夜のために
仕事をやめた
なにかあったような気もするし
なにもなかったようか気もしてきた
そんなころ
ふと、ライブ配信というものをのぞいてみた
最初はためす気分だった
ただ短い動画を見るものだけだと思っていた
でも、ちがった
ここは
そんな私がすごした
配信の中での夏のはなしだ
最初は知っている人が
配信をしていると分かって
ありあまる時間がある私は
アプリをいれたのだった
けれど、いつも話題にうとい私は
すでに、その人達が更新をやめていることを
知らなかった
ひととおり 動画を見終わり
スワイプしていく
有名なYoutuberの切り抜きがでていたり
高校生がおどっていたりいろいろだった
ショックをうけた場所があった
今おもえば、それが私を配信の LIVEに
ひきこまれた時だったんだろう
指がとまったのは
酔っぱらって、
寝転んでいる人の所だった
身動きもせず、
散らかった部屋を写し続ける
ものと、それを見続ける人達
それが、
配信 Liveの存在を知った時だった
私はずっと見ている
相手につられたかのように
そこに写っているゴミかのように
体を動かすことができなかった
いろんな人がいた
配信、2回目の挨拶で、高額ギフトを
送ってくれと直接いってくるひと
はじめて、名前をよばれ嬉しくなって
ギフトを送れば
次の日には、あれは付き合っているヤツだろうと掲示板にスクショ込みで書かれている
自分の書いたことが、悪意をもつ場所にはられる気持ちわるさよ
こちらもこちらで
勝手にすきになって応援したものの、次の日には思っていたのとちがうと、
だまされた気分になる傲慢さよ
こんなに他人から感情がゆさぶられることがあるとは思ってみなかった
夏は、もう終わりそうだった
もう、いやになっていた部分も
知らなかったものを見る夢中さ、
どちらもあった
この限られた場所で、
なにをやっているんだろうという
感情もあった
若者たちは、それでも楽しくやっているようだ
かわいい女の子たちへ、ひたすら自分のもとに連絡を送るように頼む場所は
いつも人気だった
ばかにされるのが分かっていて
やっている配信者も、いた
そこに、書き込まれるコメントは
ひどいものだった
流れがはやく読めないものは
ただ暗い感情をぶつけているかのよう
けれど、みな自分がみたいものを信じているのか
流れつづける言葉はおわらない
それでも
長い時は1時間以上も喋りつづける
不思議にひきつけられて、
配信を見に行くようになった
十分に恵まれたものを
持っていそうなのに
ひたすら手をのばすのは
なにになのか
ある有名な人が言っていた
好きな子は、3人つくっておくんだと
これは、今までで1番
目からうろこが落ちたアドバイスだ
私は巡っていた
悲しいことがあっても
傷つくことがないように
すきになる配信者をさがしていた
歌のお姉さんのような人がいた
いてはいけないような年齢の子どもの
質問すら優しくこたえていた
その日も、いつも通りの配信をきき終え
眠れないながらもベッドに横たわり
ふと見ると配信中のマーク
なれたものな指はすぐにタップをし
聞こえてきたのは
ラジオ配信の、はなごえだった
涙を流していることを知られたくないのか
しきりに鼻水がでているせいにしつつ
はなしつづける
最近、通ったばかりの私には
分からないが
よくある、仲間はずれのようだ
未必の故意ほど、言葉にするのは難しい
あふれそうなものを
おさえるようにはなしつづける
私はスマホをあてて
耳をすます
すすり泣くような声を
なにもできずに、この世にいない
もののように静かに聞きつづける
もう夏はおわりだろう
夏が終わる今日は、イベントの最終日だ
老若男女、朝から配信は盛況だ
ポイントは3倍だと
口々に説明してくれる
私もギフトを投げなければと
いけないんじゃないかと そわそわしはじめる
でも、私のお気に入りは
いつも通りの配信時間らしい
少し遅れて入ると
うちのめされた君がいた
もう、なにをやればいいのか分からないと
なんで分かってくれないんだと言う
いつものアンチすらでてこない…
狡猾な私はそれでも思う
明日にしたら、いいじゃないか
今日は、大事な日じゃないのか
なにしてるんだよと
そう思いながら画面をみつめると
髪の毛で
かくされているというのに
液晶の反射で
暗く光った目が
こちらを射貫くように
隙間から見えた
目が合ったような気がした私は
誰もみていないというのに
思わず 顔をふせた
もう、私は
ライブの向こう側にいる人たちが
鮮明にいまを
生きているということがわかっていた
そして、反対側には
無力な自分がいることも
大事じゃない日なんてない
今、ここにしかない
時間を、生きている
声が聞こえている
結局、すぐに配信者は、でていってしまった
黒い画面に映る
取り残されて動けない
私の感情だけが
激しく 動揺していた
そうして、わたしは
行き場のない思いを
はきだすように
夏の話を かきはじめる
深夜過ぎに寝たはずなのに
朝五時には
目が覚める
いきばのないおもいが
私をせわしくさせる
配信中のひかりがついた
まだ、6時にもなっていない
信じがたくおもいながら
タップをする
かわいい女の子たちへ
連絡をねだる、彼だった
どうして
送ってきてくれないんだと
不機嫌さすらだしながら
まだベッドからも起きずに配信している
取り残された私が
やっと
戻ってこれた気がした
これで
私の夏の話は
おわりである
夏といっても
その配信にはいっていたのは
2週間と言う
短い期間だ
私とつきあっているとかかれた
配信者は
2ページ後には
新しい年下の子との
うわさをかかれ
あの日泣くのを
がまんしてた子は
また 朝から
配信をはじめている
そして、わたしはまた、夜ねむれずに、これを書いている




