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14 撃破

 マジ…か…


 おそらくスローイングナイフと同じ要領で出現させた槍だろう。腹を深々と貫いた男の槍を眺めながら、俺は激しく吐血した。


 「ゴホォァアッ!!」


 (勇者様!)


 リヴァイアさんが珍しく狼狽してる。だがそれでも男の追撃を許さず牽制している。流石です。


 リヴァイアさん装備時のステータスアップは何も腕力ばかりではない。耐久力もそれなりには上昇しているお陰で即死は勿論、意識も途絶えずにいる。

 いや、メチャクチャ痛いがね。でも神罰に比べりゃマシ。

 しかし回復しなけりゃヤバい状態は間違いは無い。俺は咄嗟に水珠を男の前に出現させた。


 「な! 新手!?」


 俺の水珠を新手の出現と勘違いした男は追撃を諦めて距離をとった。


 すかさず槍を引き抜きポーションを飲み干す。


 「まっずぅ~」


 良薬口になんとやら宜しく、果てしなく不味かった。だが効き目は抜群らしくドテッ腹の風穴はみるみる塞いでいく。


 「……今度は魔法薬ですか。あの深手を回復させるとは……」


 ちっとはビビってるようだな。安心しろ、俺もこんなに回復するとは思わなかった。腕くらい斬られてもくっ付いちまいそうだな。試さないけど。


 (申し訳ありません勇者様、私が相手の力量読み違えたばかりに。お身体の方は?)


 (大丈夫。ただ、ちと出血が多かったのか足がフラつきますが…… これだと斬り合いも難しいかも知れませんねぇ…… ん?いや、待てよ……)


 (いかがしました?)


 (リヴァイアさん、攻撃はいいので水幕の防御と回復に集中して下さい。斬り合います)


 (え? その足で……いえ、わかりました。任せて下さい)


 リヴァイアさんは一瞬訝しむも、俺に考えがあるのを察してくれたようだ。


 まだフラつく足で男に挑む。俺の出した水珠が新手では無い事を見切った男も撃ってでる。その手には新たな剣が握られていた。


 「傷は癒えても、ダメージは抜けきっていないようですね! 力が入ってませんよ!」


 数合の斬り合いで見る間に押されていく。だが細かいダメージはリヴァイアさんに任せ、俺は身体毎飛び込む様に深く斬り込んだ!  


 「その様な大振りで! 私の剣術に!」


 「付き合うつもりはねぇっ!」


 そう、俺は剣での斬り合いで勝とうってのは捨てていた。俺の大振りは見せ掛けで、本命は体当たりだ! 防御を人任せに出来るならではの捨て身の戦法である。  

 とは言うものの、ダメージは0ではない。俺の大振りは捌かれ、またしても腹を斬られてはいる。


 激しく体当たりが直撃して、地面に男を組伏す。


 「まだです!」


 「グハァッ!」


 組伏された男の手には、いつの間にかダガーが握りしめられ背中に突き立てられた。


 ゴグン


 しかし男の抵抗はそこまでだった。俺はその首をリヴァイアさん装備品時の桁外れの腕力で明後日の方向にへし折ってやった。


 「はは…… やったぜ、肉を斬らせて骨を断つってやつだ……あたたたた」


 この言葉の戦法考えたやつ凄いドMなんだろうな。


 「ヒール! ヒール! いくら何でも無茶し過ぎです!」


 リヴァイアさんは人間モードに戻りヒールを重ね掛けしてる。


 「無茶させたのリヴァイアさんですよね? 俺は最初逃げよう言いましたよ」


 「あれは勇者様のお約束じゃないですか」


 「お約束て…… 戦術的撤退なのに……」


 リヴァイアさんの対応に涙目になりながらも、お約束と言えば勇者撃破ご褒美ギフトタイム!


 「BOOK」


 

 [剣術1]

 ・剣による攻撃の技量が上がる


 [異次元ポケット1]

 ・あらゆる物を異次元へ収納し、取り出せる。収納中の時間経過は無い




 素晴らしい! 素晴らしいよム○カ君! 

 剣術ですよ! これで脱素人チャンバラです。ありがとうございます。


 しかし異次元ポケット! いや、これ、あれだよな? あの愛すべき猫型ロボット……


 ちょいちょい地球の事織り込んでくるよな。神の趣味としか思えんが。


 名前はともかく、これもありがたいギフトだ。


 でもやっぱり魔法は覚えなんだか。魔法剣なんて格好良かったんだが。





 リヴァイアさんにギフトの内容を教えながら、俺達はルセルクの宿屋に戻ってきた。

 

 「ちかれた~」


 ここでベッドにボフンと寝ちまいたい誘惑を押し殺し、宿屋の浴場へと向かう。


 「あひぃ~…… 極楽極楽……」


 風呂は良い。これぞ癒しの空間よ。特に湯船文化で良かった。


 部屋に戻りようやく横になる。


 「ただいま戻りました」


 リヴァイアさんも戻ってきた。うーん湯上がり美人!


 俺の寝てるベッドにチョコンと腰かける。


 「疲れましたねー」


 「はい。疲れました」


 「提案です。しばらく勇者バトルロイヤルはお休みしようかと」


 「お休みですか?」


 「俺も今回は痛感したのです。水珠や剣術の向上は急務です。修行するです」


 「良いと思います。ギルドの依頼などをこなしつつ、進めていきましょう」


 明日からの方向性を決めると、二人とも食事も忘れて泥の様に眠りについた……


  

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