26
思い付いた事をやって読みにくくなってしまった。
↓ ↓
ここ と ここから
どっちか読んで下さい
いやー、まだサンドバッグ使い始めて三日しか経ってないけどもうボロボロで使い物にならないな。結構殴り慣れた感じがするな、手首を痛めないで殴れるようになってきた。でも木に磔にしてる分蹴りが前蹴りか足先だけを当てるような蹴り方だけしか出来なかった。
それでも結構骨も折れたし、脳震盪を狙って顎も狙えるようになった、投擲の練習もした、十分練習…格好つけて言うなら鍛練できた。そろそろ楽にしてやろう。
早い段階で叫んでうるさいから喉を殴ったり蹴ったり、親指と曲げた人差し指の間で挟んでみたりして潰しちゃったし、骨が折れて皮膚を突き破ってる所もあるし、いつの間にか傷口に蛆が湧いてて気持ち悪い。
そして蛆が太い!デカイ!いっぱい!だから大きめの石で叩き潰したら変色してぐちゃぐちゃになった肉と膿が飛び散って悲惨な事になった。栄養補給のために生きたまま肉を齧ったのが良くなかったのかな?
まあそんな事は置いといて、向かって来ても撃退できるように警戒しながら木からナイフを抜いて…と、さてどうなる?
あら、逃げようとしてる、フラッフラだけど。じゃあナイフ投げの練習だ。頭を狙って~、ナイフは二本、それっ!
…外れた、頭の横を抜けた。それっ!てのが逸れるの逸れっみたいな感じだったのが悪かったなー。次挟んでみたり気を付けて、ふっ!あ!
…下の方にすっぽ抜けて外したと思ったけど都合良く足に突き刺さった、いやー良かった良かった。
やっぱりナイフを投げるのは難しいな、柄を持つのか刃を持つのか分からないもんな。練習しないとな。
立ち上がる事も出来ずに這いずりながら逃げていくゴブリンの頭を蹴飛ばして倒し、頚椎を踏み折る。さて食えそうな部分だけでも切り取る。ナイフは拾ってそこらの蔦を使って何とか腰の周りにぐるっと巻いて結んでおこう。直ぐに取れそうだけど少しの間だけでも持てばいい。
これからどうすっかなー?まあ新しくサンドバッグを用意したいなー…そうだ、この前捨てた二つのゴブリンの死体でも見に行くか。
と言うことで迷いながら何とか死体を投げ捨てた所にきてみたがどれだけ腐ってるかは想像つかないなあ。酷い臭いがあるかも知れないんだけどもね、今のところはそう言うのはないな。
…ここら辺だったと思うんだけどなー。何も無い。
突然前方から飛んで来
た何かを咄嗟に屈んで躱 射った矢が躱された
す。直ぐに飛んで来た方 後、弓を持ったゴブリ
向に視線をやるが姿は見 ン二匹は場所を移動し
えない。そして自分の周 、仲間の攻撃を待つ。
囲を見渡すと武器を持っ 敵が囲まれた事に気付
たゴブリンに囲まれる。 き、気を取られた隙に
ゴブリン達が一歩踏み出 仲間に当たらない角度
して来た瞬間再び何かが でもう一度矢を放つ。
飛来し、背中を掠め地面 それを皮切りに棍棒や
に突き刺さり飛来物が矢 剣を持ったゴブリン達
だと分かる。 が距離を詰め攻撃を始
低い姿勢のまま向かっ める。
てきたゴブリンに足払い 敵を取り囲む八匹の
を放ち、転んだ奴の上を 内三匹が地面に倒され
飛び越え、一方の矢の来 仲間に当てないために
た方向に走り出す。 振り下ろしかけた武器
走り出して直ぐに視界 を止める。一拍置いて
の右端に動く影が見え、 逃げた敵を追うために
方向転換しながら、後ろ 四匹が後ろから追いか
をチラリと見て、追手を け、一匹が残りを助け
確認する。段々と距離を 起こして別方向から追
詰めて行くと、前方のゴ いかける。
ブリンが振り返り弓を構 追いかけられている
えた。ヤバい!急には止 ゴブリンは振り返り、
まれない…けど大丈夫! 敵の後ろにいる仲間に
ステータス画面を弓持ち 当てないように矢を番
ゴブリンの眼前に開き、 えるが、突然目の前に
その瞬間木の裏を通り、 出てきた板に驚き、敵
頭に跳び蹴りをして倒す を見失い、蹴りをくら
。倒れたゴブリンの首を い地面に倒れた。起き
