〜第四章入団希望〜其の一
[月夜の雫〜第四章入団希望〜其の一]
「ん……こ、こは……?」
雫はぼんやりした意識のまま見慣れない赤と白の天井を見上げていた。
体の感覚からベッドに寝かされているのは解るが、ここがどこだかを認識できていないようだ。
「お父様!良かった……漸く眼が覚めたのですね!」
「雫様!本当に……本当に良かった……」
枕元から虹の声、目の前に飛び出してきたのが朱華だ。
朱華に至ってはぽろぽろと涙を流しながら雫に抱きついている。
虹も本当に心配していたようで、起きた瞬間張りつめていたこの部屋の空気が一気に緩和した。
「虹……朱華……ここは……俺の部屋……だよな?」
ゆっくりと体を起こしながら周りを確認し、朱華と虹に同意を求めると、朱華がコクコクと頷いた。
「どうして……っ!そ、そうだ!サラとクリスは!?」
ぼんやりしていた頭がようやく回り始めたらしく、どうしてこんな状態になっているのかを理解したらしい。
「大丈夫です。先程雫様より先に一度眼を覚まされました……その後事情を話し終えた後すぐ、もう一度眠ってしまわれておりますが、お二人とももう傷も癒えておりますのでご安心ください。」
虹がそう言うと、安心したようにほっと一息吐き、改めてどういった状態になったのかを確認していく。
「はい、雫様達があの闇者達を全滅させた後、街から遅れて他の冒険者の方々が来てくださいました。それで倒れている雫様達を町まで運んで頂き、フィアナさんとダーニャさんが司祭様を読んだり、残りの後始末をすべて行いました。」
朱華も目の前で頑張りました!といいながら雫の肩に止まる。
「なるほどな……フィアナとダーニャには迷惑かけたな……助けに来てくれた冒険者達もか……にしても……怪我したとは言え三人とも無事に帰ってこれて良かった……」
雫は虹の説明を聞き終えるとそう呟いて身体の力を抜いて行く。
「すまねぇ、気が抜けたら一気に疲れが出たみたいだ……もう一度寝かせてもらうは……後の詳しい話はフィアナとダーニャに起きたら聞くから、伝えておいてくれ……」
「はい!解りました!お父様ゆっくり休んでください!」
「承りました、ごゆっくりお休みください。」
その虹と朱華の返答を聞き、雫は再び闇に落ちて行った。
「朱華……申し訳ありませんが私は動けませんので、フィアナさんとダーニャさんに伝えてきてもらってもいいですか?」
「はい!もちろんです!虹さんはお父様をよろしくお願いします!」
虹がそう言うと笑顔で頷き、フィアナとダーニャの元へ飛んで行った。
虹も朱華の返答に「任せて下さい」と返事をし、雫を見守る。
雫が次に目覚めたのは次の日の昼になる頃だった。
「な、なるほどね……いや、助かったんだから感謝の言葉以外ねぇよ、ありがとな!」
雫は先ほどの説明を聞き冷汗を流しながらも、色々と動いてくれたフィアナとダーニャに礼を言った。
何に冷汗を流したかというと……。
「御主人様!良かったもう起きられて大丈夫なんですね。」
「雫!あんた一番怪我ひどかったって言うのに他の二人と回復が同じくらいってのはやっぱり凄いねぇ……まぁよかったよ!」
食堂に顔を出した雫は、椅子に座りながら話し合っていた二人に声をかけ、無事を喜んでもらっていた。
「心配かけたようですまなかったな、サラとクリスはまだ?」
「はい、サラ様とクリス様は先ほど朝食を済ませた後、まだ完全に回復されていないようなのでお休みになられました。」
「まぁあの怪我を三日で完治させちまった雫あんたがおかしいのさ!」
フィアナの説明に、追随してダーニャが笑いながらそう言ってくる。
確かに可笑しな位治りが早いので言い返せない。
「まぁ……それはいいだろう、んで二人には迷惑かけたみたいだなすまねぇ。」
