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84 おとがめなし

 ギルドマスターセフィリアさんと共にギルドにたどり着いた。そこで待ち受けていたのは。


 「やあ、さっきぶりだな」


 「ぎぃぃやぁぁぁっ!! シルヴェーヌさんんんん!! に、逃げねば! こ、殺されてまう」


 「私を殺人鬼みたいに言うな。何もしないよ。むしろありがとう。君達には感謝してもしきれない。ゴスタの魔手から救ってくれたのは間違いなく君たちだ」


 「へへぇーもったいなきお言葉!」


 「な! なぜそこで私に土下座するんだ!」


 深々と頭を下げたシルヴェーヌさんに、俺は必殺の土下座で対抗する。なぜ対抗しなければならないのかは俺にもわからない。


 「ちょっとムサシさん、誰彼構わず土下座するのは趣味なんですか?」


 やれやれとギルマスも呆れ顔だ。ふっ、勝ったな。何が勝ちなのかも当然わからん。


 「とにかくここではなんですから私の部屋で話しましょう」


 ギルマスの部屋にご招待された俺とシルヴェーヌさん。騒動のあらましを説明するのだが、ややこしくなりそうなので申し合わせたかの如く勇者バトルロイヤルのくだりはハショる。


 「なるほど、騒動の首謀者は跡形もなく打ち倒されたと。となると今回の件は被疑者死亡となりますね。わかりました、お二人には手間をかけましたね。警備隊にもその様に報告しておきますよ。それではお引き取りして頂いて宜しいですよ」


 「へ? 本当におとがめ無しなの?」


 「むしろムサシさんは国から何がしか報奨がでてもおかしく無いですよ?」


 「いやでも、さっきも言ったけどでっかい屋敷やら公共物やら…」


 「仕方ない損害ですよ。奇跡的にも首謀者以外の被害者は今回0で収まってますし、屋敷の持ち主に関しては、娘を悪漢から救ってくれたムサシさんを紹介しろとうるさいくらいですし」


 そうか、奴隷の女性達も全員無事だったか。さっさと逃げたからわかんなかったんだよね。良かった良かった。


 「そ、そうなんですか。よくわからんけどおとがめ無しなら良かった。じゃ、俺は帰りますんで」


 「はい、お疲れ様です」


 いやぁ何だか肩の荷が一つ降りた様な気がするよ。リンちゃんも復活したら喜ぶぞ!


 で、ギルドを後にして宿屋へと戻ってるのだが。

 

 「あ、あの~。シルヴェーヌさん? 何か俺に用事でも?」


 ニコニコしながらシルヴェーヌさんがついてくるのだ。


 「ああ勿論だ。この命は既に君の物だ。ギフトを寄越せと謂うのなら進んで進呈せねばなるまい」


 なんだか律儀な人だな。


 「いや、別に寄越せとか言わないから安心して良いですよ。欲しくないわけじゃないですがね。でも俺の命を狙わないで下さいね」


 「当たり前だ。命の恩人にそんな事するもんか。むしろ何だって差し出すさ」


 「何だってって、まさかギフトの[床上手]ってそう言う意味じゃ!?」


 「ん? ああ、確かにそんなギフトもあったな。ギフトは倒した相手から必ず手に入るし、抹消が出来ない不便さもあるよな。なんだ? 君は私の身体が望みか? 別に構わんよ?」


 「いけまてんっ!!」


 「え!?」


 「うら若き乙女がそんな焼けバチになってはいけまてん! もっと自分を大事にするです!」


 「ふ…ははははは。別に焼けバチなんかでは無いけどな。君相手ならこの身体を差し出しても一切惜しくない。むしろ誇りに思うよ。それに君の顔は結構好みの顔でもあるよ。なんてな。そんな事したらあのお嬢さん達に怒られてしまうか。ところで彼女達はどうした?」


 なんだか愛の告白でもされた気分でござりまする。ちょっと恥ずかしひ。


 「あ、ああリヴァイアさん達は…」


 もう明かに敵意が無いのでリヴァイアさん達について説明した。


 「そうか… それは悪い事をしたな… 私が迂闊にもゴスタの奴隷落ちしてしまったばかりに、彼女達の命まで脅かしてしまったのか」


 「シルヴェーヌさんが悪い訳じゃありませんよ。戦ってる最中のあの悲痛な顔は忘れられませんよ。シルヴェーヌさんも辛かったでしょう」


 「君は優しいな。そう言って貰えると助かるよ。ところで本当にギフトなりはいらないのか?」


 「ここでギフトくれって言ったら格好つきませんし。ああ! そうだ! 使い魔復活するまでシルヴェーヌさんのお時間が許す限り剣術の稽古して貰えませんかね!」


 「うん、それなら御安い御用だ。そんなんで良いのか? 別に[床上手]を試してもいいのだよ?」


 「やめて下さい! シルヴェーヌさん美人だから結構ギリギリで我慢してんですから!」


 「ハッハッハッ! 正直で結構。我慢の限界が来たら容赦無く押し倒してくれ! ハッハッハッ!」


 快活に笑うなちくしょう! いっそ本当に押し倒してやろうかしら? やめた、リヴァイアさん達の顔がよぎるもん。命を救ってやった対価に身体を求めたとかバレたらロメロスペシャルぐらいされちまうもんな!


 と言うわけで、話してみたら意外と気さくなお姉さんのシルヴェーヌさんに手解きして貰える事になった。[剣聖]の何かが掴めれば俺の剣術も大きくレベルアップに繋がるんじゃないかと思う。


 そしてシルヴェーヌさんが一緒に居てくれるのは単純に心強い。リヴァイアさん達が復活するまでボッチ生活を覚悟していたが、ラッキーだったな。

 

 

読んでいただいてありがとうございます!

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