第4話
「ヴァイオレット、入るよ。」
クンさんはドアをノックする。
「クンか、どうぞ。」
クンさんはそう言われるとドアを開ける。
「エルサ・スカーレットちゃんを誘拐して来ましたよ、ヴァイオレットさん。」
「ああ、ご苦労だった。」
そう言い本棚の裏から金髪青眼の高身長ロングヘアの美しい女性が出てくる。
「初めましてエルサ、私はヴァイオレット。管理局1軍の第1師団の隊長を務めている。」
「初めまして…。」
「聞きたいことは山ほどあると思う、なので今から私が全て説明をする。」
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ワールドゲート、それは他の国と繋ぐ扉。至る所にあり、それはワールドゲート管理局によって厳重に管理されている。
ここまでは義務教育で習った話。
ワールドゲートが繋がってる先は、この世界ではなく別次元の世界だということ。
____________そしてその別次元の世界には自分がもう1人居ること。
「自分がもう1人居る…??」
「そう、といっても見た目だけ同じで大幅に性格が違ったりはするかもしれない。こっちとあっちじゃ全然世界の環境が違うからな。」
こちらの世界ははだいぶ平和な世界だがあちらの世界は争いが頻発しておりだいぶ荒んでいるらしい。
「そして頻繁に、こちらの世界を巻き込んでくる。」
頻繁にこちらの世界を巻き込んで来ては戦いをしかけてくるらしい。
管理局の仕事は、もうひとつの世界と戦い、この世界を平和に守る事。
「つまり、命懸けの仕事だ。」
そんなの勘弁だ…。私はただ平穏に生きたい。
「…私はなんで…スカウト?されたんですか…??」
「そちらの説明がまだだったな。」
この世界とあちらの世界には特別な能力が使える存在、十二大神主家がある。
1番目、剣の能力を持つネイサン家。
2番目、弓の能力を持つディケンズ家 。
3番目、銃の能力を持つエンディコット家 。
4番目、鎖の能力を持つグレイス家 。
5番目、鎧の能力を持つヴィンデグリフト家 。
6番目、槍の能力を持つマクファーレン家 。
7番目、爆発の能力を持つラット家 。
8番目、鉄の能力を持つフェレロ家 。
9番目、電気の能力を持つケンドリック家 。
10番目、氷の能力を持つリッチモンド家 。
11番目、炎の能力を持つルーベンス家 。
12番目、風の能力を持つサウスゲート家 。
「ヴァイオレットは1番目のネイサン家で俺は4番目のグレイス家の末裔だよ。」
そして________________
すべてを凌駕する立ち位置にいる0番目、放を使うスカーレット家。
「それでエルサが、スカーレット家の唯一の末裔なんだ。」
「…え?」
私は意味の分からない話に理解が追い付かない。
「エルサの両親がエルサのことを隠したみたいでエルサを見つけるのに非常に時間がかかってしまった。エルサが生まれてから18年間、ね。」
「私の両親が私のことを隠す…??」
私の両親は生まれた時から居なくて、孤児院の前にエルサスカーレットとだけ書かれた紙と数億もの孤児院への大金を置いていったと聞いていた。
「どうやらエルサの両親はワールドゲート管理局にエルサを入れたくなかったみたいだ。」
「ワールドゲート管理局は命を失う可能性が高いからね、……エルサちゃんのお母さんとお父さんみたいにね。」
「私の両親が…亡くなっている?」
「エルサの両親は3年前、もう1つの世界のエルサ、3歳のエルサに惨殺された。」
「もう1人の私に…??」
私の両親が、もう1人の私に殺された…??
「受け入れられないのも分かる。」
ヴァイオレットさんはそう言って、私に手紙を差し出した。
「これは…?」
「君の両親の能力によって残した遺書だ。」
───エルサへ。
これを読んでいるということは、私たちはもうこの世にはいないのでしょう。
まず初めに、あなたをひとりにしてしまったことを、心の底から謝ります。
どうか、私たちを恨まないで。あなたを手放したのは、愛していなかったからではありません。
むしろ、愛していたからこそでした。
あなたは「放」──この世界の理をねじ曲げ、存在の境界すら超える力を宿して生まれました。
その力は、すべてを癒やすことも、すべてを滅ぼすこともできる。
そして“もう一つの世界”では、その力を狙う者たちが、すでに動いていました。
私たちは、あなたが戦いの道に巻き込まれないよう、名前を偽り、姿を隠し、孤児院にあなたを預けました。
本当は、あなたに普通の幸せを歩ませたかった。
けれど、それでも運命はあなたを見つけてしまったようです。
ヴァイオレットを信じなさい。
彼女は私たちの古い友人の子孫であり、かつて命を分け合った仲間たちの子孫です。
彼女たちの言葉の裏にある厳しさは、あなたを生かすためのもの。
そして───“もう一人のあなた”に出会う日が来たら、憎まないで。
彼女もまた、世界に選ばれた哀しき存在だから。
私たちが命を懸けて守ったのは、「この世界のあなた」だけじゃない。
どんな世界にいるあなたも、愛しているから。
どうか、自分を見失わないで。
あなたの放つ光は、必ず誰かを救うから。
――母 エマ・スカーレット
――父 アーロン・スカーレット
手紙の最後には、淡い赤い光が残り、紙に焼き付くように一行の文が浮かび上がった。
___________________。
「…っ!?」
この手紙から発されてるおそらく、赤く白い光、放というものが私とこの手紙を描いた主が血の繋がりがある関係だと直感的に思わせた。
「……」
「…そういうことで、エルサにはワールドゲート管理局に入って訓練を受けてもうひとつの世界と戦って欲しい」
「突然なことで困惑して…」
クンの言葉を遮ってエルサは言った。
「分かりました、管理局に入ればいいんですよね?」
クンは少々驚いた。
「さすがスカーレット家ってことか…物分りが早いね。そう。じゃあヴァイオレット、手続きしにエルサ、連れてくね!」
「分かった、エルサ、これからよろしくな。」
「ヴァイオレットさん、これからよろしくお願い致します。」
エルサはお辞儀をする。
「さん付けなんてそんな堅苦しくしないでくれ、同い年なんだから。」
……。
「同い年!?」
「ああ、そうだが?十二大神主家のそれぞれの世代は契によって全員同い年になるようになってるんだ。」
「じゃあクンさんも…?」
「うん、俺もエルサちゃんと同い年だよ。改めてこれからよろしくね!俺も呼び捨てでいいよ!」
「ええ!そんな…」
「とりあえず、急いで手続きを進めてくれ。いつ次ワールドゲートが破られるか分からないからな。」
「分かったよヴァイオレット。とりあえずエルサを手続きしに行くね。」
クンさんは私を_________
お姫様抱っこし連れていこうとした。
「ち、ちょっと!?すみません!?」
「ああ!バタつかないで、落としちゃうから。エルサより俺の方が現時点では移動するの早いから!」
そう言ってクンは鎖を指から出し天井の柱に巻き付け飛んで急速に移動した。
「落ちます!!落ちますってこれ!!」
「エルサがバタつかなければ落ちないよ〜!それ以上バタつくなら落とすよ?」
「は…はい。」
そう言って目的地まで急速に移動して行った。




