14話
遅くなってすみません。今までたくさんの人にアクセスしてもらってることに気づき頑張ろうと思いました。次の投稿はあと2作品あるので少し待ってもらえると幸いです。
では、本編へどうぞ!
俺は花澤さんからの電話を手に取る。俺の頭から冷や汗が1滴頬を伝って落ちる。
「も、もしもし?優斗です。」
「優斗君……。まさかの事態が起きたわ。今さっき君の家の近くのホテルに弘さんと妃奈が入っていく姿を見たとプロデューサーから連絡があったわ。一応ホテルの場所などの情報を送っておく。あとはわかるわよね……。」
花澤さんが今まで出したことのない、低くてまるで怒りを堪えているような声で言った。
「はい………。すみません、本当にすみません。」
俺は心から花澤さんに謝った。そして俺は自らに喝を入れ妃奈さんと弘さんのいるホテルへ向かう。
どうか間に合ってくれ!
外は少し寒く足が凍えて動きが鈍くなる。だが、俺はひたすらに走った。
走って
走って
走って
まるでメロスが友人を助けに行くように。
そして気づけばホテルのフロントへと着いていた。俺は呼吸を乱しながらもフロントの人に妃奈さん達が何回にいるのかを聞く。
「ハァ〜ハァ、す、すみません。北条で取ってあると思うんですけど、何階か教えていただきませんか。」
「当ホテルでは、何の関係もなくお客様の部屋をお教えすることはできません。本当に申し訳ありません。」
フロントのスタッフへ言われ、俺は苦肉の策を考える。
「……!は、はい、そのことなのですが、実は私は白石のマネージャーをしてまして迎えに来ました。」
スタッフは少し俺を疑わしい目で見ていたが、俺が汗をかいているのを見てなのか部屋を教えてくれたうえに、鍵さえも渡してくれた。正直鍵まで渡すのはどうだと思うが、ラッキーだと思っておこう。
このホテルにはエレベーターがあるのだが、階段の方が早いと判断し、俺は階段で4階まで駆け上がる。そして目的の512号室のドアの前までつく。
「やめて!やめてっめば!……!本当にっ!やめ、、、」
妃奈さんの声が聞こえた。俺はすぐに鍵を開けて部屋へ突入する。するとそこには妃奈さんが弘さんに押し倒され今にも下着を脱がされそうになっている。この時、弘さんの下着を脱がそうとしていた手が止まっていたが。俺は怒りを抑えながら、弘さんを押し飛ばし、妃奈さんの手を取り弘さんと距離を取る。
「優斗くん、グスン、グスン、ごわかったよ〜。
優斗くんが助けにごながったら私……グスン。」
「ごめん、妃奈さん。俺が守ってやるって言ったのに遅れて、妃奈さんに怖い想いさせて……。」
俺は妃奈さんに俺の上着を着せながら言葉をかける。すると妃奈さんは安心したのか体の震えが止まった。
俺は再び弘さんの方をむき、いつでも戦える体制を取る。…………。しかし、弘さんは手を出してこない。むしろ罪悪感を抱いているような顔さえしている。これは訳ありかもしれないと思い、俺は、警戒しつつ弘さんに聞いた。
「なんで、妃奈さんを襲おうとしたんですか?弘さんはそういうことしないと思いますけど……。」
「いやいや、君の見当違いかなぁ。俺がそんな善人に見えるかい?」
「………。」
俺は信じたい弘さんのことを。
俺が無言で警戒をしていると弘さんが語り出した。
「俺は昔ある女性と付き合っていた……。その人の名前は 七瀬 柚木 って人でね、前に話したと思うけど俺はその人とスキャンダルになり表に出て結局別れることになった。俺はその人のことが今でも忘れられなくて……。白石さんを含め今まで何人かの柚木に似てる人に手を出そうとしたけど、やっぱり俺には本物の柚木しか欲しくないみたいだ。今回白石さんを襲おうとして本当にすまない。それに、こんな自己中な男の話を聞いてくれてありがとう。」
弘さんはどこか寂しそうな、そして本当に申し訳なさそうな顔で語った。俺は本気でキレそうになった。というかキレた。妃奈さんたちは柚木さんの代わりにこんなに怖い思いをさせられたんだ。こう考えると怒りが湧いてくる。俺の拳はいつのまにか握られていて、今にも殴り掛かろうとしていた。そして、俺の拳が弘さんの頬にあた、、、、りそうになったのをなんとか理性で止めた。そして俺は歯を食いしばりながら言った。
「理由を聞いたのは俺だ。だけど、そんな自分勝手な理由で妃奈さんたちは怖い思いをした。いい加減にしろよ。年上だろうともしものことがあったら俺は許せなかったぞ。」
俺はこう弘さんに言い放った。そして少し深呼吸をして言った。
「……フゥ。先程は言葉遣いなど色々とすみません。ですがあれは本心です。弘さんだってもし柚木さんが襲われたら多分殺したくなるほど憎むでしょう。それと同じです。」
弘さんは答える。
「本当に申し訳ない。確かに俺も柚木が襲われたら黙っておけないと思う。俺は社長に今回の件を伝えて、芸能界から姿を消そうと思う。本当に申し訳なかった。」
弘さんが頭を下げて謝った。俺は頭を下げた弘さん言った。
「弘さん、頭を上げて下さい。弘さん実は社長に今までの会話を電話を通して聞いていただきました。」
実は階段を上がるときに社長に連絡していた。社長は初めは半信半疑だったようだが、なんとか説得することができた。
弘さんはとても驚いたがどこか寂しそうな顔にまた戻る。
俺は、スマートファンのマイクをスピーカーにひて社長に言った。
