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96 鬼蛙ひっくりかえる

 すっかり弓を射つ感を忘れてしまったものの、さりとて取り戻すのに時間は掛からなかった。


 「そうそう、こんな感じ!」


 そもそも未だに[弓術]は手に入れてない。さすがのヨルムさんも弓は門外漢だったから習ってない。シルヴェーヌさんも[弓術]は無かった。それでもテンちゃんは放った矢をある程度操作出来る。はっきり言うと[弓術]以上のギフト効果だと思うんだよ。


 つまりよっぽど動きが速く無い限り、まず命中するから[弓術]の必要性があるかな? って気がする。無いよりかは有った方がいいとは思うが。


 「テンちゃんの力が回復する度に矢の威力や精度も上がるんだ?」


 「はい。でもそれは姉様達も一緒と思いますよ」


 「なんか剣だとピンとこないのよ。いやまあ確実にパワーアップしてるんだろうけどさ、他のギフトとかも作用するからさ」


 でも久しぶりに使った弓は手応えが抜群というか、前に使った時より威力も速さも段違いだったんだよね。


 「ほらさ、楽しくて射ち捲ったらこんなだ」


 見下ろせば湿地帯に無数のモンスターの死体が転がっている。リザードマンやザリガニみたいなのとか、でっかいヘビもいる。


 「でも鬼蛙らしきモンスターいませんね」

 

 そうなのだ。結構モンスター倒してはいるのだが、お世辞にも蛙っぽいのがいない。


 「とりあえず倒したの[ポケット]にポイしとくか。これはこれで売れるだろ」


 ひゅおーと降りて倒した獲物をしまってる時、泥の中から突然の攻撃が襲ってきた!


 ドバンッ!!


 「おっとどっこい!」


 甘いな! その程度の奇襲などシルヴェーヌさんの攻撃に比べたらアクビが出るぜ! 余裕をもって[衝撃波]で弾く。


 「今度はこっちのターン! 頼むぜテンちゃん!」


 三本の矢をつがえ、一気に放つ。テンちゃんのアシストにより狙いは違わず奇襲を掛けてきたモンスターに突き刺さる。


 「ゴエエエエエ」


 モンスターは奇声を発して泥から出てくる。


 「お、おお。なるほど。こりゃ確かに鬼だ」


 「でっかいですぅ」


 間違いなく鬼蛙だろう。二メートルはあるだろうな、これで鬼じゃなかったら鬼も立場がない。


 「つーかネオピアにも鬼っているのか? なんかこう、所々に地球臭が漂う」


 「魔族の中にはいますよ?」


 魔族なんているのかよ。ああ、魔界があるっていってたな確か。


 「鬼でも悪魔でもこの際どっちでもいいや、ようやく発見したぞケロ太郎! 大人しく素材になれ!」


 「なれ!」


 一応素材が目的な以上は、極力傷物にしたくない。テンちゃん連れてきたのは正解だったな。


 「テンちゃんケロ太郎の頭を射ち抜いてちょ」


 「ハイ!」


 実に一発だった。テンちゃんの操作した矢は頭を貫き即死させた。


 「お見事! さすがテンちゃん! 可愛い!」


 「エヘヘ~」


 よし、このデカさなら念のためもう一匹も仕止めりゃ御の字だろ。


 およその大きさが分かれば発見は楽だった。さっきは蛙の固定観念から小さなモンスター狙ってたからね。ほどなく発見してこれまた簡単にぬっ殺した。


 「ほな戻りますかねぇ。リヴァイアさん達待ちくたびれてるだろう」


 なんて思ってたが。


 「寝てなはる。主が働いてるのに」


 「姉様起きて~」


 ユサユサしてテンちゃんが起こしにかかると。


 ぎゅっ。リヴァイアさんに抱きしめられた。


 「すや~」


 「お前も寝るんかいっ!」


 使い魔全員お昼寝である。でも幸せそうな寝顔を見ると起こすにはばかられるな。起きるまで待ちますか。


 ややもすれば。


 「すいませんムサシ様。起こして下さって良かったのに」


 「そうだぞ兄上、何を遠慮するか」


 「いやいいんだ。君達の可愛い寝顔を見て起こす気にはなれんよ」


 お世辞でも何でも無く、本当にそう思ったのだから仕方ない。ちなみにテンちゃんは俺の背中で未だに夢の中だ。この子は本当によく寝るな。


 そんな感じで、半ばハイキングの様な素材集めを終え王都へと戻ってくれば、さっそく素材を渡しに工房へとへ急ぐ。


 「おーい親方ぁ、狩ってきたぞー」


 「お! 早いな。ご苦労様」


 モンスターは間違いなく鬼蛙で合ってた。量はやっぱり一匹で十分だったらしい。ただ親方が料金から引いてもう一匹は買い取ってくれた。需要の多い素材でありがたいらしい。かなり高額で買い上げてくれた。


 「これで後は完成を待つばかり」


 どこまで振動や衝撃を緩和してくれるかわからんけど、マシにならん筈が無い。こんな事になるならもっと自動車なりの勉強しとけば良かった。なんて思い始めりゃキリないがね。

 それと足回りも勿論なんだが、馬車の上物もそれなりに改造する事にした。そのせいで完全に荷馬車としての活用は困難となったが。

 その為に御者のじいちゃんには新しいのを買ってあげる事にした。改造馬車は俺が貰う。[異次元ポケット]にしまっておけばまたいつでも使えるからね。


 「それじゃ王都観光でもして、時間潰しましょうかねぇ」


 せっかくだし目一杯遊びましょうかね。結構娯楽施設もあるみたいだし。演劇とか競馬とか色々なお店もあるし楽しめそうだな。



読んでいただいてありがとうございます!

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