3日目
俺は5時に目が覚めてしまった。
今日はAクラスとの戦争の日だ。別に俺は戦いに興味はないので極力参加しないでいるつもりだ。ただ姉さんがいるのは面倒くさい。
俺は憂鬱な気持ちでベッドから出るのだった。
教室に入ると教室内の空気がいつもと違った。ピリピリと張り詰めた感じにどこかソワソワしていて落ち着かない。
「おい、お前ら外に出ろ。時間だ」
先生が俺たちを呼びにきた。
俺たちは靴を履き替えグラウンドへと向かう。
「みんな、今日は頑張ってAクラスを倒すぞ!作戦どおりやれば勝てるはずだ!」
神童がみんなに呼びかけ士気を高める。
俺たちが今いる場所はグラウンドの真ん中、Aクラスがいる場所は小山を超えた所にあるらしい。
ルールは相手の陣地にある棒を倒した方が勝ちというシンプルなルールだ。
「ただいまから、A組対C組の棒倒しを始めます。実況は2年A組放送部の綾野結奈がおおくりいたします❤」
ぶりっ子口調の先輩がかわいく自己紹介をする。
「それでは始めます。レデイーゴー!」
綾野先輩の掛け声と共に神童たちが一斉に全員で走りだす。
どうやら速攻の奇襲攻撃をしかけるらしい。
俺は特にすることがないので棒の前で座ることにした。
暇なのでケータイを開きなんとなくネットを巡回する。
5分ぐらいしたぐらいだろうか、A組の男子生徒10人がこちらに向かってきた。
「お前があの鳴門さんの弟か」
前に教室にきていた小錦とかいう男がぐいっと近づいてくる。
「はい、一応真波の弟です」
俺はケータイをいじりながらこたえる。
「真波だと...俺ですら名前で呼ばしてもらったことがないのに...クソが死ね!」
小錦とやらは俺が姉さんを真波と読んだことが気に入らなかったのかいきなり俺に拳を振り下ろしてきた。
俺はその拳を紙一重でよける。
「なに!」
「なんかすみません」
俺は謝ると同時に拳を地面に叩きつけつけた。
「ガサガサ」
俺はただただ山の中を歩いていた。
俺は自分たちの棒の前でA組の男子10人を倒したあとこのゲームを終わらせるために山の中へと歩いていった。
この静かさなのでうちの生徒たちは全員やられたのであろう。
俺はとうとう山を越えて敵の陣地まできてしまった。
敵は1クラス40人でさっき10人倒したので残り30人となる。
「おい!お前Cクラスのやつだな!」
俺のことを見つけた1人の男子が声をあげた。
「あっはい、1年C組鳴門空也です」
俺は丁寧に自己紹介をする。
「そんなことはどうでもいい、小錦たちはどうした!C組の棒を倒しにいったはずだぞ!」
「小錦?誰ですか?よくわからないです」
俺は知らないフリをして近づく。
「まあいいか、Cクラスはお前だけだしな全滅で終了させるか!死ねランチャー!」
男子生徒はそう言うと同時に右手を突き出した。
「ガコッ」という音がして男の右腕がいきなり俺に襲いかかってきたのだ。
そのまま直進してきて俺に直撃する。
「はっはっはっービビったか!俺のスキルは『ランチャー』体のありとあらゆるものをミサイルとして発射することができる」
男は高らかに笑った。
その声を聞きつけた、他のA組の生徒たちが近づいてきた。
「どうしたんだ。青山」
「いや、大したことじゃないって。ただC組の生き残りがいたから始末しただけだって」
「青山さんその人の名前分かる?」
「どうしたの?鳴門さんそんなに慌てて」
青山はヘラヘラしている。
「いいから教えなさい!」
真波は怒りながら言った。
「えっとたしかー鳴門なんとかだったような気が...って鳴門!?」
そう青山が言った瞬間、「ドゴーン」大地が割れて砂埃がたった。
「姉さん、もうこのゲームやめにしない?」
砂埃の中から誠がでてくる。
「やっぱりあなた私に嘘のスキル教えてたでしょ」
いきなりのことに対して真波は顔色1つ変えない。
「あー、そうだったね。それよりここは丸く収めてくれない?」
「どうゆうこと?」
真波は空也の言ったことが理解できてないようだ。
「ただ、このままやったらAクラスが負けちゃうからAクラスがCクラスのことを許したってことにしてくれない」
空也は真波に対してこのゲーム自体をドローにして欲しいとお願いした。
「えーそれじゃあ私にメリットが」「メリットなら俺に1つ命令していいよ、Aクラスに入れ以外だけど」
空也は真波が全て言い切る前にメリットをつけたす。
「えー空也のケチー」
真波は頬をふくらませて拗ねる。
「じゃあーデートしなさい」
「出掛けるだけでいいの?」
空也は意外な返答に目を丸くした。
「出掛けるんじゃなくてデートよデート!わかった?」
「はいはい分かりました、これ俺のLINEのIDだから登録しといて。日程連絡するから」
空也は自分のIDの書いてある紙を渡して帰っていった。
「うぐっ」
気持ち悪い声と共に神童が目をさました。
「確か俺は...そうだ!棒倒しの結果はどうなったんだ!?」
神童は周りを見たが誰もいない。
「やっぱり、みんなもう奴隷にされてしまったのか...」
神童は深いため息をついた。
すると、神童がいる保健室のドアが開きC組の生徒たちが入ってきた。
「みんな無事だったのか!奴隷なってないよな?!」
神童は今にも泣きそうな声をだす。
「なに言ってるんだよ神童が最後頑張ってくれたからA組と引きわけになったんだろ。本当にありがとな神童!」
みんな神童の元に駆け寄り胴上げをする。
「神童!神童!神童!神童!・・・」
もはや今の神童には本当はなにもしていないなどの事実は頭になかった。
次からバトルに入るので是非みてください。
コメントお待ちしております。