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渡されたメモ

 強引な約束をさせられた次の日、ホームルーム中に何度か先生と目が合った。でも手を離してくれなかった横暴な態度が頭にちらついて、どうしても補習を受ける気分じゃなかった。約束を忘れたわけではないけど、わざと無視してそのままバイトへ行った。

 その翌日、生物の授業中に先生はいつもの白衣を着て各机を周っていた。顕微鏡をのぞく私のすぐ横に先生が立つ。ふわっとしたせっけんのいい香りがかすかに鼻をかすめた。そして、みんなが気づかないように、先生はそっと私の手を握る。びくっと肩を震わせてちょっと距離を置こうとした瞬間、先生は無理やり私の手を開き、その中に小さく折られたメモ紙を入れた。

 休み時間にメモを確認した。汗で少しふやけた紙をゆっくり開けると、<18時30分 どんぐり公園>とだけ書かれてあった。どんぐり公園は、先生と再会した日に行った場所。そこで何の話があるんだろう。まさかまたバイトを辞めろと言われるんだろうか。嫌な予感がしつつも、また約束を破る勇気はなかった。

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