俺がそう言って頭を下げると、二人揃って少し慌てたように頭をあげてくれと言ってきた。
「ご主人様!私はいざというときに動くためにいるんですよ、もちろんふだん何気ない時不自由させないためというのもありますが、ですので頭をおあげ下さい!我が主人にそう頭を下げられると私の立場でどうしていいか分からなくなってしまいます!」
「ったく、んな事きにすんじゃないよ!私達はもう仲間だろう?ならすまない!じゃなくてありがとうって言ってもらいたいもんだね!」
二人のその言葉を聞き、雫は頭を上げながら、まだ多少硬いが笑顔で「ありがとう」といいながら、椅子に腰かけた。
「あーそうだ雫、あんたに話しておかなきゃいけない事と、謝らないといけない事あるんだよ……」
ダーニャが少し気まづそうにそう言ってきた。
フィアナも少し申し訳なさそうに雫を見つめる。
「何だ?」
雫が短く聞き返すと、二人はお互い視線で合図をとりながら、ダーニャが説明を開始した。
「んとだな、今回雫達大怪我してただろう?それを治すために高位の司祭様を呼んだってのは聞いてるよな?それでかかった費用何だが……三十万シル……すまないが勝手に雫のカードから支払っちまったんだよ。」
すまない!と頭を下げながらフィアナとダーニャが雫を見つめる。
「なんだ……それなら逆に俺が礼を言う立場であって謝られることじゃないだろう?ありがとな、んで、その顔を見るとまだ他に話があるんだろう?」
雫がダーニャ達の顔を見てそう言った。
二人は苦笑を洩らしながら話を続ける。
「そうだよ、続きがあってそれはそれでよかったんだけど、あんた達の武器と防具、多少メンテナンスが必要だったのと、完璧に作り直さないといけなかったのがあったんでそれでだね……二十万シル程かかっちまったんだ……流石にあの類の材料を揃えるとなるとね……その代りあんたらの武器防具は完璧に修理しといたよ!何とか雫の財布と今回の報酬で何とかなったんだけど……今私達の団の資金ってのが限りなくゼロに近いのさ……謝らないといけないのは勝手に雫の個人資産まで使っちまった事だね、本当に悪かった!」
そう言ってまた二人揃って頭を下げる、少しその説明で冷汗を流しながらも雫は逆に礼を言った。
これが雫が冷汗を流しながら礼を言った理由である。
フィアナの説明により、この屋敷の維持は何とか塔への挑戦者による挑戦料で何とかなるが、雫達の生活までだといろいろ難しいらしい。
かろうじて後二三日は大丈夫らしいが、それ以上だと……と言葉にならなかった。
「話は解った!ひとまず今回みたいな無茶な依頼じゃなく、普通に問題の起こらないようなレベルの依頼をこなして資金をためる事にするか。」
雫がそう言うと、ダーニャとフィアナは頷いた。
「あ!後だね……いやこれは後で雫がギルド行ったときに解る事だから今はいいか、まぁ雫にとっていい事になるかめんどくさい事になるか解らないけどね。」
ダーニャが何か言おうとして、ニヤリと人の悪い笑みを残しながら中途半端に話を切った。
気になった雫が何度も答えを尋ねたがどうしてもその答えを教えてくれる事はなかったので、仕方なくギルドに依頼が何かないかを探しに雫は屋敷を出た。
その背中を見送ったダーニャの顔は悪戯をするそれ以外の何物でもなかった。
[カランコロン]
雫がギルドに入ると、ざわざわしていた店内が一気に静まり返った。
(……っえ!俺何かしたか!?)
静まり返ったギルドの中にいた人間、全員が雫に視線を集中させている。
改めてその視線に変な汗を流しながらあたりを見回すと、普段ギルドにいる人数の五倍以上の人間がその場にいて、ギルドの中を狭く感じさせている。
(何か……あったのか?ってか何で俺がこんな注目されてんだよ!)
