プロローグ
お久しぶりです。
更新が遅くなり申し訳ございません。
新章スタート!
本日二話更新予定!
トルク達がバルム砦で帝国軍と大規模戦闘をする数日前の事である。
バルム伯爵が参加しているアイローン砦が陥落し、帝国の手に落ちた。
アイローン砦から出ると平地があり王国軍と帝国軍はその平地で戦闘をしていた。バルム伯爵もその戦闘に参加していたが、伝令から砦が落ちたと伝えられた。
戦っている王国の者達は確認をする為にアイローン砦に撤退するが、砦には帝国の旗が立っており帝国兵が砦から出てきて王国兵に向かってくる。
兵の数は互角でも砦を敵に奪われ物資の補充も出来ない。帝国兵は士気も高く逆に王国兵は砦が奪われた事により士気が下がっている。
その後、敵に囲まれた王国軍は降伏した。
「なぜ帝国に降伏するのですか!」
「王族の方が帝国の捕虜になっている。第二王子を助ける為だ!」
帝国は王国の王族・貴族・騎士を捕虜とし牢屋に入れる。その牢獄は平民等がはいる掃除など行き届いていない汚い牢獄。王族や貴族達が「我々をなんと心得る!このような場所に置くとは何事か!帝国は高貴な者への待遇をしらんのか!」と叫ぶが帝国兵に殴られ大人しくなった。
アイローン砦にいた兵達は無力化されて一ヶ所に集められた。
抵抗をしようにも武器がなく魔法使いは魔力を封じる腕輪をはめられ何もできない。
すぐに王都から来た使者が王族と貴族の解放を要望する。王族と貴族を解放してくれるのなら騎士や平民の兵は帝国の好きにしても良いと。
帝国側の条件は今回占領したアイローン砦とバルム砦を交換する事。
アイローン砦を王国に返すのでバルム砦を帝国領にする。その際、バルム砦の貴族と騎士と兵は捕虜とし、代わりにアイローン砦に捕らえられている者達を解放するのを条件とした。
第二王子が所属している戦争派はその条件に承諾し、帝国との会談の結果、捕まっている第二王子と貴族の解放は帝国領になったバルム砦で行う事になる。
王国はバルム砦の者達を犠牲にしてアイローン砦の者達を救う事にした。
アイローン砦はバルム砦よりも貴族や騎士の数が多く王国に近い距離にある。王都に住んでいる者達は辺境のバルム砦よりもアイローン砦を優先する。
無論、辺境の貴族や中立派の貴族達は反対したが、王命により結果は変わらなかった。
そしてアイローン砦で捕虜になっている第二王子と貴族達は帝国領土からバルム砦で解放された。
代わりにバルム砦の貴族や騎士や兵達を捕虜として帝国に引き渡された。貴族や階級の高い騎士は収容施設に、平民は鉱山等の労働が待っている。バルム砦の町に住んでいる者達は捕虜とならず、町を退去させられたが金目の物は帝国兵に奪われた。
バルム砦に住む町民が退去し、騎士や兵達が捕虜として収容施設に向かう準備が終わり、帝国がバルム砦を掌握した後に第二王子と貴族達は王国側の城門に投げ捨てられ自由の身となった。
「……本当にバルム砦を手に入れたな」
「簡単だったろう。アイローン砦は欠点が有ったからな。そこを突けば簡単に攻略できる砦だった」
「……ならどうしてアイローン砦は落とさなかった?」
「理由は二つ。一つ目はワザと落とさなかった」
「どうしてだ?」
「落とす価値が無かったからだ。落としてもアイローン砦の利点は王国に近い距離しかない。砦も防衛には不向きだからな」
「なるほど。二つ目の理由は?」
「アイローン砦を攻略して英雄を作る為だ。お前は帝国の英雄となり帝国と王国に畏怖される存在になった。そして難攻不落のバルム砦は帝国が支配する土地になり、砦にいた捕虜が帝国の労働者になり鉱山開発も出来て一石三鳥だな」
「お前も辺境の鉱山の労働施設から戻って一石四鳥だな」
「……そうだな、これで私は英雄の部下となった。よろしく、英雄様!」
「お前に言われると気持ちが悪い。さてと、オレ達がする事は……」
「帝国での祝賀会だな。英雄様」
「……お前も参加するのか?」
「残念ながら再度アイローン砦を落とす為の準備がある、兵の補充と物資の補充を頼んだぞ!」
「……お前にかかるとオレ達が苦労していた砦も楽に落とせるのか。手をこまねいていたオレ達はなんだ?馬鹿か?凡人が?」
「知らん、それとも聞きたいか?」
「……止めておく。聞いたら殺意が沸きそうだ」
「そんな事より祝賀会が終わったら増援の兵と一緒にアイローン砦を落とすぞ」
「分かった。だがバルム砦の方はどうなっている?」
「他の指揮官がバルム砦の周辺を平定する。他の領地を帝国領にする」
