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精霊の友として  作者: 北杜
四章 男爵家使用人編
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16 魔導帝国

投稿して一年経ちました。

亀更新ですがこれからもよろしくお願いします。

道中、母親とマリーの説教を受けながら伯爵家に到着した。母親からアンジェ様と同じような説教を受け、マリーからはプンプンと怒りながら説教?を受けた。

怒っているマリーが可愛くて少し笑ったらマリーが水魔法の水玉を使おうとしたので慌てて止める。馬車で魔法を使わないでくれ。

伯爵家に着いたらアンジェ様の指示で使用人達が荷物の整理を始める。

エイルド様達お子様と一緒にオレは待機しているがオレも荷物の整理を手伝った方が良いのかな?エリーさんやマリーは荷物整理をしているし、母親はアンジェ様の近くにいる。とりあえず今回は子供達と一緒に居るか。

クレイン様とレオナルド様は先に伯爵様に会いに行った。今回の騒動を伯爵様に伝える為だろう。洗脳された兵達は伯爵家から来た兵隊だ。光魔法で洗脳は解いたが貴族を襲った件がある。どのような罰を兵達に下すか伯爵様と相談するのだろう。

荷物整理が落ち着いて伯爵家の使用人さん達に部屋を案内してもらった。部屋は去年と同じ部屋でオレと母親とマリーの三人で部屋を使う。部屋で少し休憩を取ろうとしたが、ドアからノック音が聞こえる。


「失礼します。リリア様、トルク様。旦那様がお呼びです」


いつの間にかオレを呼ぶときに様付けになっている。ただの使用人に様を付けるなんて。なにか有ったか?嫌な予感があるがオレと母親は準備をする。マリーはお留守番をさせておけば良いだろう。

いや、留守番をさせるよりも……。


「マリーはポアラ様の所に行って頂戴。仕事着を着て身だしなみを整えてポアラ様のお世話をするのよ」


母親がマリーをポアラ様の所に行くように言う。オレもマリーにはポアラ様の所に行かせた方が良いと思ったが、先に母親が伝えてくれた。

オレ達も身だしなみを整えてマリーの準備を待ち、三人とも部屋を出て使用人さんの後について行く。途中でマリーと別れて、オレと母親は伯爵様の執務室に行く。

執務室に入ると伯爵様、クレイン様、アンジェ様、レオナルド様と四人が席に座っている。少し遅れたようだ。


「遅くなり申し訳ありません」


母親が遅参を詫びて頭を下げる。


「こちらこそ、急に呼び出してすまない。二人共席に座ってくれ」


オレと母親が座り、使用人達がオレ達にお茶を用意する。それが終わったら使用人達は部屋を出た。


「今回の騒動はクレインとレオナルドから聞いた。トルクよ!よくぞアンジェを助けてくれた。礼を言う」


やっぱり回復魔法の使い手って伯爵様に言ったよね。普通は言うか……。


「アンジェ様を危険な目に合わせてしまい、申し訳ありませんでした」

「何を言う!まさか伯爵家の兵達が襲ってきたのをエイルドと二人で馬車を守ったのだろう。良くやった!そして洗脳された兵達を光魔法で洗脳を解いたではないか!トルクのおかげで兵達を処分せずに済む」


……処分って殺す事ですか?


「今回、洗脳された兵達は再度、クレイン様達を襲う可能性があるが洗脳を解いたのであれば罰は軽くはないが処刑ではないだろう」


……処分ってやっぱり処刑の事だったか。伯爵家の兵隊さん達は良い人だから処分されなくて良かった。


「罰は辺境の村の巡回ですか?それか砦に行って戦争に参加させますか?」

「戦争に参加させる事にする。砦の方も兵の補充をしないといけないからな。クレインの方からも少し兵を出してくれ」

「わかりました。次の補給の際に兵を送りましょう。レオナルド、頼むぞ」


男爵領から兵達を砦に送る。これはレオナルド様の仕事が増えるな。ついでにファルラさんも頑張ってくれ。


「しかし兵達が洗脳されていたとは……。いつ洗脳されていたのか。誰が洗脳したのか」

「義父上、私も洗脳された兵達を尋問しましたが、洗脳した人間はわかりませんでした」

「男爵領に居たときは何事もなかったのですが。洗脳を受けた本人達もどうしてあのような行動をしたのか分からなかったようです。いきなり目の前に伯爵家に仇なす賊が居たから倒すために剣を抜いたと」


……何かのアクションを起こすと洗脳に掛かる様やタイプかな?伯爵領で敵が襲ってきたら、兵達の暗示が発動するのかな?


