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姉という存在。  作者: とある山田
2章 -弟の決意-
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2章 -弟の決意- part4

令和になって最初の投稿です。

いつもの1.5倍以上の長さになっております。

今回は密談(?)回です。


ブックマークはなさらないほうがいいです。

言い争いをした夜から数日が経ち今日は土曜日だ。

結局まだ母さんとの仲は険悪のままだ。

未だ解決策が浮かばない状況で朝部屋でPCを使って

調べ物をしているとチャイムが鳴る。

インターホンのボタンを押し玄関前の映像を見る。

画面に映っていたのは何だかかっこいい感じの

女の人だった。

取り敢えず不審者ではなさそうなので応答する。


「はい」

「神子島響と申します。

朱音さんはいらっしゃいますでしょうか」

「はい、少々お待ちください。」


姉さんの友達が来たようなので姉さんの部屋まで行って

そのことを伝える。


「姉さん、お客さんが来た」

「あ、ありがと~」


そういって姉さんは部屋を出て行く。

俺はその後また自室に戻り調べ物をする。

少しするとノックの音がしたのでドアを開ける。


「こうちゃん、私の部屋に来て~」

「やだよ」

「だめ~」


そう言って姉さんは俺の腕をとり無理やり部屋に向かわされる。

しかも姉さんは俺の腕に胸を押し付けてきて

内心諦めの境地にいたら部屋に押し込まれた。

部屋に入れられて中を見ると俺がインターホン上で応対したあの女の人が座っていた。


「響ちゃん、紹介するね。私の弟の浩太!」


無理矢理連れてこられた挙句目の前にいる凄く綺麗な人に

自分を紹介されるという状況に頭が追いつけないでいると

女の人のほうから自己紹介をしてきた。


「初めまして、神子島響といいます」

「あ、はい。初めまして、桜木浩太です」


相手の女の人がアイサツをしたのでこちらもアイサツをする。

反射的にしたが当たり前のことだ。

アイサツはされたら返さねばならない。

古事記にも書かれている鉄の掟である。


アイサツを済ませると姉さんが


「飲み物とか持ってくるから後よろしく~」


と言って姉さんはキッチンへと向かった。

突然女の人と二人きりになるという状況に

脳がフリーズしてしまい何も言葉が出ない。

固まっていたら神子島さんのほうから話しかけてきた。


「キミ・・・・・・朱音に全然似てないね」

「血が繋がってませんから当然です」

「え、あっ・・・・・・ごめんなさい」

「謝らないでください。事実ですし」

「でも家族のことって他人が軽々しく

聞いていいものじゃないから」

「いいんです。気にしないでください」

「そう・・・・そこまで言うなら気にしないようにする」

「そうしてください」

「ところで、キミの連絡先教えて」

「え、俺のですか?駄目です」

「どうして?」

「姉さんにばれたら面倒なことになるからですよ」

「あぁ、なるほど。なら私の連絡先をこれに書いておくから

何かあったら連絡してね」

「えっ」


神子島さんはメモ用紙とボールペンを鞄から出し

連絡先を書き始めた。

そして俺にその紙を渡そうとしてきた。

受け取りたくないと思っていると足音が近づいてくる。

すると神子島さんが無理矢理メモ用紙を

俺のカーゴパンツのポケットに捩じ込んだ。

その直後姉さんが入ってきた。


「お待たせ~あれ?どうしたの?」

「何でもないよ、朱音」

「ああ、何でもないよ姉さん」


姉さんは訝しむように俺たちを見ていたが

一応納得したらしく何も言わず

飲み物の入ったお盆を机の上に置く。

その後姉さんと神子島さんが喋っているのを俺はただ見ていた。

あれ、俺要らなくね?と思っていると

尿意を催したのでトイレに行こうとすると


「どこ行くの?」


とちょっと怖い感じで姉さんに聞かれ、


「トイレ」


と正直に言うと


「ふーん、早く帰ってきてね」


と不機嫌そうに言った。

いや本当に用を足しに行くだけなんだが。

姉さんはさっきの様子に何かやましい空気を

感じ取ったのだろうか。


トイレから