その視線に辟易しながら、掲示板の前に立ち依頼を確認していく。
後ろではざわざわとギルドの受付に人が殺到し、受付が頷くとまたも一斉に雫にその視線が向きなおる。
とても居心地が悪そうに、なるべく気にしないように雫が依頼を確認していく。
確認していると、一枚の依頼が目についた。
[依頼書……ランクC弱]
・場所:街周辺。
・闇者の討伐:街道に出現する闇者の討伐。
・確認された闇者:ライラ三匹、レイラル五匹。
・成功報酬:一万シル+収集品。
*上記の完全遂行が任務完了となり、闇者の収集品をもって確認するものとする。
確認された闇者以外においても、街道に現れる闇者があればその討伐、闇者の数において報酬も上下する。
という依頼だ、虹にレイラルという闇者がどういったものかを聞くと。
(はい、レイラルとは大きな鋏が特徴で全長で一メートルくらいの闇者です。攻撃方法がその鋏でのそれだけですので、低レベルの冒険者がよくお小遣い稼ぎの為に倒す闇者です、レベルも5とかなり弱いので、雫様達であればいくら数がいても問題にならないと思われます。)
虹のその説明になるほどなぁと頷きながら、その依頼を持って受付に歩く。
雫が歩くのと同時に受付の前にいた冒険者達は道を開けて雫を観察し続ける。
「ラリア、この依頼を受けたいんだが……って何なんだこの騒ぎは?」
受付にはいつも通りラリアが座っていて、俺が行くと笑顔でその依頼を受理していく。
「はい!今ここにいる方々は街の英雄を見に来たんですよ。」
笑顔のままそう言って雫を見つめる。
その笑顔がどこか眩しいほど憧れてる者に向けられるそれに感じ、雫は一歩後ずさった。
「え、英雄ねぇ……なんだかすごい奴が来てるみたいだな……今ギルドに来てるのか?」
「クスクス、はい、今まさにギルドに来て、皆さんがその方を見ています。」
ラリアの言葉に俺ははて?と嫌な思いが一瞬よぎった。
(いやいや!まて!そんなわけないだろう?偶然、そう偶々で偶然に決まってる!)
「……そ、そうなのかぁ……ラリアその依頼早く受理してくれねぇか?ちぃっとばかり用事を思い出してだな早々に……」
雫が逃げるようにこの場を去ろうとしたが、それが許されることはなかった。
なぜなら突然背後から一人の青年が声をかけてきたからだ。
「あ、あの!?あ、ああすいません大声だしちゃって、月夜の雫のマスター雫さんですよね?僕!コウ=コロって言います!冒険者登録してからまだ五ヶ月の新米でランクEです!それで……そのですね……っっよし!それで!もしよろしければ月夜の雫に入れていただけませんか!僕……強くなりたいんです!」
そう声をかけてきた青年、コウは見た目雫と同い年くらい、青色のツンツンした髪が特徴的で得物は片手剣らしい、見た感じだと日本刀に似た感じの剣だ。
身長は雫より高い百八十位で身体つきも細いようでかなりがっちりとしている。
そのコウを待っていたかのように、津波のように周りの冒険者達も我先にと月夜の雫へ入れてくれと押し寄せてきた。
最初に聞いてきたコウはその津波にのみ込まれながらも、しっかりと雫の隣に立って耐えている。
意外としっかりしたその安定感に感心しながら、これはどうしたことかと混乱している雫。
その騒ぎはギルド長のロゼが納めるまで一時間近く続いた。
「なるほど、つまりこいつ等は入団希望者って訳か……」
「そいう事です、全部で五十六名、男性四十、女性十六です。」
ロゼの説明を聞き終え、俺がそう呟くと、目の前に並ぶ壁に見えるほどの奴等が全員俺の方を見ている。
辟易しながらどうしたものかと悩んでいると、ロゼが小声で話しかけてきた。
(雫さん、この者達皆が皆ではありませんがほとんどの者が雫さんの庇護下に入りたいが為に来た者達です、出来る事であれば、そう言った者達はなるべく見極めて考えた方がよろしいですよ。)
そのロゼの忠告に感謝しながら、俺は目の前の奴等をどうするか考える。
