メメント・メリー
回る回る、世界が回っている。クルクルいつからこうなっていたんだろう。一人の人生を乗せたら、また次の人生。回って回って、いつからこうだったんだろ。
次の人生、次の人生。うらやましいけれど、次は無い。転生なんてそんな物は無かった。僕の上に立っている人、ここから先は激しいよ、振り落とされないようにしてよ、だからちゃんと座ってよ。
送って回るのが僕の役目。だからさ、お願いだから。途中で落ちるのだけはやめてくれ、せっかく僕に無いもの、重さがあるんだから。だから、自ら飛び込むのもやめてくれ、むしろ僕が欲しいんだ。それを目の前で投げ出すなんて酷すぎるよ。
祈れ、祈れ。冥福を。祈って祈ってお願いだ。頼むから、祈ってくれ
折れてくれ
クルクル回っても、そこはスタートではないんだよ。あぁ、バイバイ、もうバイバイ。絶望しないでくれ、頼むからこれは代償なんだよ。忘れてはいけないことなんだ。忘れないで、折れてくれ折れてくれ。あきらめて笑って欲しい。
メメント・メリー。私はスタートに戻らない片道の回転木馬。メメント・モリ。忘れないで私の存在を、運ぶ先を。祈っているから、折れてくれ、あきらめてくれ。辛いから、笑ってくれ。
そして、乗せていた重さが消えた。せめて終着点に、せめてもの長さを、最後まで居させて欲しかった。
メメント・メリー。あなたの人生がとまらないことを忘れないで
メメント・モリ。最後を忘れないで
最後まで一緒にいてね