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10秒待って!

息抜きにその場のテンション描いたやつです。まともに見直しとかしてないので是非、軽く読んでください

憧れとは何か。

それは青春か。

「ごめん陽君!」

いつかは消える。

「10秒待って!」

いつかは過ぎる。

俺の青春の1ページ目だ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

パラッパラララ↑♪♪

(お、ここのサックスのソロ良いな)

やはりジャズとはすばらしいものだ、これは世界を鮮やかにしてくれる。

「そうだよね!」

今、目の前にいる女子二人の左の子、彼女はめっちゃモテる、モテまくりだ。

好きな子を発表会のときはいつも除外対象として扱われる。

しかし歩くのが遅くて邪魔なので、さっさと抜いてしまおう。

(・・・いまだ!)

テクテク

追い抜き成功である。

♪♪ピヨピヨ!

(あ、赤になりそう・・・走ろ)

タッタッ!

ちなみにこのマドンナはこの話には全く関係しない。

でも一応は紹介した。

バァン!!!!

「キャー!!!」

ぞろぞろ・・・

「花音ちゃんが!」

「女の子がはねられたぞ!」

「誰か救急車よべ!」

俺は時計を見て少し早足になった。

俺はいつも通り電車に乗り1時間経てばいつの間にか学校に到着している。

しかしなぜか校門が閉まっていた。

(あれなんか休みって貼ってある・・・なんだよそれ・・・)

「あれ、休みって書いてある・・・」

横にいたピンク色の髪の女の子と目が合う。

「ねー!何で休みか知ってる?」

俺は答える。

「全くわからん・・・」

「まぁいっか!」

女子はこちらをまじまじと見つめてくる。

その顔は結構可愛くて思わず目をそらす、しかし嗅覚はしっかりと彼女から漂う良いにおいを検知していた。

しばらく彼女がこちらを見終わると、ハッ!となって、不思議そうに言う。

「君、私と友達じゃないよね・・・」

「え?う、うん・・・そうだね?」

彼女はびっくりしたように言う。

「いやそうだねじゃないよ!珍しーな!学校で私と友達じゃないの、君くらいだよ!」

「え?そうなの?」

彼女は何度も頷く。

「そうだよー!」

俺は少し気になって言う。

「えーと・・・名前何て言うの?」

彼女は俺の言葉を聞いて5歩後ろに下がる。

「・・・た」

「な、なんて?」

彼女は6歩前進して言う。

「初めて聞かれた!」

「へ?」

俺はクエッションマークを出す。

「良かったね!陽君が私の初めてだよ!」

「いや言い方!てかなんで俺の名前?!」

「全校生徒の名前を覚えるなんて当然さ!あ!私の初めてを奪った君を褒めなきゃね!ふふーん!ほら、頭出して!」

「いや出さないけど!?と言うか名前を早く、教えてよ!時間あんま無いんだって!」

彼女は言う。

「そうだった!私、喜辺深 京夏(きべみ きょうか)、京夏って呼んで良いよ!よろしくね!」

「それじゃぁきべm」

「京夏って呼んで良いよ(圧)」

俺は顔をそらし、小さな声で言った。

「き、京夏・・・」

「なぁに!陽君!」

俺は自分の名前を呼ぶ京夏を見て、なんだか照れくさくなり更に顔をそらした。

「ん?なんで顔そらすの?」

「いや・・・その・・・」

京夏が顔を覗きに来るので、俺が顔をそらす、そんなことを3度ほど繰り返すと京夏がしびれを切らし俺の顔を押さえて言った。

「こっちを見ろ!」

「いや無理ー!」

「あ!」

「え?」

「そう言えば時間無いって言ってたけどこれから何かあるの?」

(あ、そっか・・・)

「いや、学校休みだから予定も消えてたんだった・・・」

「そっか!なら・・・」

シャンシャカシャン♪

最近流行っていた人気歌手の曲が流れ始める。

「は~い、あ、哲太君!」

京夏はスマホを取り出すとそう言った。

(京夏・・・なんか聞き覚えが・・・)

スマホから少し音が漏れている。

「京夏ちゃん!」

「その呼び方やめてよ~!」

(そうだ!いつも好きな人発表会で除外対象になってる名前だ!)

「良いじゃんよぉ、それよりさ!今日遊ばね!」

京夏が申し訳なさそうな声で言う。

「ごめん!今日もう予定入ってるんだ!また1年後で良い?」

(また1年後?!)

ピッ!

