50 そっちの気は無い!!
ついに50話です!
「おお……久々の野宿は老体にはしんどいのぅ」
「いい若者が何を言ってますか」
野宿で一夜を明かした俺達。焼け落ちた村の調査も考えたんだが、ここは前に進む事にした。
こんな規模の大きな事案はしかるべき所がちゃんと調査するだろうよ。
目指すは相変わらず城塞都市ミドロ。馬車もあったんだけど道々でモンスター相手にギフトのレベルアップもしたいし徒歩移動をチョイスしたのさ。
昨日の勇者二人倒せたのは棚ぼただったけど。
とは言うものの街道付近のせいなのか、ほとんどモンスターは出現しない。馬車でも良かったかなこりゃ。
「のどかだねぇ~」
「お散歩日和ですぅ~」
すっかりマッタリモードだ。胡座状態でフヨフヨ浮かびながら移動している。勿論胡座の上にはテンちゃんが収まっている。
「なんか楽してますね二人共」
「リヴァイアさんも抱っこしましょうか?」
「結構です。ムッツリさんに抱っこされたら何をされるやら」
「くっ、まだそれ引っ張ります?」
確かにどさくさ紛れに色々間違えて触ってしまうかも知れない。しかしそれは間違えなのだ、決してわざとではない、不幸な事故と言うものだ。あえて言おう! 事故であると!
「兄様? なんかお尻に硬いものが?」
いかん! リヴァイアさんに不幸な事故想像して股間の紳士が!
「ムサシ様? まさかそっちの気まで……」
「無い! 無実だ!」
あえて言おう……事故であると……
リヴァイアさんに事故である事実を理解して貰うのに、より一層のムッツリ認定されてしまった。
そんなアホ会話しつつ、ぼちぼちと歩き続けることしばらく。昼過ぎくらいに次の村に到着した。
「ちょっと遅めですが先ずお昼ご飯にしますか」
キラーン!
光った! グルメ神獣の目が光った! これはお昼ご飯に期待できるぞ!
グルメ神獣のチョイスしたお店で舌鼓をうちつつ、お店の人や周りのお客さんから色々な情報が聞けた。
やはり村の焼き討ちの件が問題視されてるらしい。俺達の発見した村以外にも数ヶ所で同じ様な事が起きてるのだとか。
恐らくは最近アーノルド王国で暴れ回っている盗賊の仕業であろうと囁かれている。焼き討ちにされたのはまだマシな様で、村人皆殺しにされた村もあるんだとか。
さすがに王国としても捜査に乗り出しているのだが、どうにも尻尾が掴めない中々に狡猾な集団らしい。
「皆殺しってひどいな」
「村まるごとですからね」
そもそもアジトなんか無いのかもな。好き勝手移動して目に付いた村で略奪なりをしてるのかも。
気になるところは勇者が絡んでるかなんだが。つーか勇者の人選て今更ながらメチャクチャだよな、比率として悪人よりの人が多いような。同じ勇者相手ならまだしも、何の罪もないネオピアの住人に手を掛ける奴もいるし。
こればっかりは正に神のみぞ知るってことか。
あれこれ考えてもしょうがないか、当面の予定通りミドロで神獣を味方に引き入れるのが先決さね。
腹も膨れてそれなりの情報も入ったし、今日はここに宿をとるか。あんまり野宿はしたくないからね。
食事を終えて村をブラブラ流しながら宿屋へ向かう。冒険者ギルドも無い小さな村だ。そこで一人の女性と目が合った。
あ! 勇者だ!
が、俺と目が合った瞬間に女性は一目散に逃げ出した。名前もギフトも確認する前に逃げられてしまった。
「ありゃりゃ」
「いかがされました?」
「今、女性の勇者に出くわしました、で、逃げられました」
「それってつまり……」
「向こうも神眼的なギフト持ちの可能性が高いです」
「でも兄様、だとしたら兄様のギフトを見て逃げたって事ですよね? 僕達相手に勝ち目が無いからなんじゃないのかな?」
「だと思うけどね、俺だって俺くらいのギフト持ち現れたらそりゃ逃げるわ」
神眼系のギフトは頼りになるよなぁ、結構序盤でゲット出来て良かったぜ。
「ともあれ逃げられちまった以上はどうしようもないよね、当面は用心深くいきましょう」
こっちのギフトを見たなら自分が勇者であることもバレバレなのには気付いているはずだ、逃げるくらいなら滅多な事はしてこんだろう。
宿屋に着くと小さな女の子が出迎えてくれた。テンちゃんよりちょっと下かな? 宿屋の看板娘だろうか、とっても人当たりの良い可愛い娘だ。
さっそくテンと意気投合したらしくキャッキャウフフと遊んでる。
「こらこらマリー、遊んでないでお客さんをきちんともてなしなさい」
すいませんねぇお客さんと、奥から女将さんらしき人が出てきた。
「はーい! それじゃテンくん、また後で遊ぼうねー」
すっかり仲良しさんの様だ。いいね、子供達は。見てて癒されるわ。あ、言っとくがロリコンでもショタコンでもねーぞ、普通に可愛いだろ。
「ちょっとリヴァイアさんそう言う目で見ないで下さいよ! そっち系疑惑は晴れたでしょうが!」
「テン達を見る目が怪しいんですよ」
「暖かい目じゃないですか! 俺はノーマルです! 俺はおっぱいが好きなんです!」
ズビシッ!
「おっぱい言ーな!」
疑惑を晴らすためリヴァイアさんのおっぱいを凝視したらチョップされた。
「「あははは~♪ おっぱいおっぱい♪」」
「ほら! 子供達が真似しちゃってるじゃないですか!」
「ハハハハハ! 面白いお客さん達だね、僕もうちのマリーと仲良くしてくれてありがとうね」
恰幅の良い女将さんは豪快に笑うと俺達を部屋まで案内してくれた。
読んでいただいてありがとうございます!
記念すべき50話がこんな話とは…




