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ワールドスクール  作者: 戸塚桃
6/8

4日目

たまたま俺は1番早く教室についていた。特に意味はなく、ただ早起きしたからだった。

 本でも読もうかと思い、カバンから本を取り出したところで、教室に姉さんが入ってきた。

 「あら、あなたしかきてないの?」

 「まあ、今日はたまたま」

 俺は本を読む手を止めずに話す。

 「ねえー真波、うちらを倒したC組のやつってどんな奴、まじで許さないー」

 真波の後ろからA組らしい人が愚痴愚痴いいながら入ってきた。

 どうやら俺はA組から嫌われているらしい。

 「その子ならあそこで本読んでる人よ。鳴門空也私の弟よ」

 A組の女は真波の指さした方を見る。

 「真波の弟なのー?あーあそこで本んでる弱っちいや...」

 俺はその人が少し気になったので顔を上げると、たまたま目があってしまった。

 髪の長さは肩ぐらいまであるボブで黒色、目はパッチリしていて身長はやや低めのかわいい女の子だった。

 彼女は俺と目が合ったまま固まっていた。

 「ちょっとどうしたのよ、亜子?」

 「・・・タイプ」

 「へ?」

 「めっちゃくちゃかっこいいじゃん!なんで早く紹介してくれなかったのー!」

 彼女は真波の肩を軽く叩くとすぐさま俺の隣りまでやってきた。

 「私は天空亜子と申します。結婚してください!」

 天空亜子は自分の名前を言うや否や俺に抱きついてきた。

俺は席に座っていたため身動きがとれず、なすがままに抱きつかれてしまう。

 「ちょっと、亜子!なに勝手に人の弟に抱きついているのよ」

 姉さんが天空亜子のことをはがしにかかる。

 「私はようやく運命の人を見つけました。今まで会ってきた男たちは魅力がなくクソでしたが、空也さまだけは違います!間違いなく運命の人です!」

 「えっとー、同じ学年だし鳴門か、空也でいいよ」

 俺は会ってすぐの人に告白されたことがなかったので、とりあえずツッコミを入れた。

 「なら、空様でどうでしょうか?」

 天空亜子は俺にだきついたまま、会話を続ける。なぜだか絶対呼び名に様をつけたがっているようだ。

 「そらさまって俺の名前はくうやですよ」

 「でも、空様の方が呼びやすいので」

 「それがいいならしょうがないか」

 結局俺の呼び方は空様になった。

 「俺はなんて呼んだらいいですか?」

 「亜子でいいですよ」

 「じゃあ、亜子さんで」

 俺は軽く礼をして本を読もうしたが、「同じ学年ですから、亜子でいいですよ」

亜子さんはにっと満足げにわらった。

 「・・・俺の負けです。じゃあ亜子ちゃんでいいですか?」

 俺は亜子ちゃんの方を見てかるく微笑んだ。

 「ちょっと亜子、そろそろC組の人がくるから戻るわよ」

 真波が亜子を俺から引き剥がし教室をでで行った。

 なぜだか、亜子は出て行く時に嬉しい顔をしたままかたまっていた。

 

 

 「空様〜!」

 4時間目が終わったと同時に亜子がCクラスの教室にやってきた。

 「一緒にお弁当をっ!!」

 俺は亜子がクラスにいるとまずいと思ったので、強引に引っ張って教室から出ていった。

 「いたい!いたいです空様」

 俺は亜子の悲鳴を無視して屋上まできた。

 屋上まで来れば流石に人もいないので亜子を離してあげる。

 「もぉーいきなりでびっくりしたよ。空様のじゃなかったら怒ってますよ」

 頬をぷくーとかわいくふくらませてる亜子を無視して屋上のベンチに座る。

 「なんで、教室に来たんですか?」

 「それは、空様と一緒にお弁当を食べたかったからです」と亜子は俺の隣りに座ってきた。

 「でも、大丈夫ですか?そんなことをしようとして姉さんに...」

 「亜子ー!空也!」

 俺が言い終わる前に姉さんが屋上のドアを開けてやってきた。

 「どうしたの真波?」

 「どうしたのじゃないわよ!うちの空也とご飯なんて食べさせないわよ!」

 「??・・・」

 亜子の頭にはハテナマークが浮かんでいる。

 うちの姉は超がつくほどのブラコンなのである。

 俺は亜子と姉さんが言い争ってい間に教室に戻ったのだった。

 女の子って難しい...

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 6時間目のチャイムがなり俺は手短に帰る準備をすませて、教室をでる。

 さっさと寮に戻って休もうと思っていたら、俺の寮の前で亜子が待ち構えていた。

 「空様このあとお茶でもどうですか?」

 「べつにいいですよ...」

 めんどくさいが、べつにてきとーにやればいいだけなので俺はおっけーした。

 「せっかくなので私の部屋にきてください」

 「えっ、ああ、はい」

 俺は亜子の部屋に行く事になったのでAクラスの寮へと歩いていった。

 

 

