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42 副装

 まだ弓の扱いには難があるものの、慣れさえすればかなりの戦力になると思う。テンちゃんのアシストがあればいっぺんに複数の矢を放つ事も可能だ。


 次は風珠そのものの能力だ。イメージしやすいのは以前テンちゃんが放ったかまいたち。他には風による防壁だな。


 「うーん、おりゃ!」


 シュバッ!


 「よっし! かまいたちはバッチリだな!」


 続いて風防壁もリヴァイアさんの石ころ全力投球を簡単に受け流した。


 「おおー! 何だか思ってたより威力が強いな」


 「テンは魔法力に秀でてます。イメージ次第では更に威力が上がるかもしれませんよ」


 「ほっほー、そいつは心強いですな。しばらくは弓と風珠で訓練するかな」


 「僕も精一杯サポートしますね!」


 物理的にはリヴァイアさん。魔法的にはテンちゃんか。いよいよ俺の技量が試されるところだな。


 「あっと、そういえば副装ってあったな、テンちゃん副装!」


 「はーい!」


 元気なお返事と共に弓状態のテンちゃんが光輝くと粒子となって背中へと移動して形どる。


 ぶわさぁ~!!


 「マントや! でも昔から思ってたんだがマントって何に使うんだ?」


 「へへぇ~。姉様、水珠で攻撃して下さい」


 「了解です」


 え!? ちょ! リヴァイアさんそれウォーターレーザーですよ! 死んでまう! 死んでまう!


 しかしリヴァイアさんのウォーターレーザーはマントに当たると簡単に霧散した。


 「ええ~!? あの高威力のウォーターレーザーが……」


 「僕の副装状態は魔法防御が大幅に上がるんですよ。それとオマケ要素に」


 全身をすっぽり隠れる様にマントで包むと。


 「お! あったかいぞ! と思ったら今度は冷たいぞ! これはもしやエアコ……」

 「温度調節で極地での活動を補助できます」


 エアコンじゃないのね。便利な家電扱いしてしまいそうです。


 「フムフム、次はリヴァイアさんの副装だな。テンちゃん解除、リヴァイアさん副装」


 次なるはリヴァイアさんの副装。キラキラ光って俺にまとわりつくと、


 「これは鎧ですな! 上半身だけのやつ。キュイラスとかそんな感じのやっちゃな。にしてもマントといい、鎧といい綺麗だな」


 「ありがとうございます。私の鎧は物理防御に特に秀でてます。副装使用時にはムーンライトをお使い下さい」


 青くてキラッキラしたリヴァイアさん鎧。かっくいーぜ!(昭和表現ではない。格好良いの事)


 テンちゃんにムーンライトを渡して攻撃させてみる。てい! てい! と、可愛い声をあげてペシペシ斬り付けてくるが確かに微動だにもしないな。


 何しろ被弾率高かったからなぁ、防御力アップはありがたいねえ。槍でどてっ腹貫かれた事ありますか? 痛いんですよ結構。腹から口から血がドバドバ出てね、笑っちゃいますよね。


 あれ? よく考えたらリヴァイアさんもテンちゃんも両方装備したら完璧じゃね? 物理も魔法もバッチこーいてなもんよ!


 「よし! テンちゃん副装!」


 キラキラ光ってマントが装着用される。青い鎧に緑のマントが相まって、どっかの貴族様みたいや! 格好良いやんけ! よーし矢でも鉄砲でも持ってこーい……ん、あれ痛っ、痛たたた……


 「あー!! 痛い痛い! 頭が割れる! 全身が痛い! 何これ何これ!! 痛い痛い痛い! がぁぁぁ! だ、ダメだぁ……」


 「ムサシ様!? いかがされました!」


 「兄様! 兄様!!」


 いきなり俺を襲った激痛に耐え兼ね、薄れ行く意識の中、二人の使い魔の声がこだました所で俺の意識は暗転した。




 「う……うう…… 身体中が痛い…… 頭が重い……気持ちが悪い」


 目を覚ましたらそこはどうやらジリスクの宿屋だった。


 そうか、気を失ったんだな。何だったんだ一体? 恐らくは使い魔の同時装備だと思うのだが…… 脳や体に負荷でも掛かるのだろか? とにかく同時装備は無理だな。にしてもまだ痛いな。こんな時は!


 「神様印のポーション!!」


 ごくごく


 「ぷはぁーっ! ファ◯タや! ファ◯タオレンジや! くぅ、まさかネオピアでファ◯タが飲めるなんて」


 オレンジ味に変貌した神様印のポーションの味にビックリするも、


 「痛みが引かない。ポーションの効き目がなんか薄いな」


 ただのダメージとかそう言うのじゃ無いのだろうか。確かに目立った外傷なんかはないけども。

 

 「あ! 兄様、目が覚めたのですね! 姉様ぁ! 姉様ぁ!」


 部屋に入って来たテンちゃんは、俺が目覚めた事に気付くとリヴァイアさんを呼びにまた出ていった。

 

 少ししてパタパタと足音がすると、


 「ムサシ様! お身体の方は!」


 リヴァイアさんを連れて戻ってきた。


 「すいませんご心配掛けさせちゃって。大丈夫とは思うのですが、神様印のポーション飲んでもまだ頭も体も結構痛いですね」


 「そうですか、ならば無理はせず暫く安静にしてましょう。やはり同時装備の副作用でしょうか?」


 「恐らく、ですが。きっと俺の体が大き過ぎる力を処理しきれなかったのでしょうね。ちょっと残念です」


 「でも兄様が無事で良かったですぅ」


 ベッドで上半身だけ起きてる俺に引っ付いてくるテンちゃん。可愛い。


 「テンちゃんもゴメンな、心配掛けちゃって」


 「僕も心配しましたけど、姉様の方がもっと心配してましたよ! ムサシ様ぁ! ムサシ様ぁ! って。ここまで兄様を抱っこして運ん……」


 「テン! 余計な事は言わなくてよろしいですよ」


 だって、だってぇと抗議するテンちゃんに言わなくてよろしいと、顔が珍しく真っ赤になってるリヴァイアさん。


 俺だって抱っこされて運ばれたなんて恥ずかしいんですけどぉぉぉぉ!!


 お互いに黒歴史になりそうなのでこの話は墓場まで持っていく事にした。




 

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