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叔父さんが魔物に襲われた。
魔物とは普通の動物とは違い魔力を持っている生物という。この世界は人型の魔物や大型の魔物などが居るらしいが、今回叔父さんが襲われたのはオオカミ型の魔物らしい。
オレは急いで叔父さんの所に向かうと村の広場には村人が集まっていた。
遠目で叔父さんを見るとかなり酷い怪我だ。急いで治療しないとヤバいと思いながら叔父さんの怪我の状況を近くで見ようと近くまで行くが。
「貴様が何しに来た」
村長に殴られた。その後、他の村人から放り投げられて地面に頭をぶつける。
自分の怪我の痛みなど無視して叔父さんの所に行こうとしたが目の前に変な物が見えた。変な物?手のひらサイズの3匹の羽の生えた三頭身のくま〇んがオレを見ている。
「なんだこの坊主、頭から血を流しているぞ」
「血の気の多い坊主だから、しかたねーよ」
「しかしこの坊主、オレ達をみてないか?」
「そんな訳ないだろう、普通の人間には見えないって」
「そうだぜ、こんな坊主に見られたらオレ達はみんなの笑いもんだぜ」
「だが、まだオレ達を見ているぞ」
「ないない、殴られたショックが残っているんだろうよ」
「結構な放物線で投げられたからそのショックだろう」
「それにオレ達の声も聞こえてそうだ」
「ないない、仮に聞こえても何も出来ないぜ」
「こんなバカアホ面のガキにはオレ達の言葉の意味がわからないだろう」
「だがこの坊主怒っている様だ」
「ハハハ、こんなバカアホ面のガキに何が出来るんだよ」
「そうだぜ、こんなバカアホ面のガキに何が出来るんだよ、出来る事はオネショくらいだぜ」
くま〇ん其の一を右手に、く〇もん其の二を左手で捕まえ村人たちから少し離れる。
「おいくま〇ん。誰がバカアホ面のクソガキだって?このまま握り潰すか、それとも頭をねじ切るか、口の中に薪を突っ込んで三兄弟にしてやろうか」
「お、おい、坊主。オレ達の言葉が分かるのか?」
「おぅ、坊主。悪いことは言わないからそんな恐ろしい言葉は言うもんじゃないぜ」
「黙れ、く〇もんもどきが。握り潰して頭ねじ切って串刺して三兄弟にシテヤルカラマッテイロ」
「待て待て待て坊主、言葉使いが変になっているぞ」
「オレハイソガシイ、ダカラシネ」
「待ってくれ坊主、その二人を放してくれ。オレ達が悪かったから。なんでもするから」
「ナンデモスルナラ、シネ」
「待ってくれ坊主。二人がヤバい。口から泡が出てる。後生だから助けてやってくれ」
その後、くま〇ん其の三と言葉のやり取りをして少し正気を取り戻した。
「で、お前達は何モンだよ」
現在、くま〇ん其の三と話している。其の一・其の二はダウン中。
「オレ達は精霊さ」
「精霊?随分とメルヘンな顔だな」
「メルヘン?」
「いや、こっちの話だ。でだ、その精霊がなんで此処にいるんだよ」
「オレ達はずっと此処にいたぜ。お前達親子が来る前から」
「そうかよ。それで精霊とはなんだ?」
「?精霊は精霊だよ」
「じゃあ、なんでオレは精霊が見えるんだよ」
「頭を打ったからじゃないか?きれいな放物線を描いて頭から着地したからな」
頭を打って脳に変なスイッチでも入ったのか?
「なんで、頭を打ったら精霊が見えるんだよ」
「打ち所が悪かったんだね」
「嬉しそうな顔で言うな。今叔父さんが死にそうでヤバいんだよ。なんで変なモン見える暇があったら叔父さんをどうにかしたいんだよ」
「回復させたら良いじゃいか」
「オレには回復出来ないよ」
「じゃあ、オレ達が手伝ってあげるよ」
「出来もしないのに変なこというな」
「出来るぜ、オレは光の精霊だから回復は得意だ」
バッと右手でくま〇ん其の三を掴む。
「頼む、叔父さんを治してくれ。お願いだ」
「分かったから手を放してくれ、痛い、中身が出るぅ」
「すまない、じゃあ叔父さんの所に行くぞ」
「あ、待ってくれ。二人を回復させてからで良いか?」
「二人より叔父さんだ、急ぐぞ」
「分かったから手を放してくれ、マジで中身が出るぅ」
急いで広場の叔父さんの所に行く。マリーが叔父さんの前で泣いているが回復が先だ。殴られずに叔父さんの所に行きく〇もん精霊に頼む。
「頼む、回復してくれ」
「分かった」
叔父さんの頭に座りなにかブツブツ言っているようだ。
「貴様は邪魔だ」
村長から殴られ、村の人からまた投げられる。くま〇ん其の一・其の二の近くに足から着地をする。あと少しで、踏みつける所だった。
その後叔父さんの所で光が発生した。光で目を眩ませた村人たちの声が聞こえる。
「なんださっきの光は?怪我が治っているぞ」
その後村人たちから「治ってるぞ」「奇跡だ」「さっきの光か」「お父さーん」と聞こえてきた。
く〇もん其の三が此方にきて「治ったぞー」と言ってきた。
「ありがとう。一旦、家に帰ろう」
くま〇ん其の一・其の二を拾って家に帰った。
「なぁ、頭からまだ血が流れているが大丈夫なのか?」
其の三の言葉で血が流れていることが判明。母親が心配するから血が止まってから家に帰ろう。
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