5日目
「お前らもすでに知っていると思うが来週毎年恒例のクラス対抗のテストがある」
担任の若月が朝のSHRで話し始める。
「テストの内容は2つ、ペーパーテストと実技テストだ。なお1位の組にはご褒美を貰えるから頑張れ。ちなみにビリの組のには罰があるから覚悟しておけ」
先生の最後の一言でクラスが一気に暗い雰囲気になる。勉学&実技の両方トップのAクラス、勉学はAクラスに劣るが実技は同等のBクラス、両方落ちこぼれのCクラスでは結果は目に見えているようなものなのだ。
「以上でSHRを終わる」
先生は足早に教室を出ていった。
「どうしよう、私たちがふつーに戦っても負けちゃうよ」
クラスのヒロイン的ポディションを手に入れた、雨矢さんがみんなに呼びかける。
「だから、みんなで頑張ろうよ!1位にならなくていいから、Bクラスには勝とうよ!」
「そうだねこれからみんなで勉強してBクラスを倒すぞ!」
クラスの学級委員長になった神童がさらにクラスの士気を高める。
俺は当たり前のように自分の席で本を読んでいる。
教室を見回すと俺の他にも1人席についている男子がいた。
確か鬼崎賢治。今年の入試を最低点合格者だ。
中学時代は地元で有名な不良グループのリーダーだったらしい。そのため、勉強の方は全くダメらしい。
「じゃあ、今日の放課後から勉強会&作戦会議って事でいいかな?」
神童が話をまとめる。
「いいよー」「よっしゃ!いっちょ頑張るか」などと俺と鬼崎の2人を除いた38人のテストに向けたやる気は高まっていった。
「すみません〜」
俺は今1年A組の教室の前にいた。
「あの〜天空亜子さんはいますか?」
「あ〜ん?てめー何組のやつだよ?」
1人の男が俺の胸ぐらを掴んできた。
「えっとー、1年C組です」
俺がそう答えると周りにいたA組の男子たちが一斉に笑う。
「ぶっは!お前ら落ちこぼれが亜子様に会いたいだってー?冗談もいい加減にしろよ、会いたいんだったらせめて次のテストでBクラスを倒してからにするんだな」
「あれ?空様ではありませんか?どうしたんですか?まさか会いにきてくれたんですか〜!」
ちょうど後ろのドアから教室に入ってきた亜子が走ってよってくる。
「そのまさかです。今日は亜子ちゃんに会いにきました。一緒にお昼でもどうですか?」
俺は亜子の方を見て軽く微笑む。
「ッ〜!!本当ですか!早くいきましょう!」
亜子は俺の手をとって教室を出ていった。
「亜子ちゃん」
「何ですか?空様」
「僕の本性を知りたくないですか?」
「それは気になりますね。空様は心ここにあらずって感じがしますので」
「ですよね。じゃあ今から素になります」
俺は一瞬目を閉じた。
「ふぅ、あのさ亜子、これから話すことは誰にも言うなよ」
「はっはい」
どうやら亜子は俺の本性に少しビビったらしく、かたくなった。
「俺は前に俺のスキルは『鋼鉄』と言ったがあれは嘘だ。本当は『破壊』だから憶えておいて」
「はい」
「ちなみに俺のスキルの話を誰かにした場合、亜子でも殺すから」
「.........」
亜子は何も言えずに黙っている。
「まあ、でも誰にも言わないなら何もしないから大丈夫だけど」
俺はそう言うと同時に亜子を抱きしめてあげる。
「...分かりました。これは2人の秘密にします」
「俺の本性見てどう思った?」
俺は亜子を抱きしめたまま訊ねる。
「...正直びっくりしました。でも、私は本当の空様らしくて余計に好きになりました」
亜子は俺の方を見て嬉しそうに微笑む。
「よかった。せっかくだし一緒にご飯たべるか?」
「はい!」
下手くそですが頑張っていきたいと思います。
コメントお待ちしております。