「お父様、伯爵家は大丈夫なのですか?他に洗脳されている人が居るのではないでしょうか?」

「……分からん。これは去年の残り火と思うのだが……。全く、闇魔法の陰険さには怒りを通り越して驚くばかりだ。かけた本人は捻くれた性格をしているに違いない」


去年の残り火?何のこと?


「アンジェ達には教えていなかったが、去年の賊も洗脳されている賊が居たのだ。帝国の闇魔法の使い手が洗脳魔法で賊を洗脳して私達を襲ってきたのだ」

「賊には洗脳されたような跡があり解除しようと魔法ギルドに頼んだが、解除しようとしたら賊が発狂して死んだ」


……なかなか残酷な事をするな。しかしオレが洗脳を解いたときは発狂せずに正気に戻ったよ?どうして?


「待ってください!トルクが光魔法を使った兵達は正気に戻りましたよ」


アンジェ様がオレの疑問をみんなに言う。その疑問を伯爵が答えた。


「魔法ギルドの場合は光魔法を使わなかったからだ。薬や親族に会わせて洗脳を解除しようとしたら賊達が発狂したのだ。魔法ギルド長が言うには洗脳魔法が発動して数日たったら発狂するように魔法をかけたようだ。全く捻くれた性格とひどい魔法だ」


マジでひどい魔法だな。かけた本人も性格悪い上に捻くれているし。友人にはなれないだろうな。それ以前にそんな人間に会いたくないよ。


「今回、トルクが光魔法で兵達を回復させて助かった。お前が回復させなければ兵達を殺さないといけないからな」

「トルクが光魔法を使えてよかったぞ」


伯爵様とクレイン様がオレを褒める。褒められて少し恥ずかしい。


「今、可能性として考えたのですが、洗脳された伯爵家の兵達ですが、男爵様を迎えにくる兵達ではありませんか?」


レオナルド様が考えながら言う。


「それは去年の事か?詳しく調べないと分からないな」

「去年、大雨で一日、伯爵家に来るのが遅れましたから行き違った可能性はありませんか?」

「レオナルド、どういう事だ」


レオナルド様が何を考えているか、何を言おうとしているのかクレイン様が問う。


「あの日、大雨が降らないで順調に伯爵家に来たら洗脳された賊と伯爵家の兵達と挟み撃ちの可能性が合ったのではないでしょうか?」


今回、洗脳された兵達は伯爵領で襲ってきた。去年の賊達も伯爵領に入ったら襲ってきた。去年の雨が降って居なかったら出迎えの兵が洗脳されていた兵だった可能性が有った。しかし大雨で一日伯爵家に来るのが遅かったから洗脳された兵隊ではなかった。


「それは可能性の問題だろう。そんな事は……」


クレイン様も否定しようとしているが強く否定できない様だ。確かに挟み撃ちで襲ってきたらオレ達は死んでいた可能性がある。これを考えた作戦は伯爵家の内情をよく知っている人間にしか出来ない。伯爵家に内通者がいる事になる。それを考えると今の会話も大丈夫なのか不安になる。


「……その件は私も調べてみよう」


サムデイル様がため息をつきながら言う。内通者、洗脳された兵達を調べないといけないからな。多分、傭兵ギルドや魔法ギルドの人達にも話す事になるだろう。無事に調べられれば良いのだけど。


「それでトルクが回復魔法を使える件ですが……」


いったん、話題を打ち切りレオナルド様がみんなに言う。オレが回復魔法を誰に教わったのかを知りたい様だ。


「はい、私が辺境の村に住んでいたときの事です。いつもの様に森でサウルを取っていたら森で人が倒れていました。老人のようで声をかけると老人は空腹で倒れているようだったので、狩りで取ったサウルを焼いて老人に食べさせました。老人はお礼に魔法を教えてやると言ったので光魔法と回復魔法を教えてほしいと老人に言ったら、コツを教えてもらい老人と別れました」

「その老人の顔はわかるか?」

「いえ、ローブで顔が隠れていたので詳しくはわかりません。男性で長いあごひげを生やしていました。サムデイル様」

「その老人の名前は?」

「名前は聞いていません。老人は世捨て人だと言っていました。クレイン様」

「その老人は何のために辺境の森に居たのだ?」

「それも知りません。別れる際に老人から会った事を内緒にしてくれと頼まれました。レオナルド様」

「その人に回復魔法を教わったのはわかったけど、どのくらいの時間を教わったの?」

「えーと、確か昼から夕方くらいですね。アンジェ様」

「魔法のコツは私達に教えてもらう事は出来る?」

「大丈夫だと思うよ、母さん。回復魔法は光魔法と別系統の魔法で、本人の魔力を生命力に変換する魔法で、他人を回復させる場合は自分の魔力を操作して怪我人の魔力を生命力に変換させて回復させるのがコツらしい」

