生半可な覚悟じゃ愛は受け止めきれないって事がよくわかった!!
「ちょ・・・これで終わりじゃないんですか!?」
あの男と勝負したら終わりじゃなかったのかよ!!
せっかく助かった俺の命が、再び死の道へと行くのかよ!
「冗談じゃない!俺はやらn」
「やらなければ今すぐここで処刑する」
「やらないわけにはいきませんよね~ハハハ・・・」
退路を絶たれた・・・。
「いい返事だ。ではやってもらおうか」
この王マジで国を統べる人なのかよ。
横暴で自分勝手で我侭すぎるじゃないか!
こんな奴に俺は絶対ならないからな!
・・・命があったらいいなぁ~。
命乞いして助けてもらうか・・・?
・・・いかん即行で処刑される。
下僕になるという手はどうだ?
・・・駄目だ。この美しい体が玩具にされる。
王を殺すか?
・・・そんな事出来たらもうやってる。
考えろ考えるんだ俺!
俺はやれば出来る子だって親父も母さんも言ってくれてたじゃないか!
数々のギャルゲーの選択肢をミスせずにクリアしてきた俺の頭脳にかかればこんな状況すぐに!!
「あの、どうかしましたか?」
「・・・・・・」
・・・天使だ。
天使がいる・・・。
今、俺の目の前に天使がいる。
「大丈夫、ですか?」
何その仕草めちゃくちゃ可愛いんですけど。
それに胸元が見えてますよ。
メロンが二つプルプル揺れてる・・・。
「・・・ぶは!!」
「きゃあ!だ、大丈夫ですか!」
「あ、だ、大丈夫!これはエロイものを見て興奮して血圧が上がって出ただけだから」
「・・・・・・」
何言ってるんだ俺!!
こんなのギャルゲーで言ったらバットエンド直行だろ!
嫌だー!!死にたくなーい!!!
「そうですか。病気とかじゃなくてよかったです」
悪意のない笑顔・・・。
・・・俺、もう死んでいいや。
「それよりも、もういいでしょうか?」
「何をです?」
もしかしてKISSですか?
それとも抱きしめてほしいんですか?
まさか・・・。
お風呂にします?ご飯にします?それとも・・・。
でしょうか!!
「死合いです」
「・・・・・・へ?」
「だから、死・合・いです」
「・・・・・・あの~王様」
「何だ?」
「対戦相手って、もしかして・・・」
「うん。こいつ」
「・・・・・・おうふ・・・」
なんだって神様こんな運命を俺に歩かせるんだ!!
俺が魔王の息子だからか!
美しすぎるからか!?
生きてる事じたいが罪だからなのか!?
もう、神様なんて信じないんだから!
・・・元々敵だったなクソが!
「では、始める前に一ついいですか?」
「何でございましょう・・・」
「あなたのお名前教えてくれませんか?」
「名前?」
「はい♪」
そうだった。
まだ誰にも俺の名前言ってなかったな・・・。
「俺の名前はナロウ」
「ナロウさんですか。いい名前ですね」
「え、そう。ありが・・・」
「ナロウさん。私の愛受け止めてくださいね」
「・・・へ?」
「あ、これやばいは。皆避難しろ!」
「えちょ王様!一体どうしたんだよ」
「ナロウ。グッド・ラック!」
「ヘル・ファイア!」
「ま・・・まって!!」
黒い炎の塊が向かってきた。
「・・・む、無理だーーー!!!」
室内に爆発音が響き渡る。
「ゴホ・・・ガハ・・・。あ~助かった・・・」
ギリギリで避けれた。
危なかった。
あの黒い炎やばすぎだろ!
俺がいた場所跡形もなくなくなってるぞ!
「もう、ナロウさん。避けちゃ駄目ですよ」
可愛い顔して何えげつないこと言ってやがりますかこの子は!!
「いやいや!当たったら死んじゃうよ!!」
「愛があれば大丈夫です」
あ、この子駄目だ。
頭が逝っちゃってるよ。
「次は受け止めてくださいね♪」
「だから無理だって!!」
「ホールド」
「うご!」
体が動かない!
「これで受け止めてくれますね」
おいおい無理だよ!
マジ無理だって!!
頼むから助けてくれよ!!!
「ヘル・ファイア」
再び黒い炎の塊が俺に向かってくる。
受け止めたら俺いなくなっちゃう!
逃げたくても逃げれない!!
どうしよう!
どうしたらいいの!?
・・・・・・はっ!!
そうだ。俺にはこれがあった。
てか、これしかない!
なら、賭けにでるしかない!!
頼む。俺の魔法!
どうか守ってくれ!!
炎は俺に直撃した。
「あ~もう終わった?」
「ご無事でしたか王」
「ハイドも無事だったか。俺は大丈夫だ。避難してたから。それよりも・・・まぁ~派手にやっちまったな」
「・・・修復にはしばらく時間がかかるかと」
「だよな~。・・・また民衆の反感を買っちまうな。あとで大臣と話しとくか」
「それがよろしいかと」
「それよりもあいつは?メルラの魔法受けたんだろ?跡形もなく消えた?」
「・・・いえ、それが・・・」
「そうだよなぁ~。あいつの魔法は我が国一だからな。しかも自分の魔法は愛の魔法だって勘違いしている悲しい子だから避けられると最大魔力でぶつけてくるから怖いんだよな」
「・・・あの、王よ・・・」
「にしても可哀想だったな。ナロウだっけ?あとで墓でも建ててやるか」
「王よ。ナロウは生きています」
「・・・・・・まじ?」
「はい。そこにいます。メルラと一緒に」
ハイドが指差す方を見るとメルラに膝枕されて寝ているナロウがいた。
「・・・・・・どゆこと?」