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44 模擬戦

 船の探検を一通り終えた俺とテンちゃんは船室へと戻ってきた。


 「楽しかったです~」


 「フリーパスのおかげで色んな所も見せて貰えたしね」


 フリーパスを掲示すると一般人立ち入り禁止区域も問題なく見学させて貰えた。

 もっとも打算あっての事なのだが。フリーパスを所持してるイコール腕の立つ冒険者なりになるわけで、有事の際に速やかな行動を取って貰えるからだ。

 そんなわけで機関室や厨房、貨物室、ブリッジ何かも見せて貰えた。ついでに船長室も見せて貰えたが、俺達の部屋の方がやはり豪華だった。

 

 「姉様も来ればよかったのに」


 「リヴァイアさんくらいのレディになると一人になってボフンボフ……ごほん。一人の時間も必要なのさ」


 キッ! サッ!


 睨むリヴァイアさん。目をそらす俺。圧倒的なプレッシャー、背中に滲む脂汗。よし、命の危機を感じるからからかうのはここまでにしよう。己の使い魔にぬっ殺されて帰還はしたくない。


 その後は船室でゴロゴロしたりオーシャンビューを楽しんだりマターリと過ごした。


 「ムサシ様、そろそろ晩御飯の時間です、食堂にいきましょう」


 「お! ご飯♪ ご飯♪」


 「ご飯♪ ご飯♪」


 テンちゃんと一緒にご飯ソングを歌う。


 「食事は基本的にビュッフェスタイルらしいですよ」


 さすがはリヴァイアさん、食のチェックに抜かりはない。

 ビュッフェか、色々目移りするなか結局匂いに負けてカレー食って腹一杯になるんだいつも。カレーはカレーで普通に美味いからいいんだけど、せっかくだからアレコレ食べたい貧乏性な自分がいるのさ。


 「よしテンちゃん、どっちがいっぱい食えるか勝負だ」


 「負けませんよ~」


 これが後にサーガとして語られる【テンコ十番勝負】の一本目だとは今は誰も知らない。 


 食堂に着いてみると既に先客でごった返していた。色とりどりの料理が所狭しと並んでいる。


 「これは食いでがありそうだ」


 「では、銘々で好きな物を取ってきて食事にしましょう」


 グルメ神獣の目は爛々と輝いている。


 やはり肉だな。肉・肉・野菜・肉・野菜・肉ぐらいが漢の食事よ!


 「こら美味いこら美味いガツガツ」


 「モグモグ、美味しいですモグモグ」


 テンちゃんはハンバーグやナポリタンなどがお好きな様だ。期待を裏切らないチョイスにホッコリしてしまう。


 「ほらテン、お口の周りが」


 ソースで汚れたお口周りをリヴァイアさんに拭いて貰うその姿は正に姉弟。これまたホッコリしてしまう。


 そんなこんなでお腹もいっぱいになった。


 「食ったぁ、も~入らん」

 

 「僕もです~」


 二人して満足満足とお腹をさする。勝負の行方はテンちゃんの勝利に終わった。

 いやはや圧巻の食べっぷりでしたよ。俺も大食いには自信あったんだけどなぁ。


 でもまぁ、この人の前では児戯に等しいのですがね。


 「おや? 二人共ご馳走様ですか? では私もそろそろ切り上げますか、腹八分目と言いますしね。おっとその前にデザートは欠かせませんね」


 甘いものは別腹。世界中の女性の金言を地でいってやがる。幸せそうな顔してるからいいんだけれども。


 食事を終えると腹ごなしがてら甲板で夕涼み。


 ここらは温暖な気候なので潮風が心地好い。人によってはベタベタするから好きではない人もいるだろうが、うちの使い魔はそんな事ないようだ。

 

 「うわぁ、夜の海は吸い込まれそうです」


 暗い夜の海を覗き込むテンちゃん。確かに夜の海ってある種の不気味さがあるよな。


 「吸い込まれても私がいますから大丈夫ですよ」


 海の王と呼ばれた神獣の発言は半端なく心強いっす、姉さんマジパねぇっす!


 「しかしここんとこ寝込んだ上にこの船旅じゃ、体が鈍ってしゃーない」


 「お手合わせくらいなら付き合いますよ?」


 「僕も僕も~!」


 うん? そういやリヴァイアさんと勝負した事無いよな。ちょっと面白いかも……


 「テンちゃん装備して良いですか?」


 「結構ですよ」


 それならと、テンちゃんムサシタッグVSリヴァイアさんの時間無制限一本化勝負が火蓋を切って落とされた!


 ふよ~ん ざぷ~ん


 テンちゃんを装備した俺は空へ、リヴァイアさんは海へもぐる。念のため船から少し離れる事にしたのだ。


 「さてテンちゃん、相手はまさかのお姉ちゃんなんだが弱点なんか知ってるかい?」


 「うーん、確かむかーしGがキライって言ってましたぁ」


 う! Gか。黒くてカサカサ蠢くアイツか。はっきり言うがおれもキライだ。Gを使う作戦は自爆にもなるから却下だな。


 「とりあえずは真っ向勝負だな! 海へ潜っても問題ナッシング! 探知で居場所はバレバレだぜ!」


 ビュン! ビュン! ビュン!


 矢継ぎ早にリヴァイアさん目掛け矢を放つ。一応大怪我しない様に先端が柔らかな素材になっている。風珠で精製する矢はこれまたイメージ次第で色々と多目的に造れるのだ。


 ビシュウ! ビシュウ!


 次々と放つ矢をさらりとかわしつつ、海中から水鉄砲を撃ってくる。


 「おっと! どっこい! むぅ、さすがにやるもんだな」


 風珠によるかまいたちなんかは海中に潜られると通用しないか。リヴァイアさんの泳ぐ速度が速すぎて矢の狙いも定まらないしな。地の利も相手にあるからな。


 ズビィィィ!!


 「テンちゃん副装! あっぶねぇ!」


 ちょいと思案した隙を見逃さないリヴァイアさんのウォーターレーザーを間一髪テンちゃんマントで霧散させた。


 「うん、テンちゃんの副装で水珠の攻撃はほとんど効かないんだったな! アドバンテージは我に有りだ!」


 おもむろに現れるは光輝く一本の剣。月光を浴びた真・ムーンライトだ。


 「海中で勝負つけたる! テンちゃんはマントで口元まで密閉して酸素供給よろしく!」


 「わかりましたぁ!」


 マントと風珠、こう言う使い方も出来るのじゃ! よし、行くぜ突貫!


 ざっぷ~ん


 

読んで頂いてありがとうございます


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これからも宜しくお願いいたします

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