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28 一難去ってまた一難

 「油断は禁物♪ 男は金持つ♪ な~んつってな♪」


 脇の茂みの中から口笛を吹きながら1人のオッサンが出て来た。

 四十半ばくらいか? 角刈りに無精髭、工事現場によくいそうなそのオッサンもまた勇者だった。


 「ゴボッ……カハッ!」


 何かに激突した様な不自然な吹き飛び方をした李は、地面に激しく身体を打ち付け血反吐を吐いている。


 「おうあんちゃん悪ぃなぁ。でもまあなんだ、これも人生ってもんよ?」


 オッサンの攻撃に間違いない。このオッサンは、



 拝島 源三


 衝撃波7 不可視の衝撃波を発生させる


 鉄砲肩1 投擲による威力、距離、精度が上がる 

 

 毒無効 あらゆる毒を無効化する



 オッサン――拝島の衝撃波が李を吹き飛ばしたのだろう。しかし7まで上げているとは……


 「なん……なんだ、クソオヤジ……テメェは」


 李のダメージは相当深刻なもんだな。ざまあみろヒヒヒ。


 「なんだチミはつった今? そーです! アタスが変な……」

 

 「ふざけんじゃねぇっ!!」


 明らかにからかい口調の拝島に李がブチ切れた。キレ安い世代かしら? 怖い怖い。


 「クソがぁ!!」


 ブチ切れた李は炎魔法を拝島に向かって連発するが、

 

 ズバン! ズバン! ズバン!


 拝島に届く前に全て衝撃波で掻き消される。


 「兄ちゃんよぉ、そらぁ無駄な足掻きってもんよ。にしても、いやぁラッキーだったぜぇ♪ 勇者の噂聞いて町につくなり二人もいやがんの♪ 美味しいよなぁ♪ そっちの坊主も大人しく待っとけよ♪ コイツ殺したら直ぐ殺してやるからよ♪」


 だよな。仲間なわけないよな。隙見てまた逃げるしかねぇか。


 「さてさて、ボチボチ死んでくれってな♪」


 拝島は無造作に李に近づく。当然李の剣の間合いであり、神剣ムーンライトを振り下ろす!


 ズバン!


 「がぁっ!」


 李の手が衝撃波で剣ごと吹き飛ばされた。ぶら~んとした手は、折れたか脱臼かしたのだろう。


 「ほぅ、こりゃ良い剣だな。ギフトか?」


 「な、あんた、頼む。そのギフトは譲渡するから見逃して……い、いや、そうだ! 俺と組まないか?」


 李がついに命乞いを始めた。


 「え? やだよ。兄ちゃん弱ぇし、譲渡されないでも殺しゃ手に入るし。何しろ楽しみてぇし♪」


 サク


 「え?」


 拝島の持つ剣が、李の足に突き立てられた。


 「ぐああっ!!」


 「そう! それそれ♪ いいね♪ もっと良い声出るだろ? それそれ♪」


 なんだコイツ……… 直ぐに殺さないでジワジワと殺していくのを、悲鳴を楽しんでやがる!


 「がぁ!! がぁぁぁ! や、やめろ! やめてくれ! ぐぁっ!! ひぃ! やめて下さい! た、助け……」


 「アーハッハッハッ!! ひぃ! だってよ! ヒャヒャヒャヒャ♪♪」


 お、李に夢中になってる今がチャンスだな、こんな奴相手にしてられるか! 


 「ホレ! サクサクッと♪ もひとつオマケにサクサクッと♪ ん? ありゃ? 死んだか。よーし、次は坊主って……誰もいないっ!」


 冗談じゃないぞまったく、あんなキ○ガイまで勇者なのかよ! 戦闘狂なんて生易しいもんじゃねぇぞ。


 「坊主ぅ~ どこだぁ~」


 くっそ、もう追いかけてきたのかよ! 李め、根性で死ぬなっつーの。でも茂みの中に隠れちまえばわかるまい。探索系ギフト無いもんな。


 早速手に入れた飛行能力でスイスイ飛んでやがる。ムーンライトも持ってるな。先ほどの李への拷問を思い出して身震いする。


 「ったく、手間掛けさせんなよなぁ。ローラー作戦といきますか!」


 拝島は空中で体を丸めると、


 「ハァッ!!」


 ゴバァァァァッ!!


 体を一気に開いたかと思うと全身から衝撃波が放たれた! 衝撃波は辺り一面を凪ぎ払う!


