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83 解放後のお約束

 ロシアンルーレットを行おうとしたゴスタ。だがしかし!


 「な!? 成功確率0ってなんだよ! ぶっ壊れたのかよっ!!」


 0、また0と叫ぶゴスタ。恐らく麒麟をどうにかしようとしているのだろう。対象を俺に向ければもう少しマシな確率になるだろうが、目の前にこんな恐怖の対象がいたらそうなるわな。冷静になんていられないだろうよ。神獣とご対面三回目の俺だって怖いんだから。


 「おい! わかったろ! どうするんだ!? 譲渡するか? それとも……」


 (すんまへん麒麟さん、ゴスタにちょっくら近付いて睨みを効かして貰えまへんかね? へへへ)


 ちっちゃい声で麒麟さんの怒りを買わないようにお願いしてみると。


 ゆっくりテクテクとゴスタに向かう。(こえ)~よ、冷や汗が止まらんよ。


 ガクガクと震えるゴスタ。当然立ってなんかいられないし、盛大に失禁している。さぞやパンツの中にドデカい奴もこさえている事だろう。


 バチバチと放電しながら歩み寄る麒麟の恐怖。


 「あ~、そうだお前身代わりいるから地獄が六倍になるな」


 どや! とどめの口撃!


 「わかったぁ! わかりましたぁ! 譲渡! 譲渡します! させて下さい! だからその人を止めて下さいぃぃ!!」


 うん、いい土下座だ。よし、急がねば。さっさと譲渡だ。


 そしてゴスタによるギフトの全譲渡は終わりキラキラと光って消えて行った。その後は勿論。


 「さてすんなり戻ってくれるのか…… リンちゃん終わったぞ! 解放を解け!」


 「…………」


 「だよなぁ、暴走に近い気がするし。リヴァイアさんはどうやってテンちゃん戻してたっけ? ……ビンタかぁ! いや無理だろビンタはハードル高いだろ! どうしよう! あ! 透けて来た! ヤバいヤバいヤバいヤバい」


 ぎゅっ!!


 思わず全力で抱き締めてしまった。


 「兄上?」


 「戻ったか! 良かったよぉぉぉ」


 ぎゅうぅぅぅぅ


 「あ、兄上痛いのだ」


 「ああ、ごめんごめんって……?」


 既に俺が抱き締めていたのは双剣だった。リヴァイアさんとテンちゃんもそれぞれ大剣と弓に戻っている。


 うう、また一人だ。今度はどのくらいの休眠になることやら…


 どうしよう、この町デカいからまた勇者湧いて出るかもなぁ…… 勇者が湧いて出る世界ってそもそも狂ってるよな。しかも俺の出会った勇者の半分以上が悪人ときた。

 いやまぁね、神様が【勇者バトルロイヤル】そう言う大会を開催したのはわかりますよ。 

 でもさぁ、人選はもうちょいどうにかなりませんでしたかね? 善人とはいかないまでも悪人は無いでしょ悪人は。


 普通人を殺して食えますか? 


 無い無い無い。


 普通子供を拐って自分の力の糧にしようとか思いますか? 


 無い無い無い。


 普通女性を奴隷にして身代わりにしますか? 


 無い無い無い。


 「あ~、何やら物思いにふけっているところ悪いのだが」


 過去のイカれ勇者達を思い返しては、無い無い無いと首をブンブカ振っていたらシルヴェーヌさんに声を掛けられた。


 忘れてた。この人残ってたな。どど、どうしよう。もはや逆立ちしたって勝てないのはわかっている。今挑まれたら瞬殺だよ! 瞬の殺だよ!


 「し、しるべえぬさん」


 「ん、何だ?」


 「ごきげんよう!」


 ズババババババババババッッッ!!


 ひぃ~! 逃げれぇ~! 全力だぁ! 尻が痛くなるまで足を繰りだせぇ!!


 遠くの方で待ってくれぇとか聞こえたが待つわけがなかろう。


 ふぅ、ここまで来れば大丈夫か。さんざん逃げ回り、いつもの宿屋へと到着した。


 部屋へ戻ると一息ついて、事のあらましを反芻してみる。

 いやいやいや、しかしながら今回もヤバかったな。結局神獣頼みって結末は俺に成長が無いって事なんだよな。由々しき事態だ。

 

 コンコン

 

 そんな一人反省会の中、来客だ。さっきの今で客なんて激しく嫌な予感しかしないんだが…

 そうだ居留守しよう。


 「いませんよー」


 「ああそうですか、じゃあのち程また伺わせて貰いますねって! おもいっきり返事してるじゃないですか!」


 「げぇっ! しまったぁ!」


 居留守作戦は志し半ばに失敗を遂げた。残念無念。


 「どちら様ですかぁ」

 

 意を決してドアを開くと妙齢のお姉さん、ギルドマスターのセフィリアさんが立っていた。


 「へへぇー」


 「だから何で私に会うと必ず土下座するのです!」


 「え!? だって今朝の騒動の下手人としてしょっぴきに来たんですよね?」


 「やはりあなた方でしたか。しょっぴきではありませんが、とりあえずギルドまで来てもらえますか? 色々とお話を聞いてからどうするかを検討させていただきますので」


 所謂任意による事情聴取ってやつか。参ったな。捕まったりしたら本気で厄介だぞ。でっかい屋敷やら公共物も派手にやらかしてるからな。


 うーんどうしよう。このマスターさんくらいなら使い魔いなくても何とかなるし逃げちまうか?


 「ん? ああ、 そんな構えなくても大丈夫ですよ。恐らく… いえ、今回の件に関しては先ずムサシさんの罪は不問になるでしょう」


 「え? そうなの? 結構やらかしてると思うけど」


 「ま、その辺も踏まえてギルドできちんとお話しましょう。むしろここで逃げたりしたら逆に問題視されかねませんよ?」


 むぅ、だとしたら困るな。仕方ない、きちんと話すか。




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