捻って折る。 上がる前に押さえつけ
追いかけて来るゴブリ られ首を折られた。
ンのに再びステータスを その間に追いかける
開き木の陰に隠れ、先頭 ゴブリン達が距離を縮
のゴブリンとすれ違うよ め、ステータス画面で
うに走り出し、ナイフを 視界が遮られ見失った
取り最後尾のゴブリンに 一瞬の内に後ろのゴブ
投げ一気に距離を詰める リンの首にナイフが突
。左手で棍棒を持った手 き刺さり、その前のゴ
首を掴み、右手でナイフ ブリン三匹は数歩進ん
を掴み首を切り裂いて振 で振り返り、敵に向か
り向き様に投げる。左手 って行くが一匹の腹に
をスライドして武器を奪 ナイフが刺さり、追い
い右手に持ち替え横に払 討ちに棍棒を食らい倒
う。次のゴブリンの首を れる。そのゴブリンを
突き、胴体を抱えてその 跳び越えて攻撃しよう
まま進み後ろのゴブリン とするが棍棒で突きを
にぶつけて手を離す。 受け、投げられて二匹
その脇を抜けて後ろか の動きが一瞬止まり、
ら棍棒を振り下ろし、何 攻撃を受ける。
度も棍棒を叩きつける。 しかしその間にもう
攻撃をしていると後ろ 一方のゴブリン達が現
から突然頭に衝撃を受け れ、頭に棍棒を振り下
棍棒を取り落とす。ガク ろす。反撃を食らった
ッと姿勢が下がるが、何 がその後ろのゴブリン
とか持ち堪えて振り返り が突きを食らわせ、後
アッパーを当てる。 ろのゴブリンが更に回
腹を突かれて後ろに下 り込み、剣を振り下ろ
がるが、前蹴りでまとめ す。回し蹴りを食らい
て倒し、後ろ回し蹴りを 剣の勢いが弱まったが
放つが、上腕に剣を受け 傷を負わせた。
、痛みで身体が固まる。 そして回り込んだも
その隙に棍棒で顔を殴 う一匹が棍棒で殴り、
られ、後ろからも背中を 蹴り倒された二匹が起
殴られ、腕を上げて筋肉 き上がって攻撃に加わ
に力を入れて攻撃を耐え り、更にその間に投げ
る。頭を庇ったまま正面 られたゴブリンが起き
のゴブリンに体当たりし 上がり向かって行く。
て吹き飛ばし、そのまま 体当たりで押し倒さ
馬乗りになり、両目を潰 れ、仲間の上に乗る敵
し、前転して追撃を躱し の背中に攻撃するが、
走って逃げる。 避けられて仲間に当た
距離を取り木の陰に隠 ってしまう。そして残
れ、ゴブリン達が追い掛 りの五匹で敵を追い掛
けて来るのを待つ。隠れ ける。逃げた方向へ進
ている木の横まで来た瞬 むと、先頭のゴブリン
間に顎を狙って全力で殴 が木陰から殴られた。
る。…が伸びた腕に棍棒 その殴って伸びた腕
を振り下ろされ、その勢 に後ろの仲間が攻撃し
いで身体が前に傾く。脇 、木陰から出てきた敵
腹に攻撃されながらも、 に、その後ろの仲間も
踏ん張って耐えて態勢を 棍棒を振り下ろす。
建て直し、二匹のゴブリ 先頭の二匹の頭同士
ンの頭をぶつける。そし がぶつけられ、ふらつ
てその後ろから剣を持っ く仲間の後ろから、さ
たゴブリンが見え、目の らに剣を突き出す。
前のゴブリンを掴んで盾 しかし仲間を盾にさ
にするが僅かに刺さり、 剣の刺さった仲間ごと
肋骨に当たり止まる。 突き飛ばされ倒れる。
その死体ごと蹴り飛ば その後ろのゴブリンが
し、反動で後ろに下がる 距離を詰め、棍棒を振
が、すれすれで棍棒が鼻 り下ろす。それを躱し
先を掠める。そのまま数 た瞬間を狙って、追い
歩下がった所で、視界の ついた弓を持ったゴブ
外から背中に衝撃を受け リンが矢を放つ。
る。 その隙を逃さず、二
あーもう一匹いたなあ 方向から転がっている
と思いながら地面に倒れ 敵を挟んで攻撃する。
、転がりながら矢を引き 地面に倒れている敵
抜く。しかしその間にゴ を二匹で棍棒を振り下
ブリンに挟まれ、蹴られ ろし、体重を乗せて蹴
たり、殴られたりのリン ったりしている内に倒
チ状態になり、身体を丸 れていた仲間が起き上
めて頭を守る事しか出来 がり、武器を持って歩
なくなった。 いて来た。
