これから始まる新しい生活
「えっ?」
よく分からなくなってきた。こいつと僕が幼なじみ?うーん。思い出せない。というかなんで僕の前使っていた名字を知っているんだろう?こっちに来てからは誰にも話していないのに。
しばらく黙っていたことを不思議に思ったのか、
「どうしたの?大丈夫?」
と声をかけてくれた。優しいな。
「うん。大丈夫。心配してくれてありがとう」
それを聞いてほっとしたのか、にっこり笑顔になる。なんか眩しいな・・・これがイケメンか・・・。
「あっ!そうだ!」
どうしたんだろう。何かを思い出したのかな?
「俺ら自己紹介してなかったね。俺の名前は月花澪。よろしくな!」
「僕の名前は櫛田楓。今は白鷺楓って名乗ってる。だからここの周辺で会ったら白鷺か楓と
呼んでくれ」
「分かった」
月花澪・・・?どこかで聞いたことがあるような名前だな・・・。あっ!思い出した!
「思い出したよ!小さい頃よくあそんだよね!家も近所で親たちも仲良かったし」
「やっと思い出したか。全くもう」
澪はそう言っているが僕が思い出したことがうれしかったのか、その顔には微笑が見える。
「あと、明日から楓が通っている学校に転校するから」
「そうなの?っていうか何で僕がこの学校にいることを知っているんだよ」
「おまえのお父さんから聞いた」
「父さん・・・」
まさか父さんが澪に情報を流していたとは・・・。
「だんだん陽も落ちてきたね」
そう言われてあたりを見渡すと、公園で遊んでいた子供たちと親はお互いに別れの挨拶をしてそれぞれ帰っていた。
「そうだね。そろそろ僕らも帰るか」
「うん。じゃあまた明日。今度は学校で!」
「ああ。また学校で」
そう言って僕たちはそれぞれの帰路についた。
そして次の日。
いつも通り学校へ向かって教室に入る。準備を終えて席に着き、ホームルームが始まるまで読書をする。
そしてホームルームが始まる。
「今日は転校生がいます」
そう先生が言った。まさか・・・
「今日からこの学校に転入することになりました。白鷺澪です。よろしくお願いします」
澪と同じクラスになった。クラスのみんなは「かっこい~」「イケメン・・」といった声や「仲良くできたらいいなあ」とみんな澪に対して好印象のようだ。よかったよかった。
そしてホームルームが終わったあと早速澪が僕の席にきて
「これからよろしくね。楓」
こうして僕らの物語は幕を開けた。
なんだか物語を切る場所を間違っている気がします。