ふっと思いついたことがあったのでもう一度掲示板に向かうと、先ほど見かけたもので素通りさせた依頼書を二枚手に取った。
[依頼書……ランクD弱]
・場所:ディアの森。
・闇者の討伐:レイラル五匹。
・成功報酬:千シル+収集品。
*闇者の収集品を持って討伐の証とする。
というものと。
[依頼書……ランクC弱]
・場所:ディアの森。
・闇者の討伐:グリ四匹。
・成功報酬:一万シル+収集品。
*闇者の収集品を持って討伐の証とする。
の二枚だ。
雫はこの二枚をラリアに受理してもらい、全部で三枚の依頼書を手にそいつらの前に戻ってきた。
「月夜の雫の雫だ、今回俺の団に入りたいという事で集まったと今ここにいるギルド長のロゼから聞いた、それでだ、全員を入れる訳にはいかないので試験をしたいと思う。」
雫はそう言って三枚の依頼書を見せる。
「まず一枚目、レイラルの討伐だ、次に二枚目がライラとレイラルの討伐、最後にグリの討伐だ。それぞれ団のメンバーが一人ずつついてその評価を元に入れるかどうかを見極める事にする!嫌な奴はこの場で先に去るようにしてくれ!受け入れる者は俺の周りに集まってもらおう!」
雫がそう言うと、十名ばかりの冒険者はギルドを後にした。
残りのメンバーは四十六名、それでもこれだけ残ったのかとため息をつきたくなりながらも雫は説明を始めていく。
「まず各自のランクを教えてほしい。」
そう言って聞きだしたランクは、Eが一人、Dが四十四名、Cが一名の四十六名だった。
Dランクの奴等は皆どこか自分自身でどうにか頑張ろうといった気概が全くない。
それなのに、一番低いランクのEのコウはこのメンバーの中で一番やる気に充ち溢れ、一番ランクの高いCのビレイとなのった男はどこか雫を試すように見ている。
その二人だけが雫がこのメンバーの中で気に行ったというよりも気になった奴だった。
「まずメンバーを分ける!まずレイラルの討伐はDの十八名ついて行ってもらおう!」
そう言って適当に十八名振り分けていく。
「次にライラとレイラルの討伐にはDの二十六名について行ってもらう!」
この時点でざわざわと騒ぎ始めた。
それはそうだろう、残ったのがランクEとCの二人だけで、残った依頼がグリ討伐のそれだけなのだから。
「最後にグリ討伐にEとCが一人づつ来て貰う、ここは俺が担当するので、三人で討伐することになる!以上だ、試験開始は明日午後三時から!街の門の前で集合、遅れたやつはその時点で失格になるからそう思ってくるように!」
レイラル討伐にあてられたメンバーは少しほっとしたようにギルドを後にし、ライラとレイラル討伐を受けた奴等は少し緊張したように後にした、恐らく何名かは来ないだろう。
そして……。
「んでもってお前達はどうする?明日この依頼受けるのに来るのか?」
雫がそう尋ねたのは、コウとビレイにだ。
「もちろんです!感激です雫さんと一緒に冒険に出られるなんて!」
と素直に感動するコウと。
「受けさせて頂きますよ、貴方の実力が噂通りか……確かめてみたいですからね。」
とこちらもある意味素直に頷くビレイ。
雫は頷くと明日は遅刻しないように言って二人と別れた。
「……お疲れ様でした雫さん、ですがメンバーに相談せず勝手にきめてしまって良かったんですか?」
「いや、メンバーにはもうすでに説明してありますよ。」
そう言ってカラードルを見せる。
なるほど、と頷きながらロゼはいつもの微笑みで答えた。
「さて、俺も明日の準備を整えないといけないんで、今日はもう戻らせて頂きます。」
「はいわかりました、ですが一つだけご忠告を、雫さんあなたは今や冒険者の間では街の英雄です、街の他の人たちにはこのことを伝えておりませんので知らない事ですが……ですが雫さん達を助けに行った団風の守護のメンバーは雫さんの事を……なんといいますか……」
何か言いづらいことらしく、珍しくロゼが言葉に詰まる。
「いいです、そのまんま言ってくださいその方が解りやすいんで。」
