負う子供ってのもいるかも知れんな。


 「競馬新聞なんて無いからな、名前で当てずっぽうに決めるか」


 「わたし【ウジキントキ】号」


 「僕は【ニジノキラメキ】号」


 「ワシは【アメノムラクモ】じゃな」


 「私は【ゴチソウキング】にします」


 「自分は勿論【キシノホマレ】だ」


 「俺はそうだな【ケツゲダルタニアン】かな」


 ちなみに賭けの方式は一着を当てる単勝のみ。簡単そうと思いきや、実はビッグレースともなると三十頭立てくらいは普通であり、かなり難しい。


 「さあ出走ですよ! みんな自分の馬を応援しましょう!」


 『いよいよ第十四回アーノルド王賞が始まろうとしております。実況は私【エネ=マ=グラ】がお送りしております。さあ全馬ゲートに納まり……スタートしました! 各馬一斉にスタート好スタートを切ったのは【ニジノキラメキ】だ。おおっと落馬です!【キシノホマレ】落馬!』


 「キシノホマレぇぇぇぇ!!」


 スタートそうそう落馬とか… リンちゃんが絶叫しとる。


 『第二コーナーを周り先頭は依然【ニジノキラメキ】このまま快走続け逃げ切るのか! 続きまして【アメノムラクモ】【ウジキントキ】も好位置に着けている。中段やや後方か【ゴチソウキング】そして最後方には【ケツゲダルタニアン】』


 「うわぁビリっちょか」


 「ニジノキラメキぃ! そのままゴールしてぇ!」


 『さぁ最終コーナーを回った各馬一斉にムチが入る! おっとここで【ニジノキラメキ】失速、馬軍に飲まれた。先頭に躍り出たのは【ウジキントキ】それを【アメノムラクモ】が追走。その差は頭一つ。そして…来たぞ来たぞ一番人気、馬軍を割ってやって来たのは【ゴチソウキング】だ! 【アメノムラクモ】【ウジキントキ】を捉え、今抜き去った! 速い速い、その差を一馬身二馬身と離し…… いや! 大外から一気に捲り上げる驚異の末脚【ケツゲダルタニアン】だ! 【ゴチソウキング】に並んだぁ!』


 「うおお! 捲れぇ! ケツゲダルタニアン!」


 「ゴチソウキング! 負けてはなりません!」


 『二頭ともどちらも引かない激しい一騎打ちだ! どっちだ! どっちだ! 今並んでゴールイン! 勝敗は判定に委ねられます!』


 おお! 熱いぜ! 頼むぜケツゲダルタニアン!


 『結果が出ました。ただいまのレース、一着は…… ハナ差で【ゴチソウキング】!!【ゴチソウキング】が見事アーノルド王賞を勝ち取りました!』


 「ああ~負けた~」


 「フフ… よくやりましたゴチソウキング」


 いやぁ白熱したね。負けちゃったけど楽しめたぜ。


 そしてもう三レース程楽しんだ後、俺達は宿屋へと戻った。ちなみにリンちゃんの選んだ馬は全レース落馬と言う伝説的な記録を残した。


 

読んでいただいてありがとうございます!

逆に放蕩騎士を観てみたいのは自分だけでしょうかw

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