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47 イカはイカが?

 魔弓から放たれた三本の矢は違わずクラーケンに突き刺さる。今の俺は一度に三本まで発射できる。すかさずテンちゃんが魔力操作してエゲツない速度でカッ飛んで行く。


 的がデカイからバカバカ当たるのがなんか楽しくて百本くらい射ちまくってしまった。びっしりと矢が刺さり、愉快な見てくれになってる。


 「ケタケタケタケタケタケタ」


 「笑いながら矢を射続ける兄様ちょっと怖いです」


 テンちゃんに引かれてしまった。軽くショックだ!


 「にしてもタフだな。こんだけ当てても死なないどころか、船から離れもせん」


 しかもイカゲソパンチで反撃してくるし。衝撃波で弾くから別にいいんだが。


 「リヴァイアさん、海流使ってイカさん船から剥がせます? 一気にケリつけちゃいましょう」


 「了解しました。やってみま……」


 さてクラーケンを船から剥がそうかと思ったリヴァイアさんの前を塞ぐ様に躍り出る男が一人。


 いつの間にか復活したスロースだ! 尻に矢が刺さりっぱなしなのがチャーミングだね!


 「くそうクラーケン! 俺だってやられてばかりじゃいられないぜ!」


 なんか凄い格好付けてる。でもそれもフラグなんだろ? だって職人なんだから。


 「ウオオオオオ!!」


 おお! 勇ましくも突撃したぞ! 十中八九……いや、十中十やられに突撃したぞ!


 ぺしっ! ゴロゴロゴロゴロ! ドシャァッ!


 憐れスロース。イカゲソパンチに吹き飛ばされゴロゴロと元居たリヴァイアさんの足元に戻ってきた。それでこそフラグ職人の面目躍如だ!


 そしてその時スロースに今世紀最大の悲劇が訪れた。


 「貴方いっつも邪魔なんですよ」


 コキーン! キーン……キーン……キーン……


 その場に居た男全員が口をすぼめて股間を押さえた。


 いい加減イラついたリヴァイアさんが放ったケリは、スロースの股間にメガヒット。リヴァイアさん、それはダメだぁ……


 半目どころか白目剥いて泡吹いてるスロース。パーティーメンバーも目がテンになってる。


 「さて、気を取り直し」


 路傍の石ころでも取り除いたくらいのリヴァイアさん。さっさとクラーケンの排除に取り掛かる。


 (なぁ、テンちゃん。君のお姉さんは鬼なのかい?)


 (昔から怒ると怖い人でしたぁ)


 今までよくチョップくらいで済んでたな俺。ギフトで頑丈なファウルカップとか貰えないかな。


 そうこうしてるとリヴァイアさんは船からクラーケンの排除に成功していた。あのデカイ海洋モンスターを渦潮に拘束しているのだ。恐ろしいかぎりです。


 「リヴァイアさんご苦労様です、そしたら合図したら空中へカチ上げて貰えますか!」


 「了解です」


 「そしたらテンちゃん副装、イカさんカチ上げて貰ったら突撃するから、追い風で速力アップ手伝って。あと前方の空気抵抗も減らして貰いたい。出来る?」


 「大丈夫です!」


 元気なお返事で宜しい。俺はまだまだ風珠そこまで操れないからなぁ。


 さっそくムーンライトを握り締めるとリヴァイアさんへ合図を送る。巨大間欠泉により大空を舞うクラーケン。良かったな、人生……イカ生の最後に空飛べて。


 「よっしゃ突貫!」


 ドンッ!


 全力の高速飛行を開始する! テンちゃんのアシストも完璧である。かなりの速度が出てるはずだが空気抵抗をほとんど感じない。


 「ここでローリング!」


 そして俺は体を回転させる! ムーンライトを先頭に、あたかも超高速のドリルである。


 しかしそこでまたもや視界が黒くなった! イカスミを吐きやがった!


 「そんなの効きません!」


 どうやらクラーケンの最後の抵抗も相手が悪かった様だ。テンちゃんが風を吹き荒らすと一瞬で視界は開けた。


 「突撃ぃぃぃ!!」


 ドパァァァァンッッ!!


 超高速ドリルアタックはクラーケンの胴体にドデカイ風穴を開けた。そしてそのまま海に落ちると二度と浮かんで来る事はなかった。


 「目がまわるぅぅ」


 「僕もですぅぅぅ」


 「二人してまったく……」


 ドリルアタックは封印だな。威力はあるんだが三半規管がもたない。ゲロ吐きそう……


 「と、とにかくクラーケンは退治できましたね、これで当面は安心でしょ!」


 ようやくクラーケンの恐怖から解放された乗客や船員さん達からの感謝や喝采を浴びて、俺達は照れながら部屋へと戻った。途中、おいなりさんが成仏仕掛かったスロースにポーションをあげたら、またもや泣いて感謝された。いや、むしろうちのお姉ちゃんがすまん。


 部屋に戻るとお茶とお菓子で一息入れる。


 「でっかいイカなぞもはや敵ではないですなー」


 「確かに珍しく逃げようとしませんでしたね」


 「勿論! 弱い奴には強いんです!」


 「兄様、それ胸張って言う事じゃないです」


 「スロースもいい加減懲りてくれるといいんだがね」


 「これ以上フラグ立てるようなら次は本気で潰すまで」


 ガクガクブルブル


 ニヤリと光るリヴァイアさんの眼光に俺とテンちゃんは震えあがるのだった。


 そしてクラーケンを退治してからは船旅は今度こそ順調に進んだ。もっとも風も海流も操れるのでたとえ時化ても問題ないときた。船旅において最強タッグな二人が乗船してるとはお釈迦様でも気が付くめぇ。


 「陸だぁ~!! ゼカミカ大陸が見えたぞぉ」


 これでいよいよ船旅も終了だ。新たなる地、ゼカミカ大陸だ!



読んでいただいてありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[一言] 全部読んでいませんが笑える作品です。 最後まで楽しく読ませてもらいます。
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