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70 迅雷の如く

 武器化したリンちゃんは二振りの剣、所謂双剣と言う奴だった。リンちゃんの金髪を彷彿とさせるような、見事な金色の装飾が施されたこれまた豪華な剣である。


 「双剣かぁ! かっくいいな!」


 ヒュンヒュンと軽く振ってみる。双剣とはいえ剣を称するだけあって、きちんと剣術ギフトに対応してる様だ。これなら直ぐにでも実戦で対応出来るだろう。


 そして付加価値は速度特化である。神速の神獣たる所以(ゆえん)だろう。


 「おお! 速い速い! 足も腕も軽やかだ!」


 こりゃ凄いぞ! 圧倒的なスピードで敵を翻弄出来るぜ! ギフト韋駄天の効果が相乗して急制動急旋回もなんのそのだ!


 「うむ、自分のスタイルは迅雷の如く戦う所にある」


 まさに迅雷だな、雑魚レベルが相手なら目で追うことも不可能な速度だ。ただしリヴァイアさんの様な一撃必殺の火力には乏しいか? その辺は手数でカバーできるだろうけどね。


 「よーし、次はリンちゃん副装!」


 持っていた双剣がキラキラ光り、俺の頭部へ移動する。これは兜…ではないな。そっと外して眺めてみると豪華な額冠だった。


 「うわぁ、キラキラでシャラシャラだ。ちょっと男が着けるには恥ずかしい」


 「何を言うか、自分だって兄上の選んだ恥ずかしい服を着てるんだ。それに恥ずかしいならこうも出来るぞ」


 シャキーン!!


 手にしていた額冠がいきなり変身ヒーローが装着するような格好いい仮面へと変貌した!


 「なんだコレ! スゲーッ! 格好いい!」


 俺は額冠に戻して頭に装着すると、


 「変身!!」


 シャキーン!!


 「うひょー!! ヒーローだ! 俺、変身ヒーローだ!」


 シャキーン! シャキーン! シャキーン!


 テンション上がり過ぎてしばらくテンちゃんと変身ヒーローごっこして遊んでしまった。我に返った時のリヴァイアさんの生暖かい視線は生涯忘れる事は無いだろう。


 「やぁ、兄上に気に入って貰えたなら何よりだ。それより副装時の効果に気付いたか?」


 ん? そう言えばそうだな……


 「あー、わからんな。コレと言った実感は無いな。リヴァイアさんやテンちゃんの時もそうだったけど、攻撃受けたりすると発動するとか?」


 「ん、ちょっと違うな。いいか兄上、絶対に目を反らすなよ。おーい姉上、そこの石ころを全力で投げてくれ!」


 「え? おい待て、リヴァイアさんが全力で投げたら…って! もうモーションに入ってる! ひぃぃぃぃ!!」


 「わ! バカ! 兄上! 目は反らすなと言っているだろ!」


 バカンッ!!


 「ごあっ!! 痛だだだだだっ!! 肋が! 肋が折れたぁっ!!」


 「兄様ぁ!! ヒール! ヒール!」


 「何で逃げようとするんだ兄上! 目を反らすなと言っただろ」


 「そうは言われてもさぁ」


 「大丈夫だから自分を信じてくれ」


 可愛い妹に信じろと言われたら信じるけどさ。目を反らさないのね。


 「よーしいいよー、リヴァイアさんバッチこーい」


 そしてリヴァイアさんが第2球のモーション大きく振りかぶって――投げました!


 ギュンギュン音を立てやってくる豪速球……でもないな。うん、これキャッチボール程度だな。


 パシッと素手で受け止める。受ける時に腕を引けば素手でもそんなに痛く無いのだ。


 「ほーい、ナイスピー。肩ならしは良いから全力でお願いしまーす」


 「ムサシ様、今のは全力です」


 え!? 全然速く無かったんだが!?


 「これでわかったろう兄上。自分の副装の能力は動体視力強化だ。状況に合わせて使い分けてくれ」


 なるほどねぇ。以前ネームドモンスター風牙には、そのスピードに翻弄されて手も足も出なかったけど、これなら対応できるな。対、格上の切り札的副装足り得るやも知れん。


 「さてさて、最後の確認はなんと言ってもこれ! 雷珠!」


 俺が念じると現れる放電する珠。コレも格好いいな。ギフトレベルは1だからそんな大した事は出来ないとは思うが。


 「そーれサンダー」


 バリバリバリバリ! 

 

 雷珠から電撃が放たれる。まだまだイメージが足りていないのか、威力はゴブリンも倒せなさそうだったが。


 「雷だもんなぁ、イメージ次第でもっと激しくえげつないの放てそうだな。絵的にも楽しい」


 「そうだな、激しく派手な攻撃も出来れば麻痺させたりと、イメージ次第で汎用は様々だ。どれ、自分がもう少しレクチャーしてみよう」


 その時森の中から一匹のモンスターが現れた!


 「ゴアアアアアッ!!」


 ハイオーガだ! 俺達が騒々しくしてたから気が付いたのだろう。激しく威嚇して既に臨戦態勢に入っている。


 「ハイオーガだ! みんな戦闘態勢!」


 「うるさい獣! 今自分が兄上にレクチャーするところだろうが! 邪魔をするな! 豪雷!」


 ズゴォォォォンッッ!!


 激しい轟音と共に一筋の雷がハイオーガに直撃し、飲み込んだ。


 え!?


 雷に飲み込まれたハイオーガは全身を丸焦げにして、瀕死の状態だ。すかさずリヴァイアさんがウォーターレーザーでとどめを刺した。


 「なんじゃあ、こりゃあ」


 余裕とは聞いてたけど一撃でこれですか。おっそろしい破壊力だな。改めて思い知るな、神獣の凄さを。


 「でだな兄上、雷珠の効果的な使用とはだな…」


 本人は至って何処吹く風のようだが。


 「おい兄上聞いているのか?」


 「ハイハイ、聞いてますよ」


 真面目で純粋な娘ね。 




読んでいただいてありがとうございます!

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