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美女じゃない私と野獣

作者: 更科 郡



 あれ、これって『美女と野獣』の絵本の世界なんじゃない? と気付いたのはたった今。


 我が家は、父が自ら商船を数隻持ち貿易業を営んでいましたが、嵐で船が沈没して一文無しとなってしまっておりました。今まで大金持ちであったので、姉二人は我が儘放題。それが急に貧乏暮らしになって、姉たちは今の生活に文句を言うだけで何も手伝いはせず、仕方なしに殆ど私一人で切り盛りしていたのですが、先ほど父の仲間が、難破していた船が見つかったらしいと連絡をくれました。


 「船が無事なら、中の荷を取り出して売ることができる。もう一度金持ちに戻れるぞ!」

 意気揚々と父は船の見つかった場所まで行こうとしたのですが、その際に娘である私たちに帰ってくるときは大金持ちに戻っているから、お土産は何が良いかと聞いたのです。

 長女は宝石を、次女はドレスをといい、何も答えないでいる私に、何が欲しいかと父が再度聞いてきました。中身が売りに出せるほど無事である保障もないのに、そういうのは捕らぬ狸の皮算用っていうんだよーと思っていた私は、お金のかかるものを強請りたくなかったのでつい無言になってしまったのです。でも再度尋ねられて、道端にあるものか何かでいいやと思い、薔薇を…といったところではっとしました。あれ? これって。



 もともと以前から、私ここじゃないところの記憶あるなぁって思ってはいたのです。漠然としたものでしたけど。それが年を追う毎に鮮明になってきて、お米食べたい、とか妙に諺とか格言とかが頭に浮かんだりとかしてはいたんです。先ほどの『捕らぬ狸の皮算用』なんて、もし口に出してたら、なんだよソレって頭おかしい人扱いされますからね。この世界にない言葉だから。

 でも、自分が転生したとは理解してましたが、まさか絵本の中だとは気付きませんでした。『美女と野獣』のお話なんて、それほどメジャーじゃない気がするし。せめて『シンデレラ』とか『白雪姫』とかが分かり易くてよかったな。


 本当に『美女と野獣』の世界なのかはわかりませんが、少なくとも父は出かけてしまいましたし、我が儘放題の姉たちは、家のことは一切していません。ここ数ヶ月、私一人が家事を頑張っています。前世の記憶さまさまでした。掃除だって、洗濯だって、何より料理だって!

 考えてみたら、お金持ちのお嬢様が貧乏になったからって、本来急に何でもできるわけないですよね? 『美女と野獣』のヒロイン、どうやって一人で家事をこなせていたか疑問です。この世界、掃除機や洗濯機がないから不便だけど、とりあえず庶民として一通りの生活を前世でやっていたからこそ、ある程度は何とかなるわけでして。料理なんて、ド素人がいきなり適当にやったら目も当てられないはずですよね?


 実際姉たちにやらせようと何度か努力したけれど、説明は聞かないし、掃除をお願いしたら却って壊れ物が増えました。料理は自分の白魚のようなお手々が傷つくのはイヤと宣いましたし。洗濯物はタライに突っ込んで水ぶっかけて終わりだと言われました。石鹸をつけて手でごしごし洗ったり、絞ったりというのは汚れるから無理、の一言で終了。えーっと。ぬれた洗濯物、ここに置きっぱなしにするつもりです?

 挙句に「私たちやったからね! もうこんな疲れることしたら倒れちゃうから二度とさせないで!」とほざきやがりました。あのですね、私が家族全員分、毎日やってるのは見えませんか。目の前で掃除しているのも、4人分料理作っているのも、どうして無視できるのでしょう。挙句の果てに、毎日同じ料理ばかりでおいしくない、ときたもんだ。その神経の図太さ、見習いたいです。


 我が家はですね、お金がないんです。買える食材が限られているんです。それも、街で困っている人を助けたり、市場で仕事のお手伝いをしたりして、心付けをもらったり屑野菜を追加でもらったりして何とか量を嵩増ししてるんですよ。