「今回の件について、また、これまでの件について弘さんは手を出していません。また、これほど後悔しており、謝罪をしています。俺は子供なので大人のことはあまり口出ししてはいけないと思いますが、どうか寛容な判決をお願いします。」
俺がこう言うと弘さんは驚いた顔をしていた。俺が弘さんを、庇ったからだろう。正直妃奈に危害を加えただけで許せなかったし、妃奈に申し訳なかったが彼の演技を見ればどれほど真面目に向き合ってきたのか素人の俺ですらわかる。そんな彼はきっと更生してくれるだろうと思っていた。
スマートフォンから返事が返ってくる。
「私は男女関係のトラブルに関してとても厳しく当たってきた。また、これからも厳しく当たっていくつもりだ。しかし、今回は如月君に免じて今月の収益の9割を会社へ寄付するという形にしておく。如月君に感謝しときなさい。そして白石君にはきちんと謝っておきなさい。私からは以上だ。如月君、今回は知らせてくれてありがとう。」
弘さんは自分の処置に驚いていたがすぐに社長に謝罪、そしてお礼の言葉を述べた。俺は社長に言った。
「いえ、今回は私の不注意により、このような事態になってしまいすみません。以後必ず守ります。」
俺がこう言うと社長は俺に大切な事を伝えて電話を切った。
「そうだとしてもありがとう。……!あ、そうだ。如月君、映画が終わったらいよいよマスコミに君と白石くんにが付き合っていると言う嘘の情報を流す。この時、君と白石くんに少し危険が迫るかもしれない。その時は白石くんを守ってほしい。精神的に、そして肉体的に。」
「わかりました。」
「あ、あと本当に付き合ってしまってもいいよ。」
俺は社長が絶対ニヤニヤしてるだろうと思った。タイミングってものがあるだろ!社長は少し空気が読めないのだろうかと俺は思ったが口には出さない。それより大切な話のところだけスピーカーにしたなくて良かったと俺は安堵した。
俺は、妃奈さんの下に駆け寄る。
「妃奈さん、本当に怖い思いをさせてすまない。これからは必ず守る。」
妃奈さんは涙を吹き取って笑顔で言った。
「ありがとう。」
この後花澤さんが来て色々と後始末をいてもらった。花澤さんはとても安堵していた。俺も心の中でよかったと思った。
俺と妃奈さんは花澤の車で送ってもらった。俺の家に着いた。そういえば妃奈さんに俺の家を教えるのは初めてだと思う。と言っても仮の家だが……。俺は花澤さんにお礼を言って家の玄関の前に立った。その時、急に妃奈さんが降りてきた。多分花澤さんにはきちんとお礼を言いたいと言ったのだろう。
「少し場所変えよ。飛鳥さんから見られてると恥ずかしい。」
妃奈さんは少し恥ずかしそうに言った。俺は花澤さんからはちょうど壁で見えない場所へと移動した。
「今日は本当にありがとう。優斗くんが来なかったら私多分……。考えると涙が出そう。だから、本当にありがとう。」
妃奈さんは俺に言った。思い出したのか少し泣きそうになっていた。俺はなだめるかのように言った。
「いや、俺の方こそすまない。守ってやらなくて。これからは絶対に守る、必ず。」
俺が伝えると妃奈さんは満遍の笑みを浮かべた。
そして俺はまだ言えていない言葉があると思い自分に問う。
「……。妃奈……ずっと一緒にいてくれないか?」
すんなりと口から流れるように言葉が出た。俺は少し経って自分の言った事に気づく。妃奈さんは顔を赤か染めて言った。
「えっ、えー!そ、それって、も、もしかして今の告白ってことで……いいのかな?」
「え?!うん。まぁ……。どうなのかな。……多分そうなるのかな?」
俺は照れ隠しをする。しかし、多分これが俺の本心なのだろう。俺がこう答えると妃奈は聞いてきた。
「ど、どうしてそう思ったの?……告白しようって」
俺は何も飾らず本心で伝える。
「初めて出会ったときに君を助けたのはさ、君が俺の幼馴染みみたいに困っていたからなんだよね。つまり君を幼馴染みに重ねて見てしまったからなんだよ。こう思うと俺って最低なんだな……。でも、それから君が白石妃奈というアイドルである事を知って、君と映画の撮影をしたり、歌ったりしていくうちに妃奈に恋をしていった…んだと思う……。本来ならもっと色々なところへデートして言うものだと思う。でもこれが俺の本心だ。これからも一緒にいてほしい。」
「そっか……。優斗くんの気持ちはわかった。私も優斗くんが勇気を出して告白してくれたんだし、それにデートとかならこれからすれば良いと思うし……。とりあえず、きちんと答えないとね。」
俺の心臓の鼓動はだんだん速くなる。そして妃奈さんの口が動いた。
「目を瞑って。」
俺は言われた通り目を瞑る。そして数秒後。まるでとても柔らかい何から唇に当たる。今までに感じてきたことのないとても柔らかいものだ。俺は恐る恐る目を開けると、そこには妃奈さんの顔があった。俺は頭の中が真っ白になった。そして数秒間キスをした。そして妃さんさんは少し顔を赤くしてこう言った。
「つまり、これが答えだよ!」
俺は一応聞き直す。
「つまり、付き合ってくれるってことでいいのかな……?」
「うん。ずっと好きだったよ優くん。」
俺はまんべんの笑みを浮かべて言う。
「俺もだよ。妃奈!」
こうして俺たちの思い出のページがまた一ページ増えた。
ありがとうございました。
いつもより少し長いかな?いや普通か……。
まだまだ下手ですが頑張って行きますのでよろしくお願いします!