消滅sympathy
まあ、掌編としか言えないです。
キエル? 消えちゃう、消えちゃうの?
私の存在なんてそんなモノ。
無闇矢鱈に消えちゃって。
同情なんて、憐みなんて、共感なんて、共鳴なんて。
――無残無像の虚無だらけ。
最後まで残ったのは君との記憶。
そんな彼はもう忘れてしまっているんだろうね。
だって私と同じ、消滅回帰者なんだもの。また逢えた時は、忘れてしまっているのかも……知れないんだから。
私の記憶も明日になったら、消えているのかも残っているのかもわからない、だからこれだけは言わせて――――
「ありがとう、愉しかった。愉し過ぎて少し疲れちゃうくらい。また明日、記憶が残ってることを願ってる」
*
この思いが消えてしまう前に、この思いを彼女に届けないと。
僕が現在の僕であった時の、この思いを。
大好きだよ、と不恰好でもなんでも言わなきゃいけない。
だって僕たちには時間がないんだから、一刻も早く伝えないと無くなってしまう。
彼女を道端で見つけた僕はやっと見つけた、と思って近寄るけれど、僕は果たして何がしたかったのだろうと、考え直す。
「僕は何をこんなに捜していたんだろう? あれ、おかしいな、思い出せない。何か大切なことのはずだったのに――――」
何故か僕の両頬には目尻から水滴が伝って掌に当たり、そこで涙が流れているのだと気が付いた。
はい、予定より遅くなった上、不備のため内容が少し異なる事になってしまい申し訳ありません、空丘です。
よろしければ、連載中の異邦人の方も読んでいただけたらな、と思います。
それではまたいつの日か。




