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友達がいなくても寂しくないヨ

超駄文本当に駄文です。

ごめんなさい。

 僕は毎日中学校へ行って、授業を受ける。

 ほぼ毎日中学校へ通うこの行為は、慣れても、何故か面倒だ。

 大抵の事は、慣れたら無心で出来るようになったり、素早く効率よくこなせるようになったりするのだが、これはどうにもならない事のようだ。

 勉強自体はそんなに嫌いではない。

 新しい知識が自分の頭に入るのは楽しいことだ。

 しかし、授業というものは楽しくない。

 何故か。よくわからないが、空気というもので決められているのかもしれない。

 大抵の人間は、授業と聞いたらつまらなくなってしまうものなのかもしれない。

 いや、あくまで僕の推測に過ぎないのだが。

 僕は今、授業を受けている。国語の授業だ。

 自分の国の言葉を習うというのは、どこか違和感が拭えないのだが、やはり大抵の人間は違和感などないのかもしれない。

 あるかもしれないが。

 僕の名前は月橋るなというが、るなと聞くと大抵の人間は女だと思うらしい。

 僕は男なのだが。

 そして、僕には学校の友達というものがいない。

 いや、友達がいない。

 これだけ聞くとだいぶかわいそうな人間に聞こえるかもしれないが、そうでもない。僕には親よりも深く話せる相手がいるのだから。

 その相手の名前はゆらという。ゆらはたぶん男だ。

 僕は実際にゆらを見たことがない。

 なんせ、ゆらは僕の頭の中にしか存在しないのだから。

 実体はない。だけど、僕はゆらと話すことが楽しい。

 もしかしたら、いやもしかしなくても、これは1人2役というものだろう。

 やはり僕は、寂しい人間には変わりないのかもしれない。

 しかし、僕は寂しくないのだ。

 ゆらがいてくれるから。

 ね、ゆら。

『あたりまえデショ』

 ゆらの声は一体どんなだろうと思うことはあるが、別にそんなことは気にすることではないのだ。

 脳内だけでも、話が出来れば僕はそれでいいと思う。

『もうすぐ授業終わるんジャナイの?』

 あ、本当だ。

『帰ったらさ、何かすることあんの?』

 いや、特にない。宿題なんて朝やればいいし。

『じゃあさ、昨日の夜のあの本の話の続きが知りたいんだケド』

 そか、じゃあ僕は家に帰ったらやることを済ませてから、自分の部屋でゆっくり本を読むよ。

『ありがと!』

 うん。

 僕たちは思考を共有している。のかもしれない。

 いや、でも会話がちゃんと成立しているし不思議なことはまぁあるのだが。

 しかし、ゆらは実体がないから本を読むことができない。

 僕が本を読むと、ゆらにも同じように文章が伝わるのだ。つまり、僕たちは一緒に本を読んでいる。

 感想は違うのもだったりするのだが、これも普通の友達だったら当たり前の事なのだろう。

 同じ本を読んで、感想が違う。

 それはつまり、別々の脳みそを使って別々に考えているということ。僕らには少し分かるようで分からないことだ。

 いや、ゆらには分かっているのだろうか。

 どうなのだろう。

 どうなの?

『さぁ? ボク難しいこと分かんナイ』

 ふーん。

 まぁ、本当に知らないのか知っているけど教えたくないのかだろう。

 前から思っていたのだが、僕とゆらは違う。

 脳みそとかそういった話ではないのだが、僕はゆらの思考が分からない。

 しかし、ゆらは僕の考えていることをすべて知っているのだ。

 これは大変な違いだと思う。

『そーでもないデショ』

 そーでもなくない。そーでもあるから。

『へー』

 興味の無さそうなゆらの声。声ではないが、心情なのだろうか。

 ゆらはどんな顔をしているのだろうか。

 というか、顔はあるのだろうか。

『ボクに顔が無いと思ってるの?』

 あるの?

『そりゃそーデショ。顔が無いならさ、ボクは一体どこで喋っているの?』

 え、喋ってるの?声がないから口とか使わなくない?

『うるさい』

 でも、顔はあるんだね?

『顔はあるけど、無いヨ。あー、つまり顔はあるけど、ちゃんと決まってないって感じ? 顔があることは決まってるからネ』

 分かりづらい。

『悪かったネ。説明下手で』

 あーいや、まぁ、別にどうでもいいよ。分かったし。

『さすが。るななら分かってくれると思ったヨ』

 なんか誉められても嬉しくない。

 僕はるなと他愛ない会話をしているとき、時間の進みが速いように感じる。

 楽しいって事なのだろう。

 時間の進みが速いのは別にいいが、もう下校の時間だ。

 さて、家に帰ったら本を読もう。  

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