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10 宴だわっしょい

 野盗のアジトにて無事に野盗を壊滅し、目的の勇者も倒し新たなギフトをゲットした。

 

 アジト最奥には小部屋が在り、眼も眩む様な金銀財宝は無かったが、まぁそれなりに溜め込んではいた。

 

 「思ってたよりお宝無かったなぁ」


 「こんな僻地の野盗だからな。たかが知れてるだろうよ」


 他愛もない談笑しながらダラダラと帰路を進み、キンシザへと到着した。




 「トレイバーさん! ムサシさん! リヴァイアさん! よくぞご無事で!」


 俺達が帰ってきたのにいち早く気付いたダネスさんが大慌てで走ってきた。


 「おうただいま。喜んでくれ、野盗は一掃した。これで安心して街道を行き来できるぜ」


 「なんと!! これはなんとお礼を申してよいのやら! とりあえず今宵は宴ですぞ!!」


 かくして、野盗殲滅を祝う宴が村をあげて催されるのだった。


 「こら美味いこら美味いガツガツ」


 「まったくみっともないモグモグ」


 宴の料理をガツガツ掻き込む俺を尻目に、実は同じくらいのペースで優雅に食べるリヴァイアさんだったりする。

 

 「ハッハッハッ! いい食いっぷりだな二人共。」


 「さあさあ、皆さんは村の救世主! どんどん食べてくださいよ!」


 「モゴモゴモゴモゴー!!」


 「ちゃんと飲み込んでから返事しなさい」


 村人達の手厚い歓迎に食いながら返事して怒られた。


 「ムサシくん、お姉ちゃんの言う事ちゃんと聞かなきゃダメよ~」


 そんな所を村のお姉さん達に見られからかわれる俺。どうもリヴァイアさんの弟と思われているようだ。勇者なのに… 使い魔の御主人様なのに…


 「いやぁ、この度は本当にありがとうございました。これは村人一同で出し合ったほんの気持ちですので、お納め下さい」


 そんな中、ダネスさんが深々とお辞儀をしながらお金を差し出してきた。


 「すいません、ありがたく頂戴します」


 断ってもどうせ押し問答だろう、ここは好意に甘えよう。

 野盗のお宝やらなんやらで、そこそこな軍資金が出来てしまった。ぶっちゃけ、勇者バトルロイヤルの為に行動しただけで、人助けのつもりは無かったんだが、結果人助けになってたんだな。こんなに感謝されるとは。


 「ところでお前さん達、これからどうするんだ?」


 トレイバーさんが聞いてきた


 「街道を南下して南の港町にでも行ってみようかなーと」


 「港町ルセルクか! ここと違って大きな町だからな。しかしなんだな、その口振りだと旅の目的とか無いのか?」

 

 「あるっちゃあるんですけど、目的地ってのは無いんですよね。観光がてらって感じです」


 「まあ、あまり詮索せんよ。複雑そうだからな」


 トレイバーさんは俺が勇者で使い魔持ちだと知っている。いっかいの剣士が聞いてどうなるもんでも無い事に口を突っ込むつもりも無いのだろう。


 「とりあえずは冒険者ギルドに登録して働こうかと」


 「お前さん達ならモンスターを狩って素材を売っても、ギルドの依頼をこなしてもそう苦もなく稼げるさ。ただ、素材売るならもう少し加減して素材に極力傷付かんようにせんとな」


 そうなんだよなぁ、倒すのはまぁ何とかなると思うが、俺の攻撃力だとメチャクチャになるんだよなぁ。うーん、水珠修行しないとな。


 散々飲み食いした楽しい宴も終わり、俺達は宿屋へと帰ってきた。


 「ふぅ、さすがに今日は疲れた。でもまだまだリヴァイアさんに頼り過ぎだなぁ」


 「確かにこれからの課題は沢山ありますが、私に頼るのは問題ありませんよ。それが使い魔ですから」


 「うへへへへ、頼りにしてますお姉さま」


 「また調子の良い事を。さぁ、そろそろ寝ましょう。明日は港町ルセルクに出発です」


 


 一晩明けると絶好の快晴であった。風が心地好い。


 「それでは村の皆さん、いずれまた」


 俺達の出発に村の皆さんが見送りに来てくれた。皆さん銘々にお見送りの言葉を掛けてくれるなか、村を後にした。




 「港町かぁ、当然海だよなぁ」


 「海…フフッ」


 なんか海に珍しくテンションアゲアゲなリヴァイアさん。刺身でも好きなんかな? 


 「なんだかご機嫌ですね、リヴァイアさんは海が好きなんですか?」


 「え? はい、好きと言うか故郷みたいなものですし」


 「故郷? 海辺の町出身なんですか?」


 「いや、海そのものですよ。正確には魔海と呼ばれる海域になります」


 海そのもの? 魔海? うん?


 「これでも海の王と呼ばれたものですよ」


 ……海の王 ……リヴァイアさん 海王リヴァイアサン




 「へへぇー」


 俺は額を地面に擦り付け土下座をしていた。


 「知らぬ事とは言え、これまでのリヴァイアサン様に対する数々の狼藉、平に、平にご容赦を」


 「一体何をしているんです。どこの世界に使い魔に土下座する勇者がいますか」


 リヴァイアサン様はあきれ顔だ。だがファンタジーゲームで出てくるリヴァイアサンだとしたら、俺なんてミジンコの糞以下の存在だ! 俺はもう勇者ではない、ミドリムシだ!


 「何をおっしゃいまするやら、ワテクシ事なぞミドリムシとお呼び下さいリヴァイアサン様」


 「勇者様がリヴァイアさんとリヴァイアサンを間違っていたのは理解しました。ただ、今は貴方が私の主人なのは変わりありません。私がどの様な存在であろうとです。いままで通りにして下さい」 


 「……俺の事食べない?」

 「食べるかっ!!」


 「まったく、私をいったい何だと思っているのですか」


 「でっかい蛇?」


 「……食べるぞおまえ?」


 「ひぃ」



 リヴァイアさんの正体を知ったりしながらも、特に問題無く俺達は港町ルセルクに到着した。

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