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『旅人と速記熊』

作者: 成城速記部

 二人の旅人が歩いていると、一頭の熊に出くわしました。二人は猛スピードで、例えるなら、高速度速記競技会くらいの速さで逃げました。

 いつまでも逃げ続けることはできませんので、一人は木に登り、一人は間に合わなかったので死んだふりをしました。熊は死んだ人を食べないと聞いたことがあったので。

 木に登った男が死んだふりをした男を見ますと、熊は、死んだふりをした男をかぎ回りました。そうして、死んだふりをした男の耳元に口を寄せると、何かをささやいたように見えました。もう一度体じゅうをかぎ回りますと、また、耳元に口を寄せて、何かささやいたように見えました。

 しばらくすると、熊は去っていきました。木に登った男は、木からすばやく降りて、死んだふりをした男に、熊は行ってしまったと告げました。

 木から降りた男は、気になったので、死んだふりをしていた男に、熊に何を言われたのかを尋ねました。

 死んだふりをしていた男は、最初は、はい読みます、と言われて、つい、空中に速記をしそうになったけど、死んだ者が速記をしちゃいけないから、じっとしていた、と答えました。木から降りた男が、次に何を言われたのかを尋ねますと、反訳終了です、お疲れさまでした、と言われて、つい、息を吐きそうになったけど、死んだ者が息をしちゃいけないから、じっとしていた、と答えました。

 二人は、熊って一音目のク音省略で書くのかな、などと言いながら、歩いていきました。



教訓:死んだふり、ばれるともう逃げられません。

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