 いえ、私は善人じゃないです。心の中で姉たちを常に罵倒してますし。だって、文句だけは人一倍だけど、何もしない人間が身近にいるなんて、本当に腹が立つじゃないですか。それに姉に限らず、文句ばかり言う人はやはり嫌な気持ちになりますよ。本物のヒロインみたいに、心の中まで真っ白な人間じゃないです。

 でも、顔には出さないようにしています。人前では常にニコニコ。これ人間関係の基本だと思ってますから。さすがに姉たち相手では笑顔が枯れることがありますが。少なくとも外に出るときは、円満な人間関係維持のため頑張っております。これは、家がお金持ちだった時から私が自分に言い聞かせていたこと。特にお金があると傲慢になりやすいからね、姉たちのように。自分のお金じゃない、ってわかんないのかなぁ。あれは父が稼いだものであって、それで周りに偉そうに振る舞うのは虎の威を借る狐だっつーの。なので私は、使用人たちにはいつも「お願いね」「ありがとう」は言ってましたよ。


 今でもニコニコは必須。特に家が貧乏なのは周り皆が知っていることですからね。率先してできることをやって、おこぼれをもらってます。プライドなんかありません。そりゃ、靴を舐めろって言われたらやりませんけど、お手伝いできることをしてそれで食べ物とかに換えていただけるなら喜んでやらせていただきます。

 それに私、それなりに美人さんらしいんです。自分で鏡を見ている限り、そんなに美人だとは思わないんですけどね。お世辞かもしれませんが、あちこちで息子の嫁になどと声をかけていただいたり、ご本人様から付き合ってなんて言われております。もうちょっと落ち着いたらまた声を掛けてくださいね、なんて軽く躱してはおりますが、そこそこ可愛い子が健気に頑張っている、っていうのもポイント高いのかも。今日は困っているおばあさんを助けて、果物をもらっちゃいました。明日の朝はこれで何とかしのげそう。自分がとっても現金な人間だとは思ってますが、生きていくには仕方ないですよね。



 さてさて、父に言っちゃった後で気が付いたから、薔薇のお願いを今さらナシなんて言うこともせずそのままにしちゃいましたが、もし本当に『美女と野獣』の世界だとしたら、今後ってどうなるんでしたっけ。

 確か、見つかった船は大破していて荷は取り出せず、失意のまま帰ってくる父。途中疲れて倒れそうなところで見えた洋館。中に入ると誰もいないけれど、おもてなしの準備ができている。で、勝手に休んで帰るときに、洋館に咲いていた薔薇を取ったら野獣が出てきてコンニチワって話だったはず。娘を差し出すことを条件に帰された父。姉たちが嫌がったので末娘が洋館に行って野獣と暮らすけれど、娘は父が病と知って家に戻りたがる。ところが、戻ったところ洋館での生活が幸せそうだと知った姉たちが、嫌がらせで妹を監禁するんだっけ? 最後は、期限を過ぎたけれど何とか娘が洋館に戻って、倒れていた野獣を見つけてキスをしたら野獣が王子に…なんて話だった気がするけど、合ってます?


 とりあえず父が帰ってくるのを待ちましょう。本当に野獣が出てきたとなったら、どうせ姉たちが行くわけはないので私が行くしかないんだけれど、あれ、私が家を出たら家のこといったい誰がやるのでしょう?

 父が病で倒れるって、誰も家のことしないからじゃない?

 かといって今まで何回も姉たちに手伝うように言ったけれど、無理でしたしねぇ。せめてレシピだけでも書いてまとめておきましょう。



 で、やっぱり『美女と野獣』の世界でした。私、野獣さんの元へと行きましたよ。求婚もされましたが、お断りしております。お話通りなら一旦実家帰らなきゃいけないんでしょ?

 父が心配で、と言ってとりあえず帰ることに成功。えぇ、やっぱり姉たちに閉じ込められましたが何か。でも、掃除・洗濯はしろ、料理は作れ、って閉じ込める気あるんかい。

 ちなみに父が倒れていたのは、栄養失調でした。姉たち、部屋も片付けず、料理を作らずにいて何故健康なの。え、とりあえず食べ物に関しては、私が市場に行かなくなったからって心配して様子を見に来てくれていた人たちからくすねてた? 父には渡さずに?


 もう、姉たち終わってます。とりあえず料理を作るので、父よ早く元気になって下さい。そうして、父はきちんと仕事をしましょう。船を譲ってもらおうと、かつての知り合いに声をかけて回るのはもう終わりにしましょうね。それに、大変だったねと言われてお金をもらってるのはある意味タカリです。すっぱり商船は諦めて、新しい仕事を探しましょう。できれば、姉たちのことは放っておいて、遠方に出稼ぎに行くのなんかOKです。父が戻ってこないとわかれば、さすがに二人で何とかしなくてはと思うでしょう。荒療治だとは思いますが、仕方ないです。なので、父がある程度元気になるまではここで料理作りますけれど、落ち着いたら野獣さんのところへ帰りますね、私。


 そうやってこまごま家のことをやってから、期日をちょい超えるくらいに洋館へ帰ってまいりました。お約束通り、薔薇の咲いている中庭で倒れている野獣さん。

 「死なないで」と走り寄って助け起こして、キス…。いやぁ、恥ずかしかったですけど。定番はしっかりこなさないと。でも、そのおかげで野獣さん、王子様に戻りました。真実の愛ってヤツですよね。めでたしめでたし。















 …で終わると思ってました。『美女と野獣』ってそういう話でしょ?


 あのさぁ、知ってます? なぜ王子が野獣さんになってしまったか、その理由を。

 王子ってば、お金もあって権力もあって誰もが言うことを聞くから、うちの姉たちのように傲慢だったんですって。で、ある日お城に現れた醜い物乞いを馬鹿にして追い返そうとしたら、実は魔女であったその物乞いが王子の傲慢な性格に怒り、真実の愛を見つけるまで野獣でいなさいとお城毎魔法をかけたっていうオチ。


 つまりは、もともとそういう性格の人間だったわけですよ、王子は。私との間も真実の愛とかじゃないと思うし。いや、野獣さんだった王子は野獣さんの間はとても誠実でした、ハイ。少なくとも私は野獣さんと結婚してもいいと思うくらいには。だって最終的に人間に戻るはずだし、って知ってたというのもあったけど。

 でも、野獣さんだった王子の場合は、誰も相手にしてくれなかったから、相手にしてくれた人間を真実の愛だ!とかって思いこんじゃったパターンだよね。

 だから、魔法が解けて洋館がお城に戻って、無機物になっていたお城の人たちがみんな戻ってきてお祝いのパーティなんてやっていた内は良かったけれど、時間が経つにつれて、なんでこんなのと結婚したの? みたいな顔をされるのがツライ。そりゃ、最低限の暮らしは保証してくれてるけど、会いに来ようともしないし、会った時のその態度。王子…、正直すぎるよ。野獣さんとは結婚してもいいと思ったけど、王子相手じゃ100年の恋も冷めます。



 わかってますよ。街中ではそれなりに美人っていわれてましたけど、あくまで田舎のレベルでしかないってことは。私なんかどうせ中の上くらいで、王子様が見初めるレベルには達してないってことでしょう? なんせご自分のお顔が上の上でいやがりますからね。はぁ。



 そうこうしているうちに、急にどでかいお城が現れたからということで、王国から状況を尋ねる使者が来ました。だって、この城というかもともとの王国は、数百年前に滅んでいたってことになってましたからね。急にお城が消えて洋館になって、更に魔法のせいでここ一帯鬱蒼とした森に生い茂られてたし。なので、今現在は新たな王家が、別な場所を王都として君臨しております。ここは今の王国の中では端の方で、でも王家の直轄領ではあったみたいですけどね。

 そこに、数百年ぶりにいきなり消失した森と現れた王城! となれば、何事だってことに確かになりますよね。で、滅びていたとはいえうちの王子様は旧王国の王族。無下に扱うわけにもいかない、ということで急遽お話し合いがされております。どうも、今の王国のお姫様の一人が王子に嫁ぐことで、なし崩し的に今の王国に併合させようとしているらしい。えぇっと、お姫様が嫁いでくるとなると、私は?


 あれぇ、おかしいな? 私っていつの間にか側妃だったんですって。確かに王子のところに平民の商人の娘が正妃として嫁ぐなんて普通有り得ませんよね。えぇ、仕方がありません。でもね、『真実の愛』とか言って魔法を解いた相手が側妃。なんつー話だ。世の中って世知辛い。


 もう、やっていられない気にはなりました。だって、お姫様が嫁いで来たら、私邪魔者でしょう?

 なので私、おさらばします。本当は離婚したかったんだけど、それは王子に断られました。なんでも、離婚することでまた野獣に戻ったりしたら嫌なんだって。野獣に戻るのが怖いんだったら、一時でも真実の愛と思った相手を大事にするのが筋じゃないんかい、なんて思ったけど反論はしません。庶民だもん。

 しかたがないので、側妃という肩書のままでもいいから、お金がっぽりもらってどこかいなくなってしまおうと思いました。とうか魔女、お前一発殴りたい!

 こんな屑王子、どうして真実じゃない愛で人間に戻れるようにしたの?

 いや、野獣さんだった時は真実の愛だったかもしれないけど、人間に戻った途端にあの誠実さがリセットされてるってどうなの? やっぱり持って生まれた性格って人間になったら元に戻るものなの?

 数百年野獣さんのままでいても、そこで培われた性格がその後に影響しないのね。

 三つ子の魂百まで、って言ってた先人の方、その通りでした。



 なので、お城を出て魔女探しに行くことにしました。王子には、王子を苦しめた魔女に一言モノ申しに行くので、軍資金下さい、といってたっぷりせしめました。王子としても私の顔なんて見たくないでしょうし。本当の理由はそれだけじゃないんですけどね。だって、せっかく魔法がある世界に転生できたんだったら、魔女を身近で見てみたいし、やっぱり自分で魔法が使えるようになってみたいじゃない?


 ということで、魔女をたずねて三千里、頑張りました! 涙なくしては語れない、あれやこれやの冒険談の果てに、やっと魔女と会うことが出来ました。

 「マルコ! よく来たわ!」

 なぁんて言って私を抱きしめるノリのいい魔女さん。私、マルコ違う…。

 うん。絶対私の頭の中、読みましたよね? ノリがいいから許すけど。


   ※ 『母をたずねて〇千里』の少年主人公の名前はマルコ。詳しいお話は私もよく知らん


 ノリノリの魔女さんのところでお茶をもらいながらいろいろおしゃべり。なんであの王子を野獣にしたかを聞いたら、あのまま王子が王になったらあの王国やばいだろうなぁ、ちょっと矯正してやれ、って感じだったらしいです。そんな軽いノリで人の一生勝手に変える魔女、怖い。ちなみに私が野獣さんから戻った王子の態度を話したら、すぐ人を殺そうとしなくなったなんて、ちゃんと矯正されているじゃないとのこと。かつての王子、あなたどれだけ暴君だったんですか?! いいですけど。もう今後会うこともないだろうから。



 さて、数百年前に王子に魔法をかけることができたくらいなので、魔女さんはかなりご高齢の方でございました。後継者をどうしようか悩んでいた時に現れた私。魔女さんにとっては、飛んで火にいる夏の虫だったようで…。って怖いよ。私、ヤバい所に来ちゃったわけ? 普通に後継者ってだけですよね?

 昨今は魔女のなり手は少ないのだそう。覚えることは膨大で、別に儲かる訳でもない。そして何より人の世の理を外れてしまう。だから、後継者が必要になったら孤児院に声をかけて、魔女になってもいいという子を連れてくるのだとか。とりあえず、3食きちんと食べさせてもらえる、ということで後継者になることを了承する子は何とか捕まるそうだ。それでもある程度の年齢になると、やっぱり魔女は嫌だと言って逃げ出す子も出るとか。

 周りと異なる長さの生を生きるということは、それなりの重圧を伴うもの。特に大事な人が出来てしまったときは、どうしても同じ時を生きたいと願ってしまうのだとか。


 確かに、わからないでもないよねー。好きな人が出来たら、一緒に同じ時を過ごして、最後は同じお墓に入りたいよね。うんうん。そんな恋愛してみたい…。あ、あの屑王子思い出した。私側妃だっけ。人妻って恋愛できないじゃん。ケッ。

 じゃあ、折角だから魔女になりまーす。あの王子と同じ時を生きたいとも思わないし、魔法使ってみたいし。ということで、魔女の後継者として色々お勉強することになりました。


 あれ、前世の受験勉強の時より、はるかに色々覚えさせられている気がしました。いやぁ、頭って使おうと頑張れば使えるものなのね。

 とりあえず魔法は楽しいけれど、根が元日本人の私。勤勉且つ小心者のため、師匠である魔女のように、王子を野獣にしちゃいましたテヘ、なんて絶対できません。おかげさまで真面目な良い魔女と言われるようになってきました。基本魔女は怖がられることが多いんですけど、私は街に魔女の薬という良く効く薬を結構安価な値段で卸したりしていたので、そのおかげかな。


 …というか、魔女は所在不明が信条なので、自分の住んでいる場所は誰にも教えていません。だからこそ、私も魔女さんを探すのにかなり時間がかかったんだけど。

 なので、魔女の薬を卸しに行くときも、わざと遠方の違う国の街まで魔法で移動して出かけております。でもね、そこの街というかその国、悪い魔女がいるみたいなのよね。で恐怖政治を敷いているらしいです。それもあって最初は私が魔女だということに怯えられたけど、薬の出来が良いらしく、感謝されるようにまでなりました。えっへん。


 そんなある日、また街に薬を卸しに行ったら、なんか騒ぎが。え? 大きな家が空から降ってきて悪い魔女を潰した?

 慌ててその元凶のところに行ったら、茫然としている女の子とイヌ。こ、これは…。


 お嬢さんお嬢さん、もしやあなたはドロシーさんとかおっしゃいます?

 そして、カンザスへとお帰りになりたかったりします?


 とりあえず、潰された魔女の足から靴を抜いて、ドロシーさんにお渡ししておきます。で、えーっとなんて言うんだっけ、そうそう『エメラルドの都へ向かいなさい』だ!

 …ごめん。エメラルドの都っていうのがどこにあるのか全然知らないけど、とりあえず言ったからね。


 元気に手を振っていなくなったドロシーさん。あ…、彼女についていったら最終的にカンザスに、つまりは地球に帰れるってことじゃない? なんて思ったりもしたけれど、もし地球に戻れても、それは私の知っている時代じゃないし。それにカンザスから日本にパスポートもなしでどうやって帰れるっていうの? そう考えたら、諦めるしかないよね。

 とりあえず私は、北の良い魔女になったってことでいいのかしらね?


 …『美女と野獣』の世界だと思ってたのに、いつの間に『オズの魔法使い』の世界に?

 それも、主人公から脇役に変わっちゃったし。ま、ヒロインでも脇役でも、私は私のやりたいように生きていくだけだし。うん。こうやって2つの絵本の世界があったってことは、もっと色々な絵本の世界がこの世の中にあるのかも知れない。各地を旅してみたくなったわ。


 ドロシーさん。あなたはあなたの人生、頑張ってね。

 地球人繋がりで、あなたが無事にカンザスに帰れることを陰ながら祈ってるわ。

 私も私の人生、頑張るわね。魔女になったから長生きできるし、次はどんな絵本に出会えるか今からワクワクしているわ。願わくば、ハッピーエンドのお話ばかりでありますように!



『母をたずねて〇千里』ですが、原作はエドモンド・デ・アミーチス(1846年-1908年)さんの『Cuoreクオーレ』という小説のうちの一部なので、著作権は切れているとも思うんですが…。ただ、『母をたずねて〇千里』という名称でアニメ化されたのが1976年だとか。そうなると著作権ってまだある? とか気になったので、一部伏字にしております。ご了承ください。


※ すみません。諺一部修正いたしました。

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