「ちょっと待って頂戴?それは本当なの?」


あれ?なんだかみんなの様子がおかしい。オレを見る目が変わった。驚いている様な、呆れている様な、顔が引きつっている。なにかしたかな

?何か顔に縦線が見える。


「トルク、貴方は何を言ったのか分かっているの?」


やっぱりオレってやらかした?母親が諦めた表情で言う。


「貴方が言った事は回復魔法を使うコツだと思うけど、普通の回復魔法ではないわ。私も回復魔法は使えないけど他人の魔力を操作して生命力に変えるなんて出来るはずがありません」

「え?」

「貴方が覚えた魔法は王都の人が使う回復魔法ではなく、一般的な回復魔法ではない可能性があります」

「すまない、リリア殿。どういう意味なのだ?」

「私も詳しく事は分かりませんが、もしかするとこの子が覚えた回復魔法は失われた魔法ではないのでしょうか?」

「失われた魔法!ま、まさか数百年前に滅んだという魔導帝国の幻の魔法か?」


なにそれ?魔導帝国?初めて聞いたよ。そんな国?


「数百年前、この大陸を統べた帝国。それが突如、滅び国が分かれて戦乱の時代となった。何かの書物で読んだ事があります」

「魔導帝国はその名前の通り、今では使えない魔法が存在していたと聞いたことがあります。私は上級の水魔法の使い手ですがその時代の人から見れば児戯の様なものでしょう」

「トルクが習った回復魔法は魔導帝国の幻の魔法だと言うのか!」

「他人の魔力を操作するなんて私には出来ません。いえ、王都の上級魔法使いも出来ないでしょう。魔力を生命力に変化するなんて現代の魔法使いには出来ません。魔導帝国の魔法使いにしか出来ないでしょう」


……オレの嘘が凄い事になっている。どうしよう。やっぱり精霊から教えてもらったコツはダメだったみたいだ。現代の回復魔法のコツを聞いておくべきだった。


「これは少し困ったな。トルクに回復魔法を他の者に教えてもらおうと思ったのだが……」

「現代の魔法使いにはトルクの回復魔法は習得できないでしょう。逆にどうしてトルクが魔導帝国の魔法を使えるのかが疑問です」

「その老人にトルクは魔法の使い方を教わったのではないか?」

「それよりもトルクに魔法を教えたという老人は何者なのだ!まさか魔導帝国の子孫なのか?」

「その確率は高いかもしれません。魔導帝国の魔法が使える子孫、もしくは魔道帝国人かもれません」

「そんな、数百年前に滅んだ国よ。生き残りがいるなんて……」

「魔道帝国人なら寿命までも操作する事が出来るのか……」

「そのような者がどうして辺境の森で空腹で倒れているのだ?魔法帝国の魔法使いなら空を飛ぶ事も出来るだろうに」

「……あの森に何かあるのかもしれません。今度調査をしてみましょう」

「レオナルド、頼んだぞ。何かあったら私にも教えてほしい。いや私の方でも魔法ギルドの人間を派遣させて調査をさせよう」

「ねえ、それよりもその周辺に住んでいた村の人に話を聞いてみたらどうかしら」

「私も村には住んでいましたが、何かあるなんて聞いたことありません。でも他の村人なら知っているかもしれません」

「だが、村が壊滅して村人も大勢亡くなった。知っている人間が死んでいるかもしれないな」

「……上手く行かないものだな」


テーブルのお茶を飲む。少し冷めたけど美味い。あぁコーヒーが飲みたいな。あの苦さが懐かしい。

……この勘違いはいつまで続くのかな?今更「嘘でした。てへぺろ」は出来ないから諦めるか。オレの回復魔法は滅んだ魔導帝国の魔法になった。

しかし現代の回復魔法はどうやってするのだろう?他の人も回復魔法を見た事ないからな。

今度、誰かに聞いてみるか。でも誰に聞こう?やっぱり魔法ギルドの人に聞いた方が良いかな?


「実を言うと頼みがある」


やっと他の話題になったな。魔導帝国や辺境の村の調査の話し合いは終わったようだ。伯爵様が周りを見渡し、最後にオレを見ながら言った。


「トルクを少し貸してほしい」


誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスをお願いします。

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