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65 あたしだよ!

 すったもんだの末、ようやくハイオーガ3体討伐依頼を受理して貰えた。

 

 「俺ってそんなに頼りなく見えますかね?」


 「頼りなくと言うよりは実年齢より若く見える、つまり子供っぽく見えます」


 うーむ、童顔てのはどうしようもない。確かに子供がハイオーガ3体倒せるとは中々思わないよな。彼女達も悪気があったわけじゃ無いもんな、しょうがないか。


 依頼を受けたとは言え、すぐさま向かうつもりはない。何しろミドロに来た最大の理由は神獣麒麟を迎え入れる事なのだから。


 麒麟を仲間にしてからハイオーガ討伐としゃれこもう、麒麟の実力もみてみたいしね。


 「そうは言ってもでっかい町ですからねぇ」


 「会えばすぐわかるのですが」


 情報としては、金髪の女性。年の頃は18~9くらいの見た目らしい。実年齢は千年越えだがな。

 神獣なのだから漏れ無くべっぴんさん(昭和表現)なのだろう。


 あ、さっきの全身鎧がまた歩いてる。ロ◯ンマスクみたいだな。


 「ところでテンちゃん、麒麟お姉ちゃんの匂いとか追えないのかい?」


 「僕犬じゃないですぅ」


 テンちゃんの鼻はあてに出来ないみたいなので、町の散策がてらフラフラ歩き回る。どうやら色々と区画毎に分かれているようだな。

 今、俺達が居るのは町の中央部に位置する商業区。南側が貴族街で北側が工業区、東と西が一般的な住宅街といった感じだな。農業や牧畜は壁の外でやってるようだ。


 「おや? あれは… ムサシ様あちらのあの方は」


 リヴァイアさんが指差す報告を見やれば、先程のイケメンさんがいた。もっと言うとゴロツキ然とした俺様番長が仲間と囲んでいる。


 「あらら、イケメンさんが絡まれてますね。俺様番長が仲間呼んで待ち伏せでもしてたんでしょうかね」


 「兄様、助けないと」


 「必要ないと思うよ。あの人結構やると思う」


 俺ですら見た目でナメられるのに、さらにガキんちょ扱いされるテンちゃんの強さがわかるレベルだもの、あの番長程度でどうにかなるとは思えない。


 「でも面白そうだから見学しましょう」


 「さすがリヴァイアさん。わかってらっしゃる」


 「いいのかなぁ…」


 火事とケンカは江戸の華。黙って見届けてやるのが粋ってもんよ。


 するとイケメンさんは人気の無い奥まった所へ連れて行かれた。


 「よう色男、さっきの随分ナメた態度とってくれたな」


 「ナメる? 俺はお前を助けてやったつもりだがな? さっき言ったろ、お前じゃあのおチビさんには勝てない。なぁ! そうだろおチビさん!」


 あ! 盗み見てんのバレてら!


 「どうしよう兄様気付かれてますよ!」


 「仕方ない、おチビさんの実力をみせておやりなさい」


 バレちゃしゃーない。ぞろぞろと出て行く。

 

 「な、なんだお前等、いつから…まぁいいわ、まとめてボコボコにしてやるぜ。そっちの姉ちゃんは可愛いがってやるよ」


 ゲヘヘとイヤらしく笑い合うゴロツキ達。あんまりリヴァイアさんを苛立たせるなよな、この人お前等殺す事に1ナノ秒の躊躇もないぞ。


 「ムサシ様、そろそろ殺して良いですか?」


 「やめて下さい。街中で物騒な事は。前から思ってましたけどリヴァイアさんて案外喧嘩っ早いですよね? 怒ると口悪くなるし。もしかして元ヤンとか?」


 「兄様、姉様は…」


 「テェン!」


 余計な事言うんじゃねぇよ、わかってんだろうな? あ? おい。


 そんな感じの低くドスの効いたリヴァイアさんの一言にテンちゃんはガクブル状態だ。


 「チッ! 相変わらずふざけた野郎共だ。その減らず口叩けなくしてやるぜ! おい!」


 俺様番長が仲間に合図するとゴロツキ連中は俺達に向かって来る。


 「テンちゃん高い高いしてあげなさい」


 「はい!」


 ビュゴォォォォォ


 「「「「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」


 キラン!


 テンちゃんの風珠により、壮絶な高い高いをくらったゴロツキ連中は、お空のお星様になりましたとさ。


 「めでたしめでたし」


 「な!? え!? あ……」


 俺様番長は言葉を失っている。そろそろ自分の置かれている立場に気付いて欲しいものだ。


 「な、お前じゃおチビさんに勝てないだろ?」


 「んで、俺様番長! お前どうしたいの? テンちゃんとまだ戦いたいなら、お星様コースと四肢切断コースと有るけど好きな方選べよ」


 「おお! 良かったな! 殺されはしないみたいだぞ、やったなお前、得したな」


 イケメンさんひどい追い打ち掛けるな。番長泣きながら失禁してるぞ。


 結局、俺様番長が泣いて謝ったのでお仕置きは無しにした。


 「いやぁ、強いだろうなって思ってたけどまさかこれ程とはな。恐れ入ったよ。俺の名はレイ、ご存知の通り冒険者だ。宜しくな」


 イケメン冒険者のレイさんは握手をすると、今度一緒に狩りにでも行こうと言って去って行った。


 今度一杯行きましょうの、あのノリだと思うんだけれども。


 しかしクッソしょーもないゴタゴタに巻き込まれたもんだ、誰だ火事とケンカは江戸の華とか言って野次馬しようとしたのは……


 あたしだよっ!!


 はい、1人ボケ突っ込みですね。この域に到達するのに30年は必要ですね。まだ二十歳だけど。


 ……アホやってないで麒麟探さなきゃ……


読んで頂いてありがとうございます!

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