表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/336

18 修行終了

 午前中のゴブリン討伐の依頼をこなしたら、午後からは道場で特訓だ!


 「たのもうっ!!」


 「それじゃ道場破りです」


 ズビシッ!


 うん、今日のチョップも絶好調だね!


 「アハハ! いらっしゃいお兄ちゃん」


 玄関まで出迎えに来てくれたユッコちゃんが俺達をみて笑ってる。で、両手を俺に伸ばしている。


 「ん?」


 「今日は抱っこしてくれないの?」


 「可愛い!!」


 ひしっ! そりゃ抱きしめるさ。


 「なんかもう慣れました」


 リヴァイアさんは最早突っ込む気力もないようだ。


 ユッコちゃんを抱っこしたまま道場へと向かうと、ヨルムさんも用意して待っててくれた。


 「来たかの、それでは始めるかの」


 基本は最も大事だと、素振り何かの練習から始まった。

 今日はユッコちゃんも一緒に稽古している。

 元々お爺ちゃんに習っていたらしい。ヨルムさんをして稀代の天才と言わしめる程だ。


 試しにお手合わせして貰ったのだが、本当に天才だった。手も足も出なかった。大人の威厳なんてあったもんじゃない。


 「ユッコちゃんそんなに強いのに、なんでイジメっ子にやり返さないんだい?」


 「う~ん、それはやっちゃいけない事だと思うの」


 出来た娘や…… もう十年早く生まれてたら求婚しちゃうね。さぞかし美人さんに育つんだろうな。


 そんなわけで小さな姉弟子は強く賢く美しく、三冠王だったのだ。


 「さて、今日はこんなところにしとくかの」


 一通り稽古を付けてもらい、宿屋へ帰ろうと思うと、


 「お兄ちゃん達、一緒に御飯食べてかない?」


 ユッコちゃんに夕飯にお呼ばれされてしまった。


 「おお、それは良いの。ワシからもお願いするよ」


 ヨルムさんからも頼まれてまで断る理由もないし、お呼ばれする事にした。


 素朴な家庭料理だった。が、味は抜群に美味かった。そこらの店では太刀打ち出来ないだろう。

 リヴァイアさんは相変わらず黙々と食べているが、この人は不味いものは一切口にしない。正体はでっかい蛇のくせにやたらとグルメなのだ。

 食に妥協したくないが持論らしい。神獣のくせに人間臭い一面があったりする。


 「お姉ちゃん美味しいかな?」


 ユッコちゃんの問い掛けにコクコク頷くリヴァイアさん。ユッコちゃんは満面の笑みを浮かべて喜んでいる。


 「この料理は全部ユッコちゃんが作ったの?」


 「そうだよ! お兄ちゃんも美味しい?」


 「ああ、美味し過ぎてビックリした。将来ユッコちゃんお嫁さんにする男は幸せだね」


 冗談抜きにこの娘ゲット出来る男は幸せ者だろうな。やだーとか言って照れてる仕草もまた可愛いな。


 食事も済ますとダラダラと過ごす。ユッコちゃんとリヴァイアさんは紙で即席に作ってあげたオセロで遊んでいる。


 「ほう、変わった遊びもあるもんじゃな。これは頭も使って良い遊びじゃな」


 ヨルムさんがオセロをやたらと感心していた。今度将棋でも教えてやろうか? 好きそうだよな。


 ややもすると、さすがにユッコちゃんはネムネムになったところでおいとまする事にした。


 「や、今日は楽しかった。ユッコも家族が増えたみたいで喜んでおるよ。お前さん等しばらくこの町にいるんじゃろ? ユッコも普段弱音は吐かない娘じゃがな、あれで内心寂しがっとるんじゃよ。町にいる間だけでも仲良くしてやってくれんかの」


 「ええ、俺達で良ければ喜んで。それではお休みなさい」


 宿屋へ戻り考える。なついてくれるのは嬉しいし、仲良くするのも勿論なのだが…… そうなればなる程、お別れが辛くなるような…… いつまでもこの町にいるわけでもないし……


 考えても仕方ないか。この町にいる限りはいっぱい遊んであげよう。旅に出ても時々戻って来てあげりゃいいんだしな。




 それから一月程、徹底的な地力アップの修行に励んだ。午前中は主に水珠。午後は剣術。徐々にではあるが強くなるのが実感出来ると、より修行にも身が入る。ギルド依頼もコツコツこなしていたのでちょっとした小金持ちだ。冒険者達からも一目置かれるくらいにはなってるらしい。


 修行の成果なのか、神様的な某かのフラグでも立ったのか、ギフトのレベルもアップしていた。


 剣術、水珠、神眼が1から2に昇格したのだ。

 剣術はより洗練されたのが如実に体感出来た。水珠はイメージの補助と言うか、イメージがしやすくなった。神眼については分からん。だってあれ依頼勇者に会ってないからね。


 とにかく見違える程パワーアップしたつもりなので、


 「さてリヴァイアさん。俺の地力もそれなりに納得出来るだけ上がったと思うのです。そろそろ修行に一区切り打とうかと」


 「そうですね、ならば仕上げに少し難度の高い依頼でもうけてみますか」


 言わば修行の最終試練てとこか。確かに修行の結果を知るにはちょうど良いよな。


 ギルドに着くと、依頼ボードを物色中する。今回はリヴァイアさん装備して全力で当たる事が必須事項なので、半端な依頼ではダメなのだ。


 「そうなると中々良いのが見つからない」


 「これなんかよろしいかと」


 リヴァイアさんが押したのは翡翠峡谷の麓の森に出現するトロールの討伐依頼だった。


 トロールはデブッちょなでっかい人形モンスターとのこと。スピードこそ遅いものの、その巨体をいかした腕力と、なにより回復速度が凄まじいらしい。修行の結果を知る腕試しには持ってこいの強さのモンスターとリヴァイアさんは言う。


 「よし! それじゃコイツぬっ殺して修行終了としますか!」


 「その前に一旦ヨルムさんに報告した方がよろしいかと」


 それもそうかと、俺達は道場へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