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精霊の友として  作者: 北杜
一章 村人編
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 村での生活三日目

 朝日と共に起きてすぐに魔力を感じる訓練をしている。寝ながらじゃないよ。きちんと起きて椅子の上で座禅を組みながらだよ。

 母親が起きたら魔法で水を出してもらい食事の準備をして朝食を食べる。今日の朝飯は昨日叔父さんが持ってきたパンだ。有難いのだがすごく硬い。

 午前中は体調が良くなった母親と一緒に村人達に挨拶回りに出た。新参者だからしっかりと挨拶をしよう。

 しかし村人全員から無視された。何とか聞き出したら村長の命令だそうだ。おじいさんよ、そこまでするか、村八分か。

 しかし今後の村での生活はどうしようか。

 母親に聞くとまだ貯蓄はあるらしいがもって二年位だろうと言った。二年分の貯蓄しかないのか。待てよ、それ以前にこの村ではお金が使えるのか?それも叔父さんに聞いておこう。

 後は急いで村長のおじいさんから許してもらわないといけないが大丈夫だろうか。

 村長の家、おじいさんの家に行くと叔父さんがおじいさんと喧嘩をしている。


「姉さんを何故差別する」

「出て行った人間は村人では無い、住まわせているだけでも十分だろう」

「姉さんはあなたの子供だろう」

「あんなやつはしらん、勝手に出て行って戻ってきたやつなど子供ではない」


 等々。

 母親を見るとマジで泣いているぞ。最後の望みの父親から捨てられたのだ、泣きもするか。

 母親と一緒に家に帰りついた途端、ガクンと倒れた。ショックで体調を崩した様だ。急いでベッドに寝かせる。

 このままでは母親は体調を崩して絶対に病気になる。

 ひとまずはこの先、どうするか考えよう。


 ①村長と仲直りする。→現状は無理。

 ②生活向上を考える。→まずは魔法で水を出そう。その後は後で考えよう。

 ③村八分をどうするか。→村長の許可が必要。基本的に村では村長が一番偉い。今は無理。

 ④叔父さんに頼る。→叔父さんが次期村長だが頼りすぎたら叔父さんまで被害を被る。


 一番することは②だな。

 魔法を使えるようにして村の為に役立てよう。そしたらおじいさんに許してもらえるかもしれない。

 そうと決まれば魔力を感じる訓練だ。ファイトー!!!

 それから森で動物を捕まえよう。罠を張って動物を捕まえて肉を食べよう。そうと決まれば森で罠の設置だ。

 前世では野生のウサギが畑の作物を食べるから良く罠を仕掛けて取ったものだ。

 そうと決まれば罠の設置だ。今日の晩御飯はウサギ鍋だ~。


 罠を仕掛けて掛かるのを待ち、後の時間は外で魔力を感じる訓練をする。もちろん座禅を組みながらだ。

 暖かい太陽の日差しを浴びながらすると眠くなるね。横になりながら魔力を感じる訓練をするか。


 ぐうぐうぐう。


「トルク、こんな所で寝たら風邪を引くよ」


 目が覚める。どうやら寝ていたようだ。


「どうしたんだい、こんな所で寝ていて」

「すいません、魔力を感じる訓練をしていたら寝てしまったようです」

「風邪を引かないようにね」

「すいません、でそちらのお子さんは?」


 叔父さんの後ろに子供が隠れている。年齢はオレと同じくらいの女の子だ。


「この子は私の娘だ、マリーだよ。年は五歳だよ」

「オレの一つ下ですね、よろしくマリー」


 まだ叔父さんの後ろで隠れている、人見知りかな?


「あ、叔父さん少しいいですか?」

「なにかな?」


 罠を仕掛けた場所に叔父さん達を案内する。

 お、ウサギ?が捕まっている、ラッキー。


「サウルが捕まっている?こいつはすばしっこいからなかなか捕まらないのに」


 なるほど、サウル=ウサギと判断する。

 おや、こっちの罠にもかかっているぞ、今日は運が良いな。


「叔父さん、二匹捕まえたから一匹あげるね」

「良いのかい、トルクが捕まえたのだろう?」

「母さんと二人だから一匹で大丈夫だよ、叔父さんには迷惑をかけてるからその恩返しだよ」


 叔父さんは、はっとした顔でオレを見る。

 なんだか変な物を見たみたいだ。あ、そうか。オレは今六歳児だった。

 普通の六歳児はこんな事はしないか。

 でも、しでかした事は仕方がない。神童になるか悪魔付きになるかどっちかだろう。


「叔父さん、母さんの所に行くんだよね、母さんは体調を崩して寝てるけど、どうする?」

「あぁ、見舞いに行くよ、良いかな。」


 少し、強張った表情をしているけど大丈夫みたいだな。叔父さんとマリーは母親の所に行った。オレは先ほどとったウサギもどきサウルを処理する。

 屠殺して皮をはぎ、内臓をとる。本来は熟成期間が必要だか今回はなしだ。母親の病気のためにウサギのスープではなく、サウルのスープにしよう。

 お、母親と叔父さん達が家から出てきたぞ。


「母さん、今日はサウルのスープを作ろうよ。しっかり食べて病気を治そうね」

「ありがとう、トルク。一緒に食事の用意をしようね」


 うん、少し顔色が良くなったな。


「トルク、今日はサウルをありがとう。何かあれば叔父さんに言ってくれ。力になるから。ほらマリー挨拶をしなさい」

「ありがとう」


 叔父さんから隠れていたマリーは少し顔を出して挨拶をする。これが五歳児の対応だろうか。

 前世は親戚に子供がいなかったから良く分からないな。少し年相応の対応をした方が良いかな?


「またね、マリー。また遊びにおいで。」


 手を振りながら挨拶をするがこれは年相応かな?まぁ良いか。

 叔父さん達が帰った後は母親と食事の支度をして晩御飯を食べる。今日は肉がある食卓だ。食べたら食器を洗って母親と魔法の勉強だ。

 急ぎ魔法を使えるようにならないと村での地位が上がらない。村人と仲良くなるにはオレが村の為に使えると認識してもらって村長の許しを得て村八分を止めさせてもらわないと。

 さあ、魔力を感じる訓練だ。その前にサウルを捕るために罠を張ろう。

 明日の晩御飯もサウルのスープだ。



誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスをお願いします。

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