「そっちの方が面白そうだな!」
「手に入れる領地は大規模な農園があるウィール領地と畜産と馬が多いデンキンス領地だ」
「楽しそうだな」
「ウィール領地は何度か煮え湯を飲まされたからな。領地はいらないが農園は手に入れないと今後の作戦に支障がでる」
「そういえばこの辺は帝国が放った盗賊がいたと思うが……」
「そっちは手をまわした。近日中に他の領地で村の者達に危害を加えるだろう」
「……まさか」
「そうだ!王国の犯罪者を帝国兵が撃退して帝国を信頼させる」
「……うまくいくのか?」
「バルム砦にいる部下に手配済みだ。私が計画した王国の無法者達だ。数も場所も把握している。村を襲っている所を助け出されて感謝するだろう」
「……極悪人め」
「なんとでも言え」
「しかしバルム砦の捕虜の数が思ったより少なかったな。もう少し怪我人が少なければ良かったのだが」
「仕方あるまい。アイローン砦とバルム砦は指示系統が違うからな。私も大規模戦闘中だとは思わなかった」
「世の中お前の思う通りにはいかないという事だな。では後は頼んだぞ!副将軍」
「帝都ではうまくやれよ!将軍閣下」
「じゃあな!」
「……地獄の労働施設の看守から今じゃ英雄様の右腕か。施設の事が少し気になるが考えていてもしょうがない。出来るだけの改善はしたが元に戻るだろうな……。あいつらが頼んだ事を実行してくれたらよいのだが……」
辺境の労働施設。
帝国領にある辺境の鉱山で鉄石を掘り、取れた鉄石などを製鉄所まで運び精製する。
帝国領の犯罪者達が鎖で両腕両足を縛られて少ない食事を与えられながら奴隷の様に一日中休み無しで働いている。
疲れて休んでいる者がいると、看守から怒声と鞭で打たれ働かされる。
早い者は三日で死亡し、体調を崩した者達から死んでいく。
施設には看守を診る医者は居るが、囚人を診る医者などはいない。それどころか看守が囚人達で遊んで怪我させる事はあっても治療する事はない。
看守の楽しみは働いている囚人達で遊ぶ事だ。何百人もの罪人達に暴力を振るって嫌がらせをする。
鎖で縛られている囚人達は何も出来ず殴られ続けるだけだった。
帝都からある者が配属されて囚人達の労働環境が少し変わった。
食事の量が増え、遊びで暴力を振るわれる回数が減った。倒れた者達に休憩する時間が与えられた。
囚人達を鞭で叩いて遊んでいた看守達は施設の改善に反対したのだが、鉱山の発掘量が増えた事で黙らせた。
最悪の環境の労働施設が少しずつ良くなっていく事で看守と囚人の距離が近くなった。
囚人はサボらずに与えられた仕事をして、看守は囚人を鞭で叩いて遊ぶ事が減った。
看守達は改革派と保守派と別れて言い争っている。
保守派の看守達が囚人を殴り、改革派がそれを止める。そんな事をしているうちに囚人達は改革派に集まり協力する。
力自慢は鉱山で、頭の良い者は効率良い方法を考え、力も無く頭も良くない者も皆の為に懸命に働く。
施設は良くなったがそれでも死人は出る。鉱山での怪我で死ぬ者、看守のせいで死人が出る事もある。しかし鉱山には人手がいるので囚人達を集める。山賊や盗賊、殺人犯や窃盗犯、罪を犯した平民や貴族、冤罪を食らった者達、戦争経験者の捕虜達。
そして今日も囚人がこの施設にやってくる。
「なんですか、このガキは?傷だらけかよ」
「こいつを持ってきた騎士様が遊んだようだな」
「……死にそうなガキだな。放って置くだけで死にそうですな。こんなガキがこの場所で生きていくのは無理だろう」
「全くだ。ここに来る前に殺しちまった方がガキも幸せだったろうよ」
「じゃあ殺すか?」
「鞭を打っても何も言わない。こんな面白味のないガキなんてどうでもいい」
「……片目が潰れて、腕もヒビが入ってないか?そのうえ、このガキ魔封じの腕輪をしているぞ!」
「そうだ。魔法が使えるらしいぞ」
「ガキのくせに魔法が使えるなんて何処かの貴族の出か?」
「さあな、どっちにしろこの傷ではこのガキは近い内に死ぬ運命だ。どうでもいいさ」
「改革派の奴らが何か言ってくるかもしれないぞ?」
「騎士様がここまでしたんだ。オレ達は何もしていない。それに他の奴らも見ていたからな」
「……確かに。では歓迎の手錠をハメてやるか。しかしこのガキは何時までもつかな?」
「……皆を呼んで賭けさせるか。オレは三日だな」
「オレは五日だな」
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