 「ハァッ!」


 「ハァッ!」


 マジか! どんどんこっち来るな。アレ食らうのは不味いな。結局また遁走か、トホホ。


 ズダダダダダダ!!


 「お! 出た出た♪ 待て待て待てよ♪ 待てなのよ♪」


 衝撃波は厄介だからな、狙い定まらない様にジグザグに逃げるぜ!


 とは言うものの、森の中はさすがに走り辛い。


 「ハッハッー♪ いつまで逃げれるかぁ? 頑張れよぉ♪ 若者よぉ♪」

 

 さすがに飛んでるのから逃げるのは……グンッ!


 あ、あれ? 走るスピードが上がった? いや、この感覚は前もあったぞ! ヘタレのギフトが2になったやも!


 「な!? まだギアあがるのかよ? スゲェぜ坊主」


 これなら、いけるか! スピードアップはもちろんだが地形や障害物が苦にならない!


 「おいおい! そりゃ反則なスピードだろ! こっちも奥の手使うしかねぇやな!」


 ゴッッパアァァァァァ!!


 「うひょー! ほーれ超特急ぅ♪」


 「な!?」


 かなり距離を離した筈の拝島がいきなり間を詰めてきた! 確実に俺より速い! 


 ゴッッパアァァァァァ!


 ゴッッパアァァァァァ!


 この音! まさか! 振り返ると拝島が今にも追いつかんといていた。加速のタネは進行方向の反対側に衝撃波を放って推進力としていたのだ。

 飛行能力は手に入れてまだ間もない筈なのだが、この対応力がコイツの強味なのかも知れない。


 「ほら、鬼ごっこも仕舞いだ坊主」


 ついに横に並ばれてしまった。そして拝島は俺に手を向けると、


 ズバン!


 拝島の衝撃波が俺を吹き飛ば………さなかった!


 水の幕。衝撃波は水の幕で弾けた。


 (おはようございますムサシ様)


 (え! リヴァイアさん!?)


 (はい。起きたとたんにピンチ状態なんて、ムサシ様もつくづく飽きさせない人ですね)


 (ディスるのは後にしてコイツやっつけるの手伝って下さい!)

 

 (がってん承知の助)


 (それ、俺のネタ……)


 リヴァイアさんが復活したら百人力よ! 連邦の……じゃなかった、勇者の一人や二人、一捻りにしてくれる!

 

 「あん? なんだいまの? 俺の衝撃波弾いただと?」


 自慢の衝撃波が弾かれたのが不思議だったらしいな。よし、一気呵成に攻めるぞ!


 (リヴァイアさん、弾幕でゴリ押ししましょう!)


 はいと返事をするや現れる2つの水珠。そして吐き出される怒涛の水攻撃! 


 「なんだ! いきなり水魔法!? 温存してただと?」


 しかし拝島は驚きはするも怒涛の攻撃を衝撃波で迎撃している。貫通力の高い水ノコやウォーターレーザーでさえも凌がれている。7まであげた衝撃波は俺達の攻撃を一切物ともしなかった。


 (クソッ! 衝撃波強すぎだろ!)


 (遠距離戦では無理ですかね)


 「お返しだ坊主」


 ゴッドバァァァァ!! 


 今度は拝島から衝撃波が放たれた! 俺達はダブルで水幕の防御を張るが、


 「ぐあぁぁっ!!」


 衝撃波は水幕を貫き被弾してしまった。


 「まぁ、威力上げりゃこんなもんよ。わかってるだろうがお楽しみはこれからだぜ?」


 (クッ、ヤバいな、あの衝撃波じゃ接近も出来ない。いや、一つ接近する方法はあるな。ただその場合リヴァイアさんが鍵……とどめ要因になるな)


 (私ですか?)


 (ええ、作戦は……)


 (またドMな……)


 (俺だって嫌ですよ! でもこんくらいしか俺の脳ミソじゃ思い付かないの!)


 (ムサシ様はハードは良いのにソフトが残念ですよね)


 (ひどい! つーかやりますよ!)


 (了解です)


 俺はリヴァイアさんを拝島に向け、


 「ぶっ飛べぇーっ!!」


 ぶん投げた。


 「はぁ? ヤケクソは良くねぇぜ? もっと足掻いてくれにゃ楽しめんだろ?」


 呆気なくかわされてしまった。


 

 

 

まさか軽い気持ちで言ったブクマ10人がその日の内に達成されるとは… これも日頃から読んで下さっている皆さん、そして新たに読んでいただいた皆さんのおかげでございます。感謝感謝です。


これからも頑張っていきますのでよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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