雫がそう言うと、そうですねと頷きながら続きを語る。
「そのメンバーたちなんですが、雫さんたちを恐れてます。風の守護も月夜の雫と同じランクCの団です、偶然来たので助けを求めたのですが……それで風の守護のメンバーは総勢十五名、その全員で助けに行き、雫さん達が敵を全滅させていることを確認しました。その現場を見たそのメンバー達が街で雫さん達の事を化け物、人間じゃない……と吹聴しております。恐らく自分達の団であの闇者と戦った場合間違いなく全滅したというのがいやでも解ってしまい、それをたった三名で片付けてしまった雫さんたちに怯えているのでしょう、人間自分が恐怖する者に対して行う事がどんなことか解りますか?」
ロゼのその言葉に静かに頷く雫。
「……解っているようですね、はい。排除しようとするか、徹底的に関わろうとしないか、それに取り入ろうとしようかのどれかです。今回風の守護のメンバー達は街にそう言ったうわさをまき散らし排除しようと考えているようです。嫌がらせなどあるかもしれませんのでお気を付け下さい。」
「なぜ、そんな事に……」
雫がそう呟くと、ロゼが申し訳なさそうに頭を下げる。
「本当に申し訳ございません、すべて私の責任です。今回の依頼ランクでいいますとA中クラスのものになるんです。通常ランクAの団となりますとメンバーが三十名以上、最低ランクC以上が規定となります。その中でもA中クラスの依頼を受けられる団になりますとメンバーが四十名、ランクもBとAを中心にしたメンバーの編成でないとかなりの危険性があるものです。それを雫さん達はランクCという団の実力のうえ、たった三名で倒してしまわれました。通常あり得ない事です、私も正直申し上げますと聞いた時には少し怯えました。実際こうして雫さん達を知っていなければ風の守護と同じく怯え関わろうとしなかったかもしれません。それくらいにとんでもない依頼だったのです。それを私は雫さんたちに押し付けてしまいました。本当に申し訳ございません。」
つまり、普通の人間であれば達成不可能レベルの依頼を、達成してしまったので人外扱いと怯えられ、排除しようと動く奴等が出てきたと言う事だ。
雫は解らないでもないけどなと思いながらも、自分自身がそういう立場になると全く思っていなかったので少し落ち込んだ。
「気にしないでください、結局ロゼさんは受けなくてもいいと言ってくれたのに俺達がそれを受けたんです、責任は俺達にあるんですよ……それに全員が全員そういう思いじゃないというのも解りました、ロゼさんもこうして俺達を心配してくれてるじゃ無いですか、それだけでいいんです。」
雫は自分自身に言い聞かせるようにそう言った。
確かに、怯え避けられ排除されようと動かれても、それがすべてではなく、現にこうして、今話しているロゼ、受付のラリア等は決して雫達を否定しない。
二人とも真実を知っていてなお、そういう態度でいてくれるので、それが雫にとってはかなり嬉しいことだった。
ロゼはその雫の言葉に軽く頭を下げ、自分の部屋に戻っていった。
受付からは未だ憧れる者に向けるような視線を雫に向けてくる。
確かに……嫌われるのは嫌だが、あそこまで明らかに憧れるのもいささか居心地がわるいなぁと感じながら雫は、ラリアに軽く挨拶をしてギルドを後にした。
「人より強い力を持ったことによっての憧れと恐怖……ねぇ……めんどくさいな……」
雫はギルドの外、街の中で誰にも聞こえないようにそう呟きながら屋敷に戻っていった。
漸く四章。
そして新キャラ登場!
もちろん雑魚キャラとして数えていたDにも一人隠れ新キャラがいます!
これはこれからの話で出していきますね!
ちなみに、この話昨日の内に書きあげるつもりだったんですが、書き上げた瞬間間違えて消えてしまいました……バックアップもとっておりませんでした。
泣きながら、書きなおす気も起きず今日になってしまいました遅くなってすいません。