攻撃を受ける瞬間に力 一匹が加わり、棍棒
を入れたり、身体を動か で殴り続け、たまに動
してみたりしたいると、 きを見せたりする相手
剣を持ったゴブリンが向 を逃がさないように囲
かって来るのが見えた。 み続ける。
剣を食らうと致命傷な そうして時間を稼ぐ
ので反撃をして逃げるタ と剣を持った仲間が加
イミングを伺う。そして わり、剣を振り下ろす
剣を隙に振りかぶり、囲 時に合わせ、囲んでい
んだゴブリン達が一斉に たゴブリンが飛び退く
飛び退き、それに合わせ 。しかし一匹が足を掴
て一匹の足を掴んで引っ まれ、盾にされて頭に
張り、身体の上に乗せて 剣を受け、頭蓋が割れ
剣を防ぐ。 、脳漿が吹き出す。
地面に落ちている矢を 目の前で新たに仲間
拾い、棍棒を持つ一匹に がやられた事に怯んだ
投げつけ、走る。矢を弾 のか一匹が敵の接近を
かれるが、そのまま顔面 許し、矢を投げられる
に跳び蹴りを当てる。 。その矢を棍棒で咄嗟
ゴブリンを蹴った瞬間 に弾く、しかしその一
に反動で全身に痛みが走 瞬の隙を突かれ蹴りを
る。そのせいで着地に失 食らう。その仲間を助
敗し、次に来たゴブリン けようと一匹が近づい
の棍棒を交差した腕で受 て棍棒を振り下ろす。
けてしまい、立ち上がる その横からもう一匹
前に剣を持ったゴブリン が剣で突きを放つ。そ
の突きを転がって避ける れを避ける敵に交互に
。だが、避けた途端に次 攻撃を放ち、余裕を与
の攻撃が来て段々余裕が えず追い詰めて行く。
無くなり、その合間にも 更に的確なタイミング
矢が射られ、掠めるよう で矢も放たれている。
に避けるのが精一杯にな その状態は長く続か
った。そして気付かぬ内 ず、追い詰められて木
に後ろに下がっていて、 にぶつかり、反射的に
背中に何か感触があり、 振り返った敵の無防備
咄嗟に振り返ってしまう な首筋を狙って、全力
。 で横薙ぎを放つ。
死を覚悟したその時、 敵の殺害を確信した
飛来した矢が目の前のゴ その瞬間、同じように
ブリンの首の左側から突 敵の隙を狙った矢に不
き刺さる。そのお陰で出 幸にも当たってしまう
来た一拍でゴブリンを蹴 。そこから不幸は続き
り飛ばし、走って逃げ出 、もう一匹が蹴られて
すが、もう一匹のゴブリ 倒れた仲間の身体の下
ンが見当たらない。気に 敷きになってしまう。
せず走るが、一歩目で脛 しかし倒れた状態で
に棍棒を食らって転びそ 目の前の敵の足に棍棒
うになるが、受け身を取 を当てる。それでも逃
って立ち上がり、痛みに げる敵を仲間の下から
耐えながら逃げる。 抜け出し、追う。
かなり逃げ足は遅いが 途中で弓を持った仲
ゴブリンも消耗している 間と合流し、射線に入
のか追手も遅い。しかし らないように、追い掛
矢が脇を通り過ぎ、弓で ける。
狙いにくくするためステ 途中で何度か矢を放
ータス画面を後方に開き つが、半透明の板が何
、木の裏を通って走る。 度か出て当たらない。
暫く進むと、川辺に出 暫く進むと、横から
て不味いと思った瞬間、 獣の吠える声が聞こえ
横から何かに飛び掛から 、茂みから大きな狼が
れる。巴投げに似た形で 飛び出して来た。
倒れながら蹴りあげ、起 棍棒を持った方が狼
き上がり視線をやると、 にのし掛かられるが、
狼が口を開け、こちらに もう一匹が矢を放ち、
飛び掛かって来た。 狼から助け出す。しか
空中で大きく開いた顎 し毛皮に阻まれ弾かれ
を下から蹴りあげ、後ろ る。その間に新たに剣
に飛ばす。ただ蹴った瞬 を持ったゴブリンが合
間に爪を立てられてふく 流し、三匹で固まって
らはぎを切り裂かれた。 前衛後衛に分かれ陣形
そして、更に二匹の狼が を組み、もう一匹現れ
現れ、三方向から囲まれ 二匹になった狼達と向
た。 かい合う。
狼達は一匹に攻撃しよ 二匹の狼は左右に分
うとすると他の狼が後ろ かれて弓を持ったゴブ
から攻撃して、最初の狼 リンを狙うが、前衛の
