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当然のように読みづらくて大変申し訳ない



 一体これはどうしたことか…。こんな醜い生き物好き好んで見に来ている訳ではないのだけれども、遭遇するたび驚かされるな。

 ゴブリン集落の開拓がめちゃめちゃ進んでる…。前見た時はボロ屋が数軒って所だったのに、それから森を切り拓いて地面を平らに均してかなり広い…。

 小学校の近くにあった団地一つ分位の広さはありそうだ。

 森との境には全てじゃ無いが膝くらいの高さの木の柵があるし、無い部分には3匹のゴブリンで巡回してるようだ。

 それに少し傾いてはいるが、2メートル近い櫓のようなものも二つと作りかけが一つ。

 その近くは柵じゃなく壁みたいになってるな、ちょうど俺が来た方角だけやけに警備が厳重だ。何故だ…



 ……俺か?もしかしたら俺が今までゴブリンを殺したから攻めてくるんじゃないかと警戒してんのか?

 はっはー、甘いぜ。俺はなかなか姿を隠すのが得意な(つもりな)のだ!

 見つからないようにする秘訣は、もし音を立てて見つかったと思ってもそこで焦らず動かない事だ!…とある本で読んだ。


さてどうするか、現在の装備は血に染まって黒ずんだ服の上に狼の毛皮(無理やり剥いだから肉が少し内側に取り切れてない)を巻いてその上からゴブリンの腰巻で落ちないように巻き付けている状態。

 一応念入りに洗ったから気持ちの上ではきれいなつもりだ。

 布と皮で体をぐるぐる巻きにしたから防具はこれでいいだろう。なまくら刀相手なら布切れ一枚でも結構変わるだろう…希望的観測だけどね。

 ゴブリンの腰巻に使われてた植物の蔦が丈夫で便利!ありがたい。


 これを使ってこん棒をまとめて、上から皮できつく腹に巻き付けて甲冑気分だぜ。必要に応じて引っ張れば抜けるからこの4本は予備の武器としても使える。

 メインは剣だけどようやく常に手に持たなくても良くなった。鞘はないから刃の部分をこれまた腰巻の布で巻きまして、と鍔に蔦で作った輪っかを引っ掛けて腰に巻いて剣を佩いている風に見せてます。

 まさか今になってベルトの重要性に気付くとは…、今まではズボンは腰で引っかかってベルト要らなかったからなあ。まあ今はギリギリ腰骨で引っかかってるけど、痩せすぎたせいでズボンがぶかぶかで落ちそうだからな。拳一つ分隙間が出来てる、まあそのおかげで剣を巻いても胴を一周するほど蔦の長さが足りたんだけどね。


 …まずい状況には変わりはないな、狼もゴブリンも蛇も無理やり口に入れてかなりの量を食べたんだが…肉が戻らんなあ。脂肪の鎧が無くて大丈夫かなぁ、時間がたって脂肪も筋肉も削ぎ落とされてきてる、筋肉がギリ保てているが長くは戦えないな。


 …よーし、まずはでかいゴブリン二体の瞬殺を狙おう。まず倒せるか分からん位にゃデカかったがな、ガハハハッ。


奴らは一体今どこにいるかなー…っと警戒態勢の低い中央の広場に大剣持ちがいて、その奥に弓持ちがいるねぇ。

 遠いなあ、このままゴブリンの巡回が居なくなるのを待つべきか?

 でもいつ居なくなるかわからないしな…うん、暗くなり始めたら突っ込むか。



 そろそろ自分の痺れが切れてきたなー。

 奴らもウロウロしてるが基本は広場付近にいるみたいだし、火も暮れてきた、弓も遠ざかった、近くに巡回もいない、これ以上の好機はない。今行くぜ!

