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48 アクション俳優? なんの事?

 ここでゼカミカ大陸について説明しておこう。


 ゼカミカ大陸は三つの王国からなる大陸である。南部にアーノルド王国、北東部にシュワルツ王国、北西部にはネッガー王国とある。


 三国は国力的にもほぼ均衡しており、所謂三すくみ状態とも言える。などと言ってしまうと穏やかに聞こえなくなってしまうが、実はむしろ三国入り交じった蜜月関係にある。王族同士であっちに嫁を出したらこっちでは貰う様な事は頻繁に行われているのだ。


 もっとも昔は実際に三すくみ状態でかなりの戦があったらしいが、いまは国境近辺でイキッた新兵同士のいざこざがある程度だとか。


 ならなぜそんなに仲良しさんになったのか? それは三国共通の敵が現れたからである。


 シルベスタ帝国である。


 シルベスタ帝国はゼカミカ大陸を海で挟んだ北方に位置する軍事国家である。


 その寒冷地ゆえの気候風土の為、農作物の生産に乏しく食糧難の憂き目にある。そこで軍事国家の出した対策は当然の様に侵略戦争だった。

 

 南方ゼカミカ大陸への遠征は先ずネッガー王国を蹂躙した。軍事国家たるシルベスタ帝国の圧倒的な軍事力の前にネッガー王国は敗戦による敗戦で、もはや風前の灯火となった。

 

 そこで立ち上がったのがシュワルツ王国とアーノルド王国である。ネッガー王国が陥落したら次は自分達である事はあきらか。ここは手に手を取ってシルベスタ帝国を撃退しようと答えを出すのにさほど時間は掛からなかった。後に言う三国同盟の発足である。


 こうなってしまうとシルベスタ帝国は一気に旗色が悪くなってしまう。如何に精強な軍隊でも補給もままならない別大陸での長期戦は難しく、撤退せざるを得なかった。


 無事にシルベスタ帝国を撃退した三国は、過去の遺恨を水に流し平和条約を締結し、シルベスタ帝国の侵攻時には一丸となって防衛する事となった。


 以降、何度となくシルベスタ帝国の侵攻はあったが、その都度撃退に成功している。


 ただここ十数年はその侵攻も止まっている。その変わりと言うか、海賊による被害が多発化しているらしい。食糧を積んだ商船が主に狙われるところから、シルベスタ帝国が海賊に見せかけているのでは? との推測もまことしやかに囁かれる中、それで済むのなら戦争するより安いからと派手な取り締まりは行われていなかったりもする。狙われる商船はたまったものではないが。


 そんなわけで、現状ゼカミカ大陸は一応平和と言って問題はない。今俺達が降り立つのはゼカミカ大陸南部、アーノルド王国である。


 「ようやく到着した」


 「お疲れ様です」


 船旅も悪くはないけどやっぱり人間だもん、地ベタが恋しくなるのよ。


 「港は活気はあるけど、本当にただ港って感じですね。宿屋は一応あるけど、まだ日も高いし先を目指しますか!」


 目指すは城塞都市ミドロ。三国同盟前にはかなりの重要拠点だったらしいね。


 「城塞都市かぁ、ちょっと楽しみだな」


 昔から神社仏閣やお城巡り好きだったんだよね。道々観光がてらのんびり行こうじゃありませんか。


 「あの、兄様? なんで手を繋いで歩いてるのですか?」


 「可愛い弟が迷子になったら困るから」


 「完全に兄バカですね」


 異世界にきてひょんな事からお兄ちゃんになれたのだ、リヴァイアさんに何と言われようが甘やかす!


 さながらピクニック気分だ。急ぐ旅でもないからね、あっちキョロキョロこっちキョロキョロ歩いていると、


 「何か向こうの方で剣撃の音がする」


 街道を外れた林の奥の方から剣と剣がぶつかり合う様な音が聞こえてきた。


 「確かに聞こえますね。行ってみましょう」


 「え? 行くの? 物騒ですよ?」


 「少しはヘタレが改善されてきたのかと思えば……」


 こんな所でチャンバラしてる奴なんてきっと碌でもないに決まってるのに。触らぬ神に祟りなしだよ! いや、触ってないのに神にネオピアに送られたんだった。


 ぶーぶーとブーたれながら音のする方へ近いてみると、


 「二人共、アイツ等勇者です」


 二人の男が勇者バトルロイヤルの真っ最中だった。





   デイビット ミラー


 [剣術2] 剣による攻撃の技量が上がる


 [剛撃2] 物理攻撃力が上がる


 [釣り師1] 魚を釣り易くなる



 

   マイケル ジョンソン


 [槍術1] 槍による攻撃の技量が上がる


 [盾術3] 盾を扱う技量が上がる


 [頑強2] 防衛力が上がる




 こんな場面にカチ合うとはね。二人共にギフト自体は悪くはないな、デイビットが攻撃特化でマイケルが防衛特化ってところか。


 でも何て言うか、そこまで強く無いな。今まで戦ってきた勇者程の癖が無い。クレーシア島だったらカモられるレベルだぞ?


 いやまあこれから実際カモるけれども。


 「リヴァイアさん、テンちゃん、勇者とは言え正直今の俺達から見たら雑魚です。気持ちが良いくらい蹂躙してやりましょう」


 「さっきまで逃げ腰だったのに調子の良い……」


 「自分に正直な所は兄様の長所ですよ姉様」


 「うん! テンちゃんは俺をよくとらえてるね! それに比べてリヴァイアさんときたら…… 教育ママだ! ママゴンだ!」


 ズビシッ!


 「ママゴンて何ですかまったく」


 「アハハ~ 姉様ママゴン~」


 「テン! ムサシの真似しない!」


 「おい! 今呼び捨てにしたろ! でっかい蛇のくせに!」


 「蛇じゃねぇって言ってんだろがクソポンコツ! ド頭カチ割ってストロー突っ込んで血ぃ吸い出すぞアホンダラ!!」


 「「ひぃ~!」」


 ブチ切れたリヴァイアさんの迫力に俺達は抱き付いて涙した。勇者の7倍くらい怖いお~。


 で、その勇者達なのだが。


 「おい! お前らそこで何してる!?」


 まぁ、こんだけ騒げばバレるわな…

 


読んでいただいてありがとうございます!


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