が距離を取る。そして狼 二匹がそれぞれを牽制
の攻撃は一匹が噛みつい し、その間に後衛が棍
て来たら、避けた瞬間に 棒を持ったゴブリンが
次の攻撃が来て、それを 相手をする狼に矢を放
避けたら次…と休み無く つ。狼が離れたら深追
続き、反撃をしたら一斉 いせず、三匹で固まっ
に離れ、攻撃が届かない て落ちた矢を拾ったり
距離まで離れていく。 して狼の隙を伺う。
そんな状態でいつまで 遠巻きに走りながら
も耐えられないので、負 様子を見ていた狼達が
傷を覚悟で反撃に出る。 突然正面から襲い掛か
頸動脈を狙った噛みつき かり、爪で切り裂きす
に膝蹴りを合わせて、爪 ぐに逃げていく。その
が突き刺さるが追撃に腹 タイミングでもう一匹
を殴り、更にもう一発殴 が一度だけ攻撃して逃
ろうとした所で足首に噛 げていく。
みつかれ、引き倒されて 狼達はそんなヒット
更に引きずられる。 アンドアウェー戦法を
引きずられながら空い 取り始め、ゴブリン達
た足で鼻先を蹴り、口を は段々消耗していく。
開けさせ、無事な足で思 しかしゴブリンも隙を
い切り蹴り飛ばす。その 突いて攻撃を繰り返し
瞬間左腕に噛みつかれ、 、狼達に傷を負わせる
押し倒される。尻餅をつ 。毛皮の上からでも斬
きながら右の親指を狼の 撃は通り、真っ赤な肉
眼に突き刺し、怯んだ隙 が見える部分が増えて
に上顎を掴んで口を開か いく。
せ、舌を掴んで引き抜く その中で弓を持った
。 ゴブリンは隙を見て矢
一気に状況が良くなり を放っていたが、矢が
、フラフラになった狼達 無くなって弓で狼を殴
を確実に一匹ずつ仕留め り始める。しかしそれ
て行く。三匹全ての息を が逆に功を奏し、長く
止め、一息つくと痛みを 続いた均衡が崩れ、少
感じていない事に気づく しずつ狼達が攻撃を食
。アドレナリンがドバド らう回数が増えて行く
バ出てる感があるな、そ 。そして狼の一匹がふ
の間に残りのゴブリンを らついて倒れる。その
何とか殺しに行かないと 少し後、最後の狼が棍
。 棒を持ったゴブリンの
もう拳が握れない左腕 首に噛みつく、そこを
をぶらつかせながらゆっ 残りのゴブリンが攻撃
くりと自分を追い掛けて して命を奪う。
来ていたゴブリン達の方 しかし狼は自分の命
向へ歩いて行く。 と引き換えにゴブリン
の命を奪っていた。
少し歩くと、二つの影 仲間の死体に未だに
が見えた。相手がこちら 噛みついている狼を引
に気づいていない事を確 き剥がす。そうして悲
認すると、一度深呼吸を しみに浸る間も無く、
してゴブリンに向かって 弓を持ったゴブリンが
走り出す。足から血が吹 突然攻撃を受け、吹き
き出すが、一匹の頭に跳 飛ばされる。
び蹴りを食らわせる。 剣持ちはすぐにバッ
もう一匹が下がったの クステップで距離を取
を見て、ゴブリンの死体 り、剣を正眼に構える
から棍棒を拾い投げつけ 。そして敵の投げた棍
る。そしてゴブリンの振 棒を払い飛ばし、距離
り下ろしを右に並ぶよう を詰めて、頭をかち割
に避けて、左手は柄に乗 るつもりで思いっ切り
せ、右手の親指と人差し 振り下ろす。
指で挟み、右足を相手の 渾身の一振りを躱さ
後ろにまで踏み込みなが れ、何が何だか分から
ら剣の勢いのまま腕を振 ない内に、右足を切ら
り、相手の足を切りなが れ、振り回されて、投
ら剣を振り上げる。左足 げ飛ばされていた。
を引いて半回転しながら そして受け身も取れ
剣を振り下ろす。 ず、地面に頭から突っ
剣を奪いながら相手を 込み倒れた所を後ろか
投げ、倒れたゴブリンの ら踏みつけられ、首を
首に剣を突き立てる。 刺されて命を失った。
…長かった。一時間も戦ってはいないだろうけど長かった、もうぼろぼろだ。このまま死ぬかも知れないな。
とはいえ、俺強いな。もしかしたらめちゃめちゃ強くなってるんじゃないか?ヤッター!俺強えーー!!無双してやったぜ!アッハッハッハッハ!
