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77 完璧超人

 女性が血を吹き出して倒れると辺りは一気に騒然とし、ギャラリーは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。


 (兄上! 今のは!!)


 (ギフトだ。この上なく厄介なギフトだ)


 「あちゃ~、三分のニでしくじるとか。まぁいいや、次は当たり確定だし」


 ゴスタは続け様にこめかみに押し当てているリボルバーの劇鉄をガチリと起こす。


 「な、何が起こった!? 何でこの女は死んだんだ!?」


 さしもの兄貴分も状況が理解出来ずに戸惑いを隠せない。


 「賭けに負けただけだよ、気にしないで。でも今度は大丈夫だから」


 ゴスタは言うなり引き金を引いた。


 ガチン!


 「ぎゃあぁぁぁあぁぁ!!」


 発砲音が鳴らずに兄貴分が叫び声を上げた! ゴスタが引き金を引いた瞬間に、兄貴分の両腕が消し飛んだからだ。


 「はい。大成功」


 「あ、兄貴が…… にに逃げろぉ~っ!!」


 兄貴分がやられるや逃げ出した俺様番長達。


 「あ~あ、お友達逃げちゃったよ? 可哀想にね。じゃ、さっきの続きね。五割以上実力見せてないんでしょ? 是非みせて♪」


 「あ…ああ…うう…」


 実力見せるも何も、あの出血じゃもう助からないだろう。


 (兄上、助けないと!)


 (ダメだ。助けられない。無理だ)


 (何を言っているんだ! 死んでしまうぞ!)


 (わかってる! でも今出て行くわけにはいかないんだ!)


 (なぜだ! 自分は助けに行くぞ!)


 (ダメだ!! 言うことを聞けぇっ!!)


 (あ…兄上…)


 (すまないリンちゃん。訳は後でちゃんと話すから、今は言うことを聞いてくれ)


 (……わかった)


 主が本気で命令した時、使い魔は命令に抗う事は出来ないとリヴァイアさんに聞いた事があった。 

 以前のテンちゃんの様に暴走したらその範疇でも無いのだが、本気で死ねと命じたら死ぬらしい。


 俺的にはこんな強権使うつもりは無かったが、今回は仕方ないだろう。今出て行っても何とかする手立てが思い浮かばないんだ。


 「なぁんだつまんねーの。本気を見せてくれないならもう用はないや」


 ゴスタは取り巻きの女性に持たせていた槍を手に取ると、兄貴分に狙いを定める。


 と、そこに。


 「おい! 何をしている! やめないか!」


 いざ(とど)めと槍を振りかざしたゴスタに制止を促す者が現れた、また勇者かよ…


 


 シルヴェーヌ ブールジーヌ


 [剣聖1] 剣による攻撃の技量が著しく上がる


 [槍術2] 槍による攻撃の技量が上がる


 [斧術1] 斧による攻撃の技量が上がる


 [聖女5] 聖なる乙女


 [全属性耐性8] 全ての属性に耐性を持つ


 [再生力9] 受けたダメージを急速に回復する


 [床上手1] シャチョサンモスキネー


 [神剣ヴァルキリー]


 [神鎧ジャッジメント]


 水魔法 風魔法 回復魔法 光魔法




 おいマジか、えげつない程強いぞ! ハッピーバレンタインより強いんじゃないか? 


 ショートカットの金髪碧眼、凛々しい感じの美人だな。厳しい目付きでゴスタを睨んでいる。

 荘厳な剣と鎧はきっとギフトだろう、そんな完璧超人っぽいシルヴェーヌだが、[床上手]ってギフトにとてつもない親近感をおぼえるぜ。


 「うっわマジか! 勇者だし。 すっげー(つえ)ーし」


 「ほぅ、私が勇者とわかるなら話は早いだろう。だがその前に」


 シルヴェーヌは兄貴分に近づき、手をかざすと淡い光に包まれる。すると兄貴分の両腕が復活した。


 「これでよし」


 神様印のポーションに匹敵する回復能力だ。[聖女]か…或いは[再生力]は他者にも適用するのか…


 「おお~ お姉さん凄いねぇ、いやあマジ気にいったわ! 綺麗だし! あんた俺の奴隷になってよ!」


 「何を寝惚けた事を言っている。貴様はこれから成敗されるのだ」


 なんつーか、リンちゃんの到達点みたいな人だよな。


 (す、素晴らしい! 格好いいいいい!)


 うん、到達点だわ。しかし、ゴスタを相手にするには単純な強さじゃダメなんだ。ぬっ殺すだけなら俺だってさほど問題じゃない。シルヴェーヌは神眼持って無いからその辺気付いてないんだろうが、いい奴っぽいし結構ヤバいぞこれ。


 「へぇ~、俺成敗されるのか。まぁいいや、やってみて? 成敗」


 「ふざけた奴め、手加減はせん!」


 ヒュバッ!


 それは本当にまばたきする程の一瞬だっただろう。リンちゃんを副装して動体視力が上がってなかったらまったく見えなかったと思う。それほど刹那の斬撃だった。しかし。


 「な、なぜ!?」


 シルヴェーヌは確かにゴスタを両断した。しかし両断されたのは取り巻きの女性である。


 「あ~あ~、ひどいなぁお姉さん。罪も無い女性を成敗とか。んじゃ、次はこっちの番だね。お姉さんが奴隷にな~れ」


 ガァンッ!!


 ゴスタはまたロシアンルーレットを始めた、1発目は発砲音と共にまた女性が倒れた。


 「ありゃ、やっぱり1発じゃ無理か」


 「な、何をしている!!」


 「何ってお姉さんを奴隷にだよ。これはそう言うギフトなんだ。あ、お姉さんが自発的に奴隷になってくれれば彼女達はもう死なないですむよ」


 「何をバカな…」


 「そう、なら仕方ないね」


 ガチリと劇鉄を起こすゴスタ。


 「あ、攻撃しても逃げてもいいよ。さっきみたいに彼女達が死ぬだけだから」


 「クッ…… わ、わかった…… 奴隷になる。だから彼女達を殺すのはやめろ……」


 「あ、そう、良かったねみんな! お姉さんのおかげで死なないですんだよ」


 取り巻きの奴隷女性達から安堵の息が漏れたが…… 

 あの完璧超人が奴隷になっちまったぞ、どうするこれ! 

 


読んでいただいてありがとうございます!


ギフトの補足説明です。

[女衒][身代わり地蔵]はあくまでも任意ですが、シルヴェーヌさんの様に脅して頷かせるのも有り(任意)としております。

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