時には納得しないといけない状況があるけどこればっかりは納得がいかない!!
「・・・・・・んぁ・・・」
ここは・・・どこだっけ・・・。
俺は・・・何をしてた・・・。
「目を覚ましましたか」
「・・・・・・」
どうして俺は膝枕されてるんだ?
それに・・・この人どこかで見たこと・・・。
「・・・あ」
「どうかしましたか?」
「あ、ああ・・・」
「?」
「ああああああぁぁぁぁぁーーーーー!!!」
「きゃ!?」
思い出した!
確か俺この人と戦ってたんだ!!
とにかく距離を置かないと・・・。
「ま、待って下さい!」
どうする・・・。
一旦距離を置いたのはいいけど、逆にこれはピンチだよね。
魔法使い相手に距離とっちゃたんだから。
またあの魔法を仕掛けられてしまう。
どうしよう・・・俺じゃあ勝ち目はないぞ。
このまま逃げても殺されるし。
逃げ場なしだよ。
「目を覚ましたか」
「・・・王様」
あんた逃げたんじゃないのかよ。
「ナロウ。お前覚えてないのか?」
「・・・何を・・・」
「勝ったんだよ」
「・・・・・・え?」
「正確に言うと勝ったのではないんだけどね。でもメルラにとっては違う」
「あの~意味がわからないんですが・・・」
「受け止めたんだよ。あいつの愛ってやつを・・・」
「・・・あい?」
「メルラはちょっと変わっててね。自分の魔法を愛の形だと思ってるんだよ」
何それめっちゃくちゃ性質が悪いよ。
どんな愛情表現なんですか・・・。
「今まで誰一人としてあいつの魔法を受け止めた奴はいないんだよ。皆跡形もなく消えた」
「へ・・・へぇ~・・・」
こ、こえぇぇぇぇ~~~~~!!
「でもお前は受け止めた。それを見たメルラは・・・え~っと」
「・・・・・・」
「その・・・だな・・・」
「・・・・・・」
「・・・お前に惚れて戦意損失した」
「・・・・・・」
ん?今何て言った?
俺に惚れた?
聞き間違いだよね。
「すみません。もう一回お願いします」
「YOUにLOVEしたらしいぞ」
「・・・WOW」
どうやら聞き間違いじゃないらしい・・・。
なぜ惚れたんだ?
どんな所でときめいたんだ?
惚れる要素なんて一つもないよな・・・。
・・・いや!嬉しいよ!
こんな可愛くておっぱいが大きい子に惚れられるのは。
でも、素直に喜べないんだよね。
だって、怖いんだもん!
「何だ?嬉しくないのか?」
っぐ!聞いてくるか・・・。
「どうなんだ?ナロウ」
「・・・・・・」
そんな泣きそうな顔で見つめないで!!
そんな顔されたらNoと言えないじゃないか!
「・・・・・・嫌、なんですか?」
チクショー!!
「嬉しいに決まってるだろ!」
その言葉を聞いて王はニヤリと笑った。
こいつ絶対俺で遊んでる!
「よかったなメルラ。未来の旦那様だぞ」
「進展早くないですか!?」
「ナロウさ~ん!」
「ッヒ!!」
「私の愛を唯一受け止めてくれた人!絶対に離しません!!」
執着心がすごいセリフはきましたね。
でもその胸の感触で聞かなかったことにしとこう。
・・・やわらかいなぁ~。
「いや~めでたいな。この場でまさかプロポーズをするとは」
この・・・くそ王め!
「・・・ところでナロウ」
「何ですか」
「どうやってメルラの魔法を受け止めた?この状況を見るとメルラが手加減したとは思えない」
急に真面目モードに戻るなよ。
対応に困っちゃうよ。
「えっとそれは・・・、魔法で自分の体を硬化しました」
「それで受け止めたというのか」
「はぁ・・・まぁ・・・」
だってこれしか魔法出来ないんだもん。
「よくわかった。じゃあこれからの事を説明する」
「この場所でですか?」
こんなにも悲惨になってる場所で・・・。
「いいんだよ。別に何か褒美やパーティーなんかをするってわけじゃないし」
「私とナロウさんの結婚式はないんですか?」
・・・うん。メルラさんちょっと黙っててほしいな。
ついでに結婚式って誰もっていうか俺了承してないよ。
無理やりするつもりですか・・・。
「結婚式は任務が終わってからにしろ」
「おい。勝手に決めないで下さりますか」
「何か言ったか愚民」
「・・・何でもありません」
「じゃあ説明兼任務言うぞー」
うわぁ~、スッゲーやる気ないな。
「ナロウ、ハイド、メルラの三人で魔王を倒してこい」
「・・・・・・もう一度おねg」
「三人で魔王倒せ。以上」
「ちょっと待てよ!いや、待って下さい!どうして俺が入ってるんですか!?」
しかも実の父親を倒せってどういうことだよ!
どこの親不孝もんだよ。
てか親不孝でもやらないよ!
「だって二人に勝ったじゃん。つまり二人より強い」
「いや、あれは勝ったって言わないでしょ」
「五月蝿い黙れ。王様の命令だ」
最高の職権乱用しやがったな!
「それにこれは昔から言われてた言葉あってな」
「どんな言葉です」
「短いからしっかりよく聞けよ」
短いのにしっかり聞くってどういう意味だよ。
「空から人が降ってきたらそいつが国を救う人なんだって」
「・・・それで?」
「終わり」
「おい。何ですかその超適当な言葉は」
「聞くな。王様でもわからんことはある。頑張れば英雄になれるぞ」
「いらんわ!それに二人は強いんだから別に俺必要ないでしょ!」
「あ?文句あるんか?」
「・・・ないです」
威圧感ハンパねぇーです・・・。
「じゃあ頑張ってきてね。応援してるよー」
「必ず魔王を討伐してきます」
「ダーリンは私が守ります!」
「・・・メルラさん。いつの間に俺ダーリンになったんですか・・・」
「じゃあ大臣と相談があるからこれで失礼するわ。出発は明日な」
「ダーリン。今日は一緒に寝ましょうね♪」
「遠慮しときたいです・・・」
「私は明日の準備をして参ります」