 まずは木から音立てないようにゆっくりと降りることだな。…ふっ、登るんじゃなかったぜ。

 気を取り直して、痛みに耐える覚悟をして、鈍ら剣を持ってぶち殺しに行きますか。




 集落の中心に向かって走り出し、木の柵を飛び越えて一直線に大剣持ちを目指す。


 む、気づかれたか。  大きな剣を持ったゴブリ

 走りながら片手で腹か ンは自分に向かって走っ

ら棍棒を一本取り出し、 てくる人影に気づくと、

右手に持つ。      弓を持った仲間に敵の接

 あれ、この場面どっか 近を知らせると剣を大上

で見たな、振り下ろしと 段に構え、弓持ちは弦を

避けたら矢が来るんだべ 張り、矢筒から矢を引き

。振り下ろしが来んなら 抜く。

対応出来んだろ。     敵の接近に合わせて踏

 ゴブリンが剣を振り上 み込み剣を振り上げる。

げる瞬間、棍棒を顔に向  突然飛んできた棍棒を

けて投げつけ、その隙に 咄嗟に剣で弾き、そのま

距離を詰め、相手の手に ま振り下ろす。

斜めに剣を叩きつける。  剣持ちが敵と相対して

 そのまま前に進み続け いる間に、その後ろでも

ゴブリンの左側に抜ける う一体のゴブリンは敵と

。(あっと、そういえば の距離を取り、矢を番え

矢が飛んで来んだった) 狙いを澄ましている。

と頭によぎり、何とか足  そして仲間の横を抜け

を伸ばし一歩左にづれる て姿を現した敵に矢を放

。           つ。


 直後に頭の横を矢が通  矢を避けられたが、直

り過ぎ、肝を冷やしたが ぐに狙いをつけて二の矢

次の矢を見据え、左半身 を放つ。

で右手を前に構える。   剣を握る手を切られ、

 直後に飛んできた矢を 右手で強く剣を握れな

右手で掴み、右足を軸に くなるが、それでも敵

矢の勢いに任せて回転し に近寄って行き、左手

ながら近よってきた剣の 一本で剣を振る。

ゴブリンの膝の裏に突き  しかし片手では十分

刺す。         に振れず、剣筋が乱れ

 熱っつ!!火傷した、 て敵の胴に届く前に、

掌と指の関節の間に黒い 相手に矢じりで刺され

線が入っちまった。いや 、その勢いで片膝を突

なんて動体視力なんだ俺 いて剣を取り落として

は!化け物じみてるぜ。 しまう。

             仲間のゴブリンが傷

 そう思いながら弓との を負ったのを見るや、

距離を走って一気に詰め 矢を射って村のゴブリ

る。          ンを呼び寄せ、自分は

 棍棒をもう一本抜き取 敵から離れ、距離を置

り、矢を射させないよう き矢を放とうとするが

に投げつける。     、棍棒で遮られる。


 そこに小さな弓矢を携えたゴブリンの一団が現れ、集落への侵入者に対して一斉に射かける。

 そして棍棒で武装したゴブリンが剣を持ったゴブリンを守るように取り囲み、簡単な応急処置を行う。


 うわっ、ヤベッ!    体制を立て直したゴ

 突然射かけられた矢か ブリン達は連続して矢

ら必死で方向転換して逃 を放ち続け、棍棒を持

げ出す。その急な方向転 ったゴブリン達は矢か

換のせいで足の傷が開き ら逃げる敵を囲み、追

、一段と走る速度が落ち い詰めて行く。

る。           そして逃げる先を大

 矢の当たる瞬間に体を きな弓矢持ちのゴブリ

震わせ弱い矢を弾き、家 ンは強く弦を引き絞っ

屋の近くまで逃げてきた て、狙い澄ました一矢

が、そこで弓を向けられ を放つ。

ていることに気づく。   大剣を持ったゴブリ

 棍棒と剣を構え、集中 ンは傷を布と薬草で巻

して矢を見据える。もの き、剣を握って布で固

凄い速度で飛来する矢の めることで、軽く足を

軌道を予測し弾く。   引きずってはいるが、

 奇跡的に矢を弾くこと 戦線復帰を果たし、敵

に成功するが、棍棒が弾 に向かって歩いて行く

き飛ばされ、肩の肉が削 。

がれる。         矢を弾き、その勢い

 手から離れてしまった で後ろに転がった敵の

剣を拾うと、前でゴブリ 前に立ち、上段から剣

ンが剣を持ち上げていた を目一杯の力で振り下

。           ろした。


 片膝を突き、反対の足は立てながら、剣を握ったまま柄を相手の剣の柄に下から振り上げるように引っ掛けながら体を転換し、ゴブリンの手ごと振り下げ、勢いで立ち上がり振り返らずに一番近いあばら家に飛び込む。


 まずいぞ、この状況を  足の怪我で思うよう

どう打破する…!    体重が乗らず、斬撃の

 とにかく雑魚を瞬殺し 威力がでなかったが、

レベルアップを祈るしか ゴブリンの指揮を執り

無い!         始め、あばら家を取り

 飛び出して一瞬の内に 囲み飛び出した所を、

殺して混乱させる、今の 矢衾を作って射殺そう

内に息を整えて…行くぞ としている。





ドオォォォーン!!!!



 突然と大きな爆発音と、ものすごい熱量が壁のある方角から伝わってくる。

 その直後から、ゴブリン達の悲鳴や叫び声が聞こえ始め、混乱が伝わってくる。


 一体何が起こったんだ!?謎の痕跡の化け物か?


 ……これはもしかしなくてもチャンスだなっ!

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