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33 スーパースター

 クレーシア島はコの字形の島である。今までいたルセルクはコの字の下の方で、これから上陸するジリスクと言う港町は上の方。 


 北のジリスク、南のルセルクと並び称されどちらも港町として発展してきた。


 北や南と謳われてはいるがクレーシア島そのものが温暖な気候であり、気候風土などは変わらない。


 と、船にあった地図に書いてあった。ちなみになんでコの字形なのかと言うと、神と神獣の戦いの影響で元々四角かった島が抉られたと伝承にあるらしい。


 リヴァイアさんに本当か聞いたら覚えてないと言うより気にした事も無いのでわからんのだそうだ。


 なかなかゴツイ事してるのに覚えてもいないとは。神獣おそるべし。


 「ジリスクの港が見えてきましたよ」


 「おお! ルセルクに勝るとも劣らない立派な町ですね!」


 1日がかりの船旅もいよいよ終了である。途中クラーケンこそ出たものの、無事到着出来て何よりだ。


 「さぁ、到着したぞ。とりあえず町を散策しますか?」


 「冒険者ギルドを覗いて見るのも良いかと」


 そうだな。なんか面白情報や依頼なんかもあるかも。


 冒険者ギルドへと続く道すがら、ちょっと気付いた点はなんか子供が少ないような。


 その理由はギルドで教えてもらった。神隠しなのであると。


 本当にちょいとした隙に消え去ってしまうとか。穏やかじゃないね。日本でも拉致被害やらあるからねぇ、親子さんは気が気じゃなかろう。


 でもなんだか嫌な予感てか、勇者臭がプンプンするんだが。でも子供をさらうギフト? 何かしらさらう理由はあるわけだよな? 


 「あの、もしやお二方はクラーケンを撃退したと噂の?」 


 ギルドの受付の中年おじさんが聞いてきた。あらまあ、もうここまで情報が届いてんのかい。


 「ええ、まあ、大体そんな感じです」


 「でしたらこの事件の捜査依頼受けてもらえませんかね?」


 うーんどうしよう。正直こういう捜査って素人に出来るもんかね?


 「この手の捜査なんかに関しては俺達ド素人ですからねぇ。受けても役に立つかどうか」


 「そうですかぁ、ですよねぇ、うーん参ったなぁ。それなりの冒険者が数名受けてくれたのですが、以来一切音沙汰なくて」


 いよいよヤバそうな依頼だな。と、思っていたとき。


 「フハハハハハハハッ!! その依頼! 私が受けよう!」


 鳥だ! 飛行機だ! いや、バカだ!


 じゃなくて勇者だ。なんつーかスゲー格好してるなおい。


 仮面? 顔の上半分を隠した仮面だね。真っ赤な全身タイツは胸元が大きくはだけ、胸毛がもさーっと生えてる。さらに真っ赤なマント。そしてピンクのマフラー。そこだけピンクかよ。統一しろよ。

そして指先が出てるウィッシュなグローブに下駄。


 いやもうこれただの変態だろ? こんな勇者いちゃダメでしょ。お巡りさーん! こいつこいつ! って言われるやつだよ!



 ハッピー バレンタイン


 格闘6 格闘技による攻撃の技量が上がる


 熱血漢5 燃え盛る熱い魂が勇気と力になる


 スーパースター3 人々に愛される度にスターダムへとのしあがる


 状態異常耐性1 状態異常に掛かりにくくなる



 もうやだ。何コイツ。まず名前! 親は一体何考えてんだ!


 そして熱血漢とスーパースター! え? 何これ有用なの? スターダムにのしあがると何なんだよ! しかも3だし! そこそこ人々に愛されてるし!


 俺達、受付のおっちゃん含めて目が点になっている。


 ぐりん! 


 ビクッ!


 頭がものっそいスピードでこっち向いた! 仮面から覗くギョロギョロと血走った目力が恐ろしい。そしてツカツカと俺達に歩みよる。もしかして勇者ってバレたのか!?


 「フハハハハハハハッ! 少年よ! 分かっておるぞ!」


 ヤバい! なぜだかバレたみたいだ!


 ハッピーバレンタインは俺の肩を掴む。流石の格闘6、逃れられない。リヴァイアさんを装備してないからな!


 「こりゃ、ジタバタするでない!」


 ハッピーバレンタインは懐から何か取り出すと俺の胸に突き立てた!


 スラスラスラ




 ハッピーバレンタイン 少年へ




 「私のサインが欲しかったのだろう? 少年の熱い視線はしかと伝わったぞ! 私の名はハッピーバレンタイン! 真の漢! スーパースターハッピーバレンタインだ! さらば少年! また会おうぞ!」


 ハッピーバレンタインは去っていった。俺の洋服を台無しにして。




 「どうしました少年。お疲れのようですね」


 「少年じゃありません! 俺二十歳ですよ! お酒だってタバコだって吸えるんだぜ!」


 リヴァイアさんに殊更童顔をからかわれてる今は宿屋。あのあとギルドを後にしてチョロっと町を散策してから宿をとった。


 「くそぅ! ハッピーバレンタインめ! 人をバカにして!」


 「いや、あれはバカにしてませんね。本気でサインを欲しがってると思ったのでしょう」


 あの手のバカが一番(たち)悪い。自己主張と思い込みが激しくて人の話なんざ一切聞かないタイプだ。


 「少年少年呼びやがって! どこ行ってもリヴァイアさんの弟扱いなの気にしてるのに!」


 「気になさらなくて良いのに。私は可愛らしいムサシ様のお顔好きですよ。中身はアレですけど」


 「くきー! バカにしてー! ハッピーバレンタインめぇ! 次会ったらメッタメタのギッタギタにしてやる!」


 「そしたら熱血漢とスーパースターもゲットですね」


 「うっ!」


 それはちょっと嫌かも…… あの格好は……


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