京夏がスマホの電源を切る。

「行かなくて、良いの?」

「え?何が?」

「予定入ってるんでしょ?」

「うん、君と遊ぶ予定が入ってるけど・・・」

俺は5歩後ろに下がる。

「えぇ~!」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「キャァァァ!」

頭上をジェットコースターが通り過ぎる。

「わぁぁぁぁ!」

目の前の京夏が驚く。

「実はベデニーランド初めて来たんだ!」

「そ、そっか・・・来た事ありそうだけど・・・」

今俺は、世界に6個しかない超大人気テーマパークに女子と来ている。

意味不明だ。

「ねぇねぇ!あれなに!?あのおっきいパンダみたいなの!」

「いや・・・俺にもわかんな・・・」

「あ!あれ乗ろうよ!おっきい観覧車みたいなの!」

「いやみたいなのじゃなくてまんま観覧車じゃん・・・しかもあーゆうのって普通最後の方に乗るやつじゃない?!」

京夏はそんな言葉聞こえてないみたいに俺の手を取る。

「早く行こ!人生は短いよ!」

「・・・フ、何それ」

ガコン!

「それではお楽しみくださーい!」

ガラガラガラ・・・

「すごい高いね~人がごみの様に見えるよ」

「調べたところによると、世界で4番目に大きい観覧車らしいよ」

「へ~そうなんだ・・・」

京夏は窓から離れると質問をしてきた。

「陽君って夢はある?」

「急にどうしたの?」

「いや、あと30分暇だから君と話そうかなって」

「もう飽きたのか!」

京夏はこちらに寄って来る。

「で!夢!陽君はなにかある?」

「夢か・・・考えもしなかったな・・・」

「てことはまだ決める前なんだ!フフ・・・良いこと知っちゃった・・・」

「なにそれ・・・京夏はなんか無いの?」

京夏は手を大きく広げて言う。

「そりゃぁいっぱいあるよ!」

「例えば?」

「今叶った奴だけでも6個あるくらい」

「本当に一杯あるんだな・・・」

「まぁね~」

京夏は胸を張る。

「でも一番大きい夢はやっぱり親友を作る事かな・・・」

「親友?」

「そう!心の中を思いっきり打ち明けられるような!そんな友達が!」

「今心の中思いっきり打ち明けてるじゃん」

「あ・・・」

京夏は目を見開いて言う。

「ホントだ・・・」

ポツン

京夏の目から涙が溢れてくる。

「えぇ!どうしたの?!」

「がなっだー!!」

 京夏は泣きながら言う。

「えぇ!そんな嬉しいこと!?と言うか俺でいいの親友!?」

「全然いいよぉぉぉぉ!!」

「ちょ!一旦落ち着いてぇ!」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ご乗車ありがとうございました!」

グスン・・・

「お、落ち着いた?」

「うん・・・お恥ずかしいところを・・・」

「い、いや・・・まぁ良かったじゃん!夢が叶って!」

「ねぇ・・・」

「どうしたの?」

「本当に親友だと思っていいの?」

俺は自分の胸を叩いて言う。

「お、おう!もちろん思っていいぞ!」

この後また泣き出したので一度落ち着くまでご飯を食べた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「私ね・・・彼氏とか・・・そういう人はできたけど・・・でも・・・振られちゃって・・・」

いきなり京夏が話始めた。

「え、そうなんだ・・・」

「元カレが別れるときに言ったんだ・・・私は誰にでも愛想振りまいて人をおちょくって傷つける、最低な奴だって・・・

「そんな・・・そいつはどうしてそう思ったんだ・・・」

「元カレの友達が彼に、私に滅茶苦茶に人格否定されてから振られたって、そう言ったから彼はそう思ったらしいんだ・・・」

「ホントにそんなことしたの?」

京夏はテーブルを叩いて言う。

「やってない!私はそんなこと!」

テーブルの上の食器がカラランと鳴った。

視線が俺たちに集まる。

「そろそろ出よっか?・・・」

京夏はコクリと頷いた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

己の体に寒気が走る、先ほどのオレンジジュースが外へ出たがっているらしい。

「ごめんちょっとトイレ寄って良いか?」

「うん、いってらっしゃい・・・」

テクテク・・・

ジィィィィ↓

ジョロロロ・・・

(ふぅ・・・しかし、京夏に元カレなんているんだな・・・まぁあれだけ可愛ければ彼氏の一人や二人いてもおかしくは無いか・・・)

ジィィィィ↑

シャァァァ・・・

(でも・・・さっきの話・・・京夏がこっぴどく男子を振ったって話が本当なら・・・まぁそんなわけないか・・・)

テクテク・・・

「お待たせ京・・・」

「だから!!」

外に出ると京夏が金髪の男と話している。

「私君の事嫌いだから!!もう私の目の前から消えてよ!!」

この騒ぎにたくさんの人が集まってきた。

「お客様、どうなされましたか?」

キャストの人が来ると男は「チッ」と大きな舌打ちをしどこかへ行った。

京夏は苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この2時間俺たちは全然言葉を交わせなかった・・・というよりも俺が京夏を故意に避けていた。

