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幼いころの面影

 またしても驚かされた。ひかるの奴、いつの間にあんな大胆になったんだ? 少なくとも、俺の知ってるひかるは男を誘惑するような子じゃなかったはずなのに。あぁ、でも思い返せば、八歳の頃に俺を押し倒してお別れのキスを迫ってきたことがあったな。やっぱり本質は変わっていないのかもしれない。理科準備室での出来事が走馬灯のように頭を駆け巡る。ひかるの胸が脳裏からチラついて離れない。小さくて華奢な体なのに、よくあんなに成長したものだ……。あの日、公園でひかるにキスをした。再会できた嬉しさが抑えられなくて、自分の欲望に負けてしまった。

 俺は八歳のあいつを妹として見ていた。虫垂炎で倒れた日、「ひかるのことは一生俺が守る」と神に誓った。何でもするから助けてくれと祈り続けたことが、つい昨日のことのように思える。

 正直に告白すると、俺がこの学校に赴任してきたのは偶然ではない。ひかるが通っている高校を調べてから希望を出した。すると、ラッキーなことにA組の担任が産休を申し出たのだ。カフェでひかるが働いていることも知っていた。ふりふりの白いエプロンに黒地のミニスカート、そして白いハイソックスを履いてメイドのような格好をしているのを見て、他の男が寄りつかないように喫茶店に何度か通ったこともある。本人は俺だって気づかなかったみたいだけど。ストーカーのように聞こえるかもしれないけど、そうじゃない。俺はただ、ひかるを近くで守りたいだけなんだ。

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