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西くんストーカー日記  作者: 八代
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西くん(仮名)は、まだ知らない。

フェイクは入れてありますが、ほとんど実話。

だって、騒音によるストレス、パネェ!!!!


先日、2階の4号室に、西くんが引っ越して来た。

実際の所、引っ越しの際に挨拶に来なかった為、名前はわからない。2階の4号室に越して来たから、西くんと勝手に呼ぶことに今決めた。うちは築年数も古い、安アパートの物件。防音設備などないに等しい(防音所か、防寒設備もないが。北国なのに)1階には住民がいる事は、あきらかにわかっている。なぜなら、窓にはカーテン、玄関の電気はつけていて、彼が越して来たのは夜、電気がついている時間だった。引っ越しの際、今の人は挨拶をしないそうだが、挨拶と言うのは大事だと思う。なぜなら、そこにどんな住人が住んでいるか、理解しておく必要があるから。手土産は必要ないが、引っ越して来た事、荷物の運び入れの際に音を立てる事を先に伝えておくべきだと私は思う。


なぜ思うのか。それは、彼が2階に越してきてから、うるさくて仕方がない。歩く事による軋み音なら、まあ、まだわかる。歩くなとは言えない。だが、まるでヒステリーを起こし、口に出せないからといら立ちを足音で伝えるかの如く、ドスドスと音を立てて歩く。窓を開ける音時も、「そんなに全力を出さないと、その窓は開かないのかい?」と言う程の音を立てる。部屋をつなぐ襖も、スパーンと小気味よい……所か、ズドンっと言う音が響く。漫画の効果音か、と思うレベルで響く。ついでに、なぜか水を使う度、元栓を開け、使い終わったら元栓を締める。このアパートの水の元栓は、バルブタイプだ。よくバイオなどに出て来るような感じのバルブ。ちなみに色は緑色。言わせて貰うなら、そんなにこまめに締めなくても、水道は凍結しない。なんで毎回開け閉めしてるのか、意味がわからない。長時間出かける時、寝る時、起きた時で十分だろうに……と思ったのだが元栓を締めないと、どうやらどこかから水が漏れていてずっと下水に流れているっぽい。トイレに入って気づいた、上から等間隔で流れて来る水の音。聞いていると、思い出すのはドンとカッのゲーム。私はあれが苦手だ。どこを見ていいのかわからない。


ちなみに、私達が入居した時に水道料が多くなりすぎてクレームが入った。さんざんクレームを入れられ、大家さんが変わり、現在の大家さんがやっと全宅の水道を止め、原因を探った所、上で延々水が流れてたらしい。うちのせいじゃなかった。歴代大家に、いわれなき事で傷ついた慰謝料を頂きたいくらいだ。と言うか、最初の大家も2代目の大家も、管理会社が入っていたのだからきちんと調べさせるべきではないのだろうか。あと、うちは入居時にトイレの水がちょろちょろ流れ続けているのはすぐに報告した。業者は「これは直せません」と諦めただけで。


さて、この西くん、人が立てる音には敏感らしい。彼のすべてが騒音なのに。私がシャワーを浴び、ドライヤーで髪を乾かしていると、音の発生源を探すかのように部屋をあちこち回り、窓を開けて外を確かめ)最後にぼそぼそ何か文句を言っていた。だが言わせて欲しい。私がシャワーを浴びて、ドライヤーで髪を乾かしていたのは、9時半頃だ。そこまで非常識な時間でもないだろう。だが彼は、気に食わないらしい。だが、君が引っ越してきただろう日、君は夜中の11時過ぎまで、どっすんどっすん荷物を移動させていたね。うるせぇよ、と、天井を突いてやりたかったが、自重した。彼が危ない人じゃないという保証はない。ただ、歩く音の大きさと、静かな空間で聞こえる彼のイビキに、体重は重いんだろうな、という事は想像出来る。あと、シャワーの温度を確かめずに浴びた時の「冷たッ!?」と言う声に、そこそこ若いと推測出来る。


まあ、つまりは、ここまで筒抜けだ。まさか西くんも、自分の生活音がこうして面白おかしく書かれているとは思うまい。如何せん、あまりの煩さに溜まったストレスを解消する為になんとなく書き始めたら、楽しくなっちゃって、書いているのだ。西くん、君は得体のしれない人間だが、下に住んでいる人間もまた、得体のしれない人物だという事を覚えておけ。私は今の所、事実しか書いていない。


……さて、イビキが聞こえる、と言う事も書いて、ふと気づいた事がある。彼はまだ引っ越して来たばかりで、友人がいないらしい。彼は内地(本州)から来たようだ。つまりは、彼女がいたとしても別れているか、遠距離だ。もしくは、この地で出会い、恋愛に発展するか、だ。勘のいい方ならお気づきだろう。イビキが聞こえる物件。足音響き渡る物件。声もある程度聞こえる物件。つまりは、ウフンでアハンな声も確実に聞こえてしまう。情熱が止まらない!!もしそんな事になったら耳を澄まして息を殺して、一言一句聞き逃さず、文章に起こして小説っぽくして、印刷して投函してやろう、彼のポストに。もちろん、はじまりの言葉は決まっている。



ゆうべは おたのしみでしたね





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