(もしかしたら、あの話は本当なのか・・・)俺の中でそんな言葉が反響する。

そして反響するたびに大きな咳が何度も出てきた。

俺が咳をする度に京夏は心配そうな顔をしてくれたがすぐに顔を伏せてしまった。

そんな絶望的な状況だった。

「・・・ちょっと、トイレ行ってくるね・・・」

「あぁ・・・行ってらっしゃい・・・」

俺は一人になった。

「おがぁーざーん!おねーじゃーん!」

道の隅で男の子が一人で泣いていた。

(まぁすぐにゲストが対応するだろ・・・)

「おがぁーざーんおねーじゃーん!」

「・・・」

「おがぁーざーん!おねー・・・」

「君・・・どうしたんだ?もしかして迷子か?」

男の子はコクリと頷いた。

「ほら、これ食べて待ってて!」

俺はポケットから飴を一つ出して男の子に差し出した。

「いらない・・・おかぁさんが知らない人から物をもらっちゃいけないって言ってたから・・・」

「そ、そっか・・・」

男の子とそんなことを話していると、トイレから女の子を抱っこした女性とともに京夏が出てきた。

「おかーさん!おねーちゃん!」

女性は子供を撫でる。

「もう、あなたまで泣いてたの?どうしようもない子達ねぇ・・・あなたが面倒を見てくれたの?」

「ありがとうね!もしかしてこの女の子あなたの彼女?」

「え、いやそんなんじゃ・・・」

「あなたたち二人とも良い人ね、子供の面倒も見れるし結婚したらいい夫婦になれるわよ!」

「え、えーとぉ」

「とにかくありがとうね、これ、飴ちゃんあげる!」

女性が飴を差し出す。

「あ、い、頂きま・・・っ!ゲホ!ゴホ!」

女性と京夏が心配する。

「大丈夫!?」×2

「あぁ、はい・・・大丈夫です」

かくして迷子の子供とその母親は道の奥へ消えていった。

俺は京夏の方を向くが京夏が顔を逸らしたので、俺も逸らしてしまった。

しかし・・・俺には京夏に言わなければいけないことがあった。

「あの!」×2

「あ!えーと・・・ちょっと移動しよっか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

辺りはすっかり暗くなっている、俺たちは湖の周りを囲うように置かれているベンチの一つに腰を下ろした。

「えーと・・・俺から話して良いか?」

「・・・どうぞ」

「実はさ俺、京夏の事疑ってたんだ京夏の元カレの友達の話が本当なんじゃないかって」

京夏は頷いて言う。

「うん知ってた」

京夏の顔は笑っている、しかしとても悲しい顔をしていた。

「でも、さっき京夏が女の子を助けたっていうことを聞いて思ったんだ」

京夏は顔を上げた。

「俺は何て最低なこと考えてるんだろうって・・・京夏は俺を親友だって言ってくれて自分の心の中まで明かしてくれたのに」

京夏は今日で一番驚いた表情をしていた。

「ごめん!京夏!」

京夏の表情からはいつの間にか悲しみが消えていた。

「私も話して良い?」

俺は頷いた。

「実は私、陽君に自分の心の中を明かすのが怖かったんだ・・・嫌われちゃうかもしれなかったから・・・」

俺は俯く。

「でも陽君はしっかり受け止めてくれた!だから今はもう怖がらずに言える!」

俺はその言葉を聞いて俺は立ち上がり五歩下がった。

「好き!付き合って!!」

それはもう条件反射の様な物だった。

本来断るべきだったのに俺はそう言ってしまった。

「喜んで!」

間髪を入れずに京夏が言う。

「ホントに!じゃぁ!」

「ブゥゥゥン!只今より花火の打ち上げを開始します」・・・て良い?」

アナウンスでなんて言ったのか分からなかったが俺はそう答えた。

「え?うん良いよ?」

パァァァン!!

チューされた。

俺は思わず100歩後ろに下がりかけたが、この状況では無理だった。

「プハァ」

「初めて奪っちゃったね・・・」

マジでビビった、とともにもう死んでも良いかもしれないとも思った。

「あ!そう言えば私!陽君の事何も知らないや!まぁこれから知っていけばいっか!」

「え、う、うん」

「まず君の好きな物から教えてよ!」

「え?ジャ、ジャズとかほらこの曲とか」

京夏は膨れている。

「全く!君は女心と言うものをまるで理解しておらん!」

シャンシャカシャン♪

「あ!親からだ!」

「出なよ?」

「ごめん陽君!10秒待って!」

京夏が席を立つ。

(なんか今日は疲れたな・・・)

バタン・・・

(なんか・・・すごく眠いな・・・)

「お待たせー」

「じゅうびょう・・・まって・・・」

「えー!寝ちゃうの~」

俺は静かに目を閉じる。

「しょうがない!」

「10秒待ってやろう!!」



10秒待って!完



10秒待って!、じゅうびょうまって!、じゅうびょうとまって!、重病止まって!

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