表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊の友として  作者: 北杜
三章 伯爵家滞在編
30/275

プロローグ

本日二話公開です。

 暗い部屋の中で誰かが話している。


「失敗したようだな」

「はい、クレイン・ルウ・ウィール男爵を殺害出来ませんでした」

「やはり、低能な平民には無理だったか」

「そのようです」

「やはり、無能な平民はダメだな、だから私達が導かなければいけない」


 テーブルにある酒を取って一息ついて飲み、ため息をつく。


「バウム領地を混乱させて次の戦争までに優位に立ちたかったが難しいようだな」

「大丈夫です、既に手を打っています」

「楽しみにしておこう」

「では、私は失礼します。次の一手の段取りをしますので」


 部屋から出た男はため息をつき呟く。


「全く、低能な賊だったよ。魔法が使える賊の癖にガキを捕まえられない。次の手は少し時間が掛かるが問題ないだろう」


 廊下を歩き出してブツブツと言う。


「やはり、〇〇の壊滅か、それとも×××の混乱か。いや一番良いのは××の▽▽だな」

「おい」

「××は今の所は置いておいて△△△の混乱も良いが、〇〇が良いタイミングで無くなったら混乱も大きくなるだろう」

「聞いているのか」

「それとも××に◎◎を起こして×××と△△△に打撃を与えてみるか」


 ゴン、という音が廊下に響く。


「何をする、痛いじゃないか」

「呼んでいるのに、聞いてないから殴ったんだ!」

「分かっている!無視をしただけだ。オレには用事は無い」

「殺すぞ!テメエ!」

「殺すんだったら戦争で敵を殺せ!味方殺しの汚名を着るぞ!」

「安心しろ、お前を殺した方が敵も味方も喜ぶぞ、嫌われ者!」

「オレは効率を考えて殺す。お前達みたいにただ敵を殺す事はしない。少ない労力で最大限の効率を目指す」

「それが先週の殺害なのか?味方殺し」

「あれは必要だった。王国の間者をあぶりだす為に必要な事だ。お陰で楽に間者を見つけたよ。その情報は上層部に報告をして終わった。その結果、上層部は次の戦争の時期を考えている」

「次の戦争はいつだ?」

「知らん、上層部に聞け。オレは忙しい」

 

 一方的に話を打ち切ってまたブツブツ言いながら歩く。

 自分の部屋に戻りようやく一息ついた。

 現在、帝国と王国は戦争をしているが戦争で一番苦労をするのが平民だ。極端な例だが徴兵で男が死亡して税を納めきれない。税を納めるために子供や女が身売りをする。村の人口が少なくなり作物が少なくなる。最後には村が廃れる。結果的に税収が減る。

 帝国の上層部は戦争に勝てば王国の人間を奴隷にして税を増やせる等と頭の悪い考えをしている。

 そんな人間ほど死ねば良いのにと考えるが、オレにはそれを思うことしかできない。実行したらこっちの首か飛ぶ。

 だから効率の良い戦いをしなければならない。王国が簡単に白旗を上げてくれたら話は早いが、帝国にも王国にも馬鹿しかいない。これでどうやって戦争を終わらせるか。

 前に和平交渉を上層部に発言した奴は現在、牢屋にいるから和平案はダメだ。戦争を終わらせるには勝つか負けるかの二つしかない。

 それとも三つ目を考えるか。

 ……コンコンとドアから音が聞こえる。


「入れ」

「失礼します、準備が整いました」

「分かった。今回の任務は王国の国境付近の村の壊滅だ。人間よりも物資を優先して壊せ」

「分かりました」

「あとは全員生きて帰ってこい」

「了解しました、では失礼します」


 今回の作戦の半分位は嫌がらせが目的だ。家を失った辺境の人間は豊かな場所を求めるだろう。クレイン男爵領や他の土地に。

 さて次の作戦を考えるか。なぜだろう、嫌がらせの作戦は良く思いつく。無能の上層部をぶん殴る方法は出てこないのに。

 敵よりも無能な味方を殺す作戦はないかな?

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