 「ここです」

 そういって亜子が指差した建物はまるでセレブが使用しているようなレベルのホテルのようだった。

 「私の部屋は4階なので一緒に行きましょう。」

 亜子についていきエレベーターに乗り4階まできた。

 「ここです」

 亜子が指さした部屋は503号室だった。

 ドアだけでも豪華さが伝わってくるほどだ。

 部屋の鍵は指紋認証+(プラス)声認証らしい。まさに超高級である。

 中に入ると想像を上回るほどの豪華さだった。

 「今、飲み物を出しますので、ソファーに座っていてください」

 亜子はそう言うとキッチンの方へといってしまった。

 俺は亜子の部屋を見渡した。

 Aクラスの部屋は広すぎてもはや寮ではなく高級マンションの一部屋レベルである。

 俺はあまり落ち着かないがソファーに腰をかけた。

 「知ってます?来週毎年恒例の各クラス対抗のテストがあるらしいんですよ」

ミルクティーの入ったカップをもった亜子が俺の隣にすわる。

 「...知らなかったです」

 俺が詳しく尋ねようとした時に、インターホンがなった。

 「ちょっと、待っててください見てきます」

 亜子はミルクティーの入ったカップをテーブルに置いて玄関の方へと走っていった。

 「空様きてください」

 ちょっとしてから亜子が俺のことを呼んだので玄関の方へ歩いていく。

 玄関につくと、風紀委員のばっちつけた生徒が2人いた。

 「お前が鳴門空也だな、俺は2年A組で風紀委員をやってる、古賀というものだ」

 「...はぁ、」

 「実はな、たったさっきお前が女子に入っていったと通報があったのだ」

 「...はぁ、」

 「お前も知っていると思うが、女子寮には基本男子は入ってはいけないな。その男子が何故今ここにいる!?」

 先輩は俺の胸ぐらを掴みながら言った。

 どうやらただ単純に通報があったからだけではないらしい。

 「...えっとー、俺と亜子ちゃんは付き合っているので別にアウトじゃないですよね」

 俺は顔色一つ変えないで言った。

 先輩がさっき女子寮に男子が入るのは基本的にはダメだと言っていたが恋人同士ならばおっけーなので俺は亜子と付き合っていることにした。

 「っそ、そうなのか?天空亜子」

 先輩は動揺しながら、亜子に訊ねる。

 「はい、もちろんです。私と空たんはラブラブです❤」

 亜子はそう言って俺の腕にしがみつく。

それを見た先輩は悲しそうに帰っていってひしまった

 どうやら先輩は亜子のことが好きだったようだ。すみません先輩...

 

 

 「さっきはありがとうございました」

 俺はあのあと入れ直してくれた、ミルクティーを飲みながら、さっきのお礼を言った。

 「いえいえ、空様が困っているのを助けるのは当然です。と、言いたいところですが、ご褒美がほしいです」

 亜子は俺のことを上目遣いで見てくる。

 「...はぁ、確かさっきは助けられたのでいいですよ、俺で良ければ」

 すると亜子は大きな目をさらに大きく開いた。

 「で、では、き、き、キスしてください!」

 「っ!」

 想定外のお願いに少しびっくりしてしまった。

 お願いをした当の本人は顔を真っ赤にして照れている。

 「亜子ちゃん、目閉じてください」

 俺は亜子の肩を掴む。

 亜子は動きはぎこちないがゆっくりと目を閉じた。

 俺は亜子の顔にゆっくりと近づき頬にキスをした。

 「唇はダメだけどここならね」

 キスをされた亜子は顔を真っ赤にしてぼーっとしている。

 「そろそろ暗くなって来るので帰ります。また明日」

 俺はそういいのこして部屋をあとにした。

 

 

 Cクラスの棟に戻ると俺の部屋の前に姉さんが立っていた。

 「空也!あれだけLINEしたのになんで既読すら付けないのよ!」

 姉さんは相当怒っているらしい。

 俺は切ってあったスマホの電源をつけLINEを起動させる。見て見ると姉さんからの電話が200件かかってきていた。

 「ごめん、姉さん。スマホの電源切ってた」

 俺は軽く礼をした。

 「それはもういいわ。で、私をほったらかしてどこにいってたの?」

 姉さんはLINEの件は許したもののこっちの件は怒っているようだ。

 「えっとー、他の人の部屋にお邪魔してました」

 俺は嘘ではないが大事なところは全部カットして説明した。

 「はははーん。わかったわ。亜子のところね。あなたがこの学園で話せるのは私と亜子ぐらいだものね」

 やはり、バレたか。姉さんは感がよく頭の回転もはやいので隠しごとは大抵ばれてしまう。

 「えっとー、ごめんなさい」

 俺は素直に謝った。

 「そこは問題だけど問題じゃないわ。亜子と何をしていたの?」

 「えっとー、色々あって助けてもらってほっぺにキスしました」

 「えっ!!...今なんて言った?」

 「えっとー、色々あって助けてもらったって言った」

 「そのあとよ!キスがどうだとか」

 「あー、助けてもらったお礼にほっペにキスしたってやつね」

 「......ほっぺにキス?...」

 姉さんは放心状態になった様な顔をしている。

 「空也が亜子にチューを......」

 はぁー、しょうがないか。

 俺は渋々姉さんに近づいて、亜子と同じようにほっぺにキスしてあげる。

 「ッッッ!!」

 姉さんの顔は一瞬にして真っ赤になる。

 まあ、これでもう文句は言われないだろう。

 俺は姉さんのことよりも来週のテストのことが気になるので亜子にLINEしながら、自分の部屋へと入っていった。

 

 

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