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9 勇者初撃破

 「トレイバーさんっ!!」


 「他人の心配してる場合かよっ!」


 火炎弾によって倒れたトレイバーさんに駆け寄ろうとしたが、矢継ぎ早に放たれる火炎弾に阻まれてしまった。

 火炎弾はリヴァイアさんの水鉄砲で全て迎撃されている。


 (勇者様、トレイバー氏は命に別状は無いでしょう。先にあの男を倒す方が先決です)


 (しかし、こうも連発で撃たれてると攻撃に転じる事が……)


 (いえ、このままで問題ありません。暫く防御に徹します)


 男の放つ火炎弾をことごとく迎撃するリヴァイアさん。攻撃せずに防御に徹するらしい。何かしらの策があるようだ。


 「どうしたぁ! 手も足も出ねぇのかぁ?」


 尚も激しく男は火炎弾を撃ちまくる。しかしリヴァイアさんの迎撃は鉄壁である。実に有能な使い魔である。


 暫く膠着状態が続いていた。俺はリヴァイアさん任せなのでこの激しい応酬の中、中々に暇だったりする。


 (お腹すいたなぁ)


 (緊張感ゼロですね)


 「クソったれが! 粘りやがって!」


 男は大分焦れてきたようだ。表情には疲れの色も見える。


 そう、リヴァイアさんの狙いはここであった。単純な持久戦なのである。


 実は火炎弾を撃ちまくっているが、これはリヴァイアさんによって撃たされていたのである。


 男が少しでも手を緩めたり、逃げ出そうとすると逆にリヴァイアさんの水鉄砲が飛んでくる為、撃ち続けるしかないように誘導されていたのだ。


 男の火炎弾は火属性の魔法であり、放つには魔力を必要とする。しかし俺やリヴァイアさんの水珠は魔力を必要とせず、使いたい放題というアコギなチート兵器なのだ。

 

 結果、魔力枯渇によって男はじり貧状態を余儀なくされた。


 「舐めやがって畜生が!」


 (いけませんね、勇者様、トレイバー氏のそばに寄って下さい)


 男から何かを感じ取ったのか、リヴァイアさんの指示に合わせあわててトレイバーさんの側に寄ると、


 「くらいやがれ! エルファイヤー!!」


 ゴウッ!!


 今までの火炎弾を遥かに凌駕する激しい炎の奔流が俺達を飲み込んだ!


 「ざまあみやがれ! 骨も残さず燃え尽きやがれバカが! これでギフトは俺のもんだ!」


 「今ギフトって言ったか?」


 「な!?」


 部屋の半分をも覆い尽くした激しい炎が消えた後、俺達は火傷一つ無くピンピンしていた。

 リヴァイアさんの水泡に包まれ凌ぎきったのである。


 「今ギフトって言ったよな? お前が勇者だっのか」


 ついに発見した。勇者だ。もう魔力切れでなんも出来んようだ。チョロいぜ。

 

 俺は男に歩み寄ると剣を顔面に突き付ける。


 「お、おい、わかった、俺の負けだ! だから殺すのは勘弁してくれ!」


 調子のいい奴だな。さっきまで俺を殺そうとしてたくせに。でもまぁ武士の情けか。


 「わかった。ならギフトは譲渡しろ」


 「待ってくれ! ギフトがゼロになったら俺は

……」


 「ん? 別に帰還するだけだろ?」


 「なんだ? あ、あんた神の言った事バカ正直に信じるのか? あんな胡散臭い奴の事を!」


 ……信じてたよ畜生。


 そうか、帰還システムなんて特になんの保証もないよな。いよいよ甘ちゃんだな俺は。これは死んでも大丈夫と言う考えは捨てねばなるまいな……


 「隙ありぃっ!」


 ズブン!


 「無ぇよ、隙なんて」


 俺が考え込んだ隙を狙って男は懐からナイフを取り出した所で、男の顔面に俺の剣が深く突き刺さった。


 こいつの手の内はもう知れてんだ、二度も三度も騙されてたまるかってんだ。


 「お見事です。この男は勇者なのですよね? ギフトは増えましたか?」


 俺が剣を抜くと、男の死体はサラサラと光の粒子となり消えていった。

 するとなんとも言えない感覚、でも前にも同じ様な感覚あったような…… 

 そうだ! ゴブリンから逃げ惑ってた時だ! あの時も確かヘタレのギフト手に入れてたんだ!


 「BOOK」


 すかさずギフト帳をひらくと


 [神眼1]

 ・目にした相手が勇者かどうかがわかる


 [神様印の無限ポーション1]

 ・使用しても時間経過により復活するポーション 残りフルチャージまで00:00


 神眼!! 


 ヤバい! これは大当たりだ! 一方的に相手が勇者かどうかわかるなんて、これはとんでもない

有利なギフトだ!


 「その歪んだ笑顔を見ると良いギフトを手に入れたみたいですね。大方勇者を見破るギフトをゲットしたぜぇ、背後からぬっ殺してやんよぉグヘヘヘヘって所でしょうか」


 「心を読まないで!!」


 恐るべし観察眼! 

 

 「こちらが勇者というのを看破されてましたからね、恐らくその手のギフト持ちだろうと予想出来ましたから」


 「あと無限ポーションてのがゲット出来ましたね、試しにトレイバーさんに使ってみます」


 先ほどリヴァイアさんに回復魔法を掛けて貰ってはいたが、特別大サービスだ。


 ポーションを使用するとフルチャージまでのカウントダウンが始まった。どうやら一時間でチャージ完了のようだ。


 「チャージに一時間程掛かるようですね、ホイホイ使えるもんじゃないか」


 「う… 俺は…」


 「あ! トレイバーさん起きましたか! さっきは危ない所をありがとうございました」


 「ああ、いや、礼には及ばんよ。奴は無事に倒したようだな」


 「ええ、おかげさまで。まぁほぼリヴァイアさん任せでしたが」


 何であれ、これで野盗は壊滅。俺も有力なギフトをゲット出来た。初勇者バトルロイヤル戦は上々の出だしで幕を閉じた。







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