まあ全身打撲裂傷だらけ、右腕は大量に内出血、左腕は皮膚ボロボロぐちゃぐちゃで血だらけ。右腕は真っ紫で左腕は真っ赤、長袖が半袖になって、ズボンも片足半ズボンだ。かなり大胆なイメチェンだよ。
そういやあの幻覚は何だったのか、ミミズに呑まれて、龍にビビったやけに上からの情報量が多いあの幻覚は。
もしかしたら上に何かあんのか?と思って上を向いた瞬間、人位なら軽く丸呑み出来そうな程に大口を開けた大蛇が上から降って来た。
咄嗟に持っている剣を振り上げ、弾きながら転がって蛇を避ける。すぐに立ち上がり剣を蛇の頭に振り下ろし、横薙ぎで木に叩きつけ、開いた口に剣を突き出す。
力が入っていないのか、鱗を破れず大きな傷にはならない。大蛇はそのふくらはぎ位太い尻尾を振りまわし、攻撃してきた。
剣を振り上げたタイミングで尻尾を胴体に食らい、2メートル近く吹き飛ばされる。呼吸がままならない中、血を吐きながら立ち上がり剣を振り上げたその時、大蛇に背後の木ごと巻き付かれ締め上げられる。
ミシミシと、自分の骨と木の幹が音を立てるのを聞きながら、近づいて来た大蛇の首に、唯一自由になる右腕で剣を突き立てる。
段々呼吸が苦しくなり、意識が遠ざかって行く。ヤバい、死ぬ。くそ!くそ!くそ!あああああぁ!!!やめろやめろやめろぉ!!
真っ赤を通り越して真っ白な顔で必死の形相で一言絞り出し…、
「止まれぇ!!」
一瞬大蛇の頭が止まり、そこに命が掛かっているからなのか、普段絶対に出ないような力で剣を振り、大蛇の首を飛ばす。
命を失った大蛇の体から力が抜け始め、必死にもがいて抜け出す。
荒い息で全力で酸素を取り込んでいると、途轍もなく乗り物に酔って、胃を捻って体の中で振り回されているかのような吐き気に襲われる。
というか吐いている。めちゃめちゃ吐いている。胃の中身が無くなっても収まらないので、胆汁が出てる、気がする。凄く酸っぱい臭いがしてるし、鼻の中にゲロが詰まって超臭い。
…あ"ー、何とか収まった。ふぅー命からがら蛇を殺したって言うのに、ものすごい吐いたって事に印象を全部持ってかれた。
それに幻覚があったから最初呑み込まれなかったし、止まれと言ったら蛇の動きが止まった。
………もしかして、さっきの魔法じゃないか?魔法だとしたら、俺は独学で魔法を使えるようになったって事じゃあないんじゃあないの!?
それって凄くない!?いや凄い!俺って天才じゃないか?いやこれはもう天才と言って子細ないな!
ハハハハハ。ぐふっ!…あー、吐血してる。さすがに死にそうだ。ただレベルが上がったお陰か、かなり頑丈になってるな。腕力も上がってる。そのお陰で今生きてるって感じだ。
体力を回復させる為にもここの大量の死体を早いとこ食えるだけ食って、物品を回収して撤収。そしてゴブリンが死んでいるかトドメを刺す。よしこれで行こう。
くっ、身体が思うように動かねぇ。でもまあ何とかなるだろ、こんだけ俺は強いんだから。ハァ…ハァ…死ぬ。嫌だ、死なない。今は肉を食って身体を治さないと…。
もう一本のナイフは途中でどっか行きました。




