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67 ショッピング

 「しかしなんで自分で騎士団なんて立ち上げたんだい?」


 「べ、別にあらゆる騎士団から入団を断られたからでは無いぞ!」


 そうか、断られたんだね。残念だね。


 「しかしなんで騎士団に仲間を、団員を増やさないんだい?」


 「べ、別に入団希望者を募っても誰も来ないからでは無いぞ!」


 そうか、誰も入団してくれないんだね。残念だね。


 (リヴァイアさん、妹さんて…)


 (言わないであげて下さい。残念な娘とか言わないであげて下さい。真面目で純粋なだけです)


 いや、だからアンタがおもいっきり言ってるがな。


 「そ、それでなんだがムサシ殿、自分もその…」


 「なるほど、では騎士団頑張って下さいね」


 「え? あ、いや、そうではなくて…」


 「いやぁ~騎士団とはお見それ致しました。色々とお忙しいでしょう、長々とお引き留めしてすいませんでしたね、それではこれで」


 「あ…その…うう…」


 (ムサシ様、よろしいのですか?)


 (さまようヨ◯イはちょっと)


 「……なんだ…」


 ん? 麒麟ちゃんがうつむきながら呟いてるな。


 「……もう嫌なんだ!」


 へっ!?


 「もう一人は嫌なんだ! 仲間にしてくれぇ~、うぇぇぇ~」


 あ、泣き出した。なんか可愛い。


 「ね、姉様、大丈夫です! 泣かないでっ!」


 「うう…仲間にしてくれるのか?」


 「兄様! 良いですよねっ?」


 泣かれちゃしょうがないよな。でも全身鎧は許すわけにはいかない。ここは一計を案じさせてもらおう。


 「よし、そこまで言うなら認めよう。ただし! 俺の使い魔になるためには儀式がある」


 「え? 僕の時にはそんな儀…モゴモゴ」


 茶々を入れそうになったテンちゃんの口を塞ぐリヴァイアさん。グッジョブです。


 「ぎ、儀式とは? グスッ」


 まだグズッてる。鼻が赤い。なんだろう? 俺の中のS心が騒ぐのは気のせいだろうか?


 「なに、簡単な事さ。沐浴……お風呂に入って身を清めて来てくれ」


 「な、なんだそんな事か! 自分はてっきり処女を捧げろとかそんな事かと…」


 「ブパッ! ゲホッ! ゲホッ!」


 ズビシッ!


 「汚ない!」


 飲んでたお茶吐いてもーた。なんつーか明け透けと言うか……処女でしたか。


 ズビシッ!


 「目がエロい!」


 「と、とにかくそう言う事なんで、沐浴の方を。それとリヴァイアさん」


 俺はリヴァイアさんに目配せする。任せろ。そう言わんばかりに頷いた。


 彼女等が大浴場に赴いたあと、こっそりついて行く。そして入口で待つこと少々。


 「お待たせ致しました。こちらを」


 リヴァイアさんが持ってきたのは他でもない、麒麟ちゃんの鎧一式である。


 「ご苦労様です。ではこちらを」


 代わりにヘボピージャージを渡す。俺は鎧を異次元ポケットにしまいこみ、任務は完了した。


 小一時間程して。


 ズダダダダダダッ! ガチャッ!


 「無いのだぁっ!!」


 「オヤオヤ、ドーイタシマシタ、キリンサン」(※昭和表現ではない超棒読みなだけ)


 そこには、ジャージ姿の息を切らした麒麟ちゃんが慌てふためいている。


 「自分の鎧が無くなってしまったのだぁ…」


 力無くペタンと女の子座りをして項垂れる麒麟ちゃん。


 「ああ~、きっと盗まれましたねぇ、ほら、高価な鎧でしたから」


 「……クゥ」


 「兄様、クゥが出ました、麒麟姉様からクゥが出ました」


 「ああ、理不尽に大切な物を奪われた者が出すクゥだな」


 ほとぼりが冷めた頃に返してあげるつもりなのだが、こんなに落ち込むとは…さすがに罪悪感が拭えないな。


 「残念だったね、麒麟ちゃん。可哀想だから俺が新しいのを買ってあげよう」


 「え!? ほんとか! いいのか!」


 パァッと顔が華やぐ麒麟ちゃん。忙しい娘!


 「もちろんさ。俺達はもう仲間だろ?」


 「な、仲間……」


 今度はニヤニヤし出した。ほんとに忙しい娘!


 と、言うわけで宿屋を後にしてお買い物に出掛ける事にした。

 いつもの事とはいえ、俺達のパーティーは手前味噌で申し訳無いが美男美女で揃っている。金髪美人の麒麟ちゃん(鎧無しヴァージョン)も加わった事により、嫌でもヘイトが集まる。


 「凄い注目度」


 「お金取れそうですね」


 「何をしている! こっちだこっちー!」


 麒麟ちゃんはウキウキと先頭をきって走っている。元気な娘や。

 

 「ここだここ! 自分はここで買ったのだ。とても良い物を取り揃えているのだ」


 エヘンと胸を張る麒麟ちゃん。しかしながら俺が目指す店はそこではない。


 「あ、あれ? 何処へ行くのだ?」


 違うぞ違うぞーとしつこくまとわり付く麒麟ちゃんを尻目にたどり着いた店はここ!

 

 「高級婦人服店~」


 「「わぁ~!」」


 パチパチと手を叩き盛り上げてくれるリヴァイアさんとテンちゃん。テンちゃんも大分この乗りについてこれる様になったもんだ。


 「え!? ここ!? いや、自分はだな、騎士としてのだな」


 「はいはい、騎士様に似合う珠玉の一品を我々が仲間が誠心誠意お選び致しますので」


 グイグイと麒麟ちゃんを無理矢理押し進める。仲間と言われて断れない様だ。


 さぁて、麒麟ちゃんに似合うの探しますかね。なに、金ならある。良いと思う物ならなんだって買うぜ!


 などとは言っても婦人服。俺やテンちゃんは男だし、リヴァイアさんに至っては執事服だもんな。ナイスチョイスが選べるかは保証出来ない。


 「おお、なんだか色々あるもんだなぁ」

  

 「僕、目がチカチカしてきました」


 なんてか、婦人服って言うよりドレスっぽいよな。ヒ~ラヒラできらびやかな服が大半を締めている。


 「う~ん、さすがにドレスじゃ戦闘どころか旅も大変だよなぁ。あ~でもそれも面白いかぁ~」


 「へ? 今ムサシ殿面白いって言わなかったか?」


 「言うわけないじゃん。仲間ですよ?」


 「ああそうか、仲間だもんな」


 よっぽど一人騎士団はこたえた様だな。仲間を強調する度にニヤける。


 ん~、あれも違う。これも違う。ん? これなんてただの紐だろ? 何をどう隠すんだ? 

 中々にピンとくる服が見付から…あ、アレは!


 

読んでいただいてありがとうございます!


今年もいよいよ終わりですね、それでは皆様よいお年を。



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