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74 暁

 「轟雷!!」

 「水龍!!」

 「暴風!!」

 「ファイアボール!!」

 「サンダー!!」


 地獄絵図。そんな形容がぴったりハマる程の攻撃が展開された。


 ハイオーガを一撃で戦闘不能にする雷。

 水柱が更に大きく龍の様な姿となり襲い掛かる。

 全てを飲み込み全てを切り裂く驚異の竜巻。

 特大の火炎球。

 しょぼくれた電撃。


 肉片1つ残らないんじゃ無かろうか? 光や熱、轟音が激しく包み込む。しかし。


 「探知に感あり! 来るぞ! 俺が出ますから皆は下がって!」


 【暁】は集中砲火を乗り切った。その可能性は0とは思っていなかったが、実際あの攻撃から生還出来るとは驚愕でしかない。


 しかしさすがにノーダメージでは無いらしく傷だらけの状態ではある。だが俺達に1ミリの怯えも見せず巨大な殺気を纏い襲い掛かってくる。


 「速い! リンちゃん副装でコレかよ!」


 動体視力強化で相当な速度に対応出来るが、それでも余裕を持って捌ける速度ではない。


 俺と【暁】は激しく交錯する! パワーは相手が上だが、スピードではこちらが上だ。


 【暁】の攻撃はすんででかわしたり、いなしつつ細かく攻撃を入れていく。夜襲の為装備したムーンライトからも斬り付ける度に光の粒子による追撃が走る。


 「これなら押しきれる!」


 かなりギリギリではあるが俺の方が優勢だ。奇襲によるダメージが効をそうしているのだろう。


 「ゴアァァァァッッ!!」


 そんな中いきなり【暁】が咆哮し、一瞬怯んでしまった! その一瞬を見逃すわけもなく、ベアークローが俺を薙いだ。


 「くっそ! ぬかった!」


 ムーンライトで間一髪受けるがその膂力による攻撃は凄まじく、激しく吹き飛ばされる。

 なんとか体勢を立て直し空中へ離脱して俺は集中する。


 俺が空中に逃げるとやはり標的はリヴァイアさん達に移る。そして先ほどの咆哮の折りに【暁】の様相が変化している。全身の毛が立ち、オーラの様なものを身に纏っている。


 突っ込んで来る【暁】にリヴァイアさん達も容赦の無い攻撃をお見舞いしているが、【暁】の突進を阻む程のダメージが通っていない。あのオーラがダメージを散らしているのだろう。奇襲による総攻撃で仕留め切れなかったのはこのオーラ防御だな。


 そして【暁】がリヴァイアさんに躍り掛かる!


 ボフンッ!


 しかし【暁】の攻撃は空を薙いだ。そこには誰もいない。


 「よっし、成功」

 

 「兄上やるもんだな。感心したぞ」


 なんとか[幻惑]が間に合った。さすがに斬り合いの最中には集中出来ないから使えないがね。

 そのまま今度は飛行攻撃に移る。今度の一撃は重てぇぞ!

  

 シャキーンと額冠から仮面モードに移行、咆哮もちったぁ軽減出来るだろ。

 高速飛行で突っ込んで来る俺に気付いた【暁】は二足立ちになり迎撃体勢に入る。


 ギィィィインッ!!


 俺の高速飛行からの一撃を弾いたベアークローも、また弾かれている。


 「もう一押しと思うが火力不足だな。あのオーラをどうにか突破しないと。リンちゃん轟雷をお見舞いして!」


 「了解だ! 轟雷!!」


 一条の雷が【暁】を襲う。しかしその強力な雷もオーラに散らされてしまっているが。


 「やはり通らぬ、兄上!」


 「いや上等! 本命はこっち! リンちゃん解除、リヴァイアさん武装!」


 轟雷により少なからずの隙が生まれている。いくらオーラが強くとも、ダメージが全く入らないわけではないからだ。その隙に詰め寄り、リヴァイアさんに換装すると上段から全力で斬り伏せる!


 ガギィィィィィッッ!!


 【暁】が防御に振り上げた右腕に纏うオーラと激しくぶつかり合う!


 「こんにゃろめーのどっこいせー」


 「相変わらず力の入らない掛け声ですね!」


 「ほっといてんか! おりゃああ!!」


 渾身の力を振り絞り、ついに【暁】のオーラを切り裂いた!


 激しい鮮血と共に【暁】の右腕は切断された。それと共に体を纏っていたオーラも消え去った。さすがに勝負あっただろう。きっちりぬっ殺しますかね。


 『マテ ツヨキ ニンゲン』


 ぬ!?


 『マッテクレ』


 俺がとどめを差そうとするや、誰あろう【暁】が命乞いを始めた! つーか話せんのかよ!


 「お前、だよな?」


 『アア ソウダ ワレノ マケダ コノチ カラ ハナレル タスケテ モラエヌカ』


 うーんどうしよう。俺が一人で決めていいもんかね?


 「ちょっと待っとけ、話し合いするから。みんな集合」


 全員この展開は予想外だった。ここまで知能が発達するモンスター自体が珍しいのだから。


 「んで、どうします? 一応この地から離れる言うてますけど」


 「いや兄上、この地を離れても他所の土地で迷惑なだけだと思うが」


 「まぁそうだな。ここで殺しとくのが人類には無難な選択だろうな」


 「でもちょっと可哀想ですぅ」


 むむむ。確かに人間の横暴っちゃ横暴なんだよな。でもそれこそ弱肉強食の運命っちゃ運命。

 知性はあるみたいだし折り合い付くように話してはみるか。ダメならぬっ殺す。


 「おい熊」


 『ワレハ ドウナル』


 「おまいには選択する権利をやろう。もう金輪際人間は襲わず、ヒロエ村のペットになるなら許してやる。嫌なら殺す」


 「ムサシ様、いくらなんでも条件が… ネームドモンスターをペットなんて」


 『ワカッタ ソノ ジョウケンヲ ノモウ』


 「飲むらしいです」


 【暁】はいくらか逡巡するも生きる方を選んだ。


 「よし、なら回復してやろう。神様印のポ~ション~」


 ポケットから例の物真似でポーションを取り出し飲ませたり掛けたりして【暁】の腕を引っ付ける。


 『スマナイ カンシャスル』


 モンスターに感謝された。なんかちょっと嬉しいな。


 「でも熊、約束は守れよ! 破ったらリンちゃんが尻の穴に手を突っ込んで電撃お見舞いするからな!」


 『ワカッタ』


 「自分はその役目嫌なんだが…」


 かくして意外過ぎる着地点をもって、ネームドモンスター【暁】の討伐は終了した。


 

 

読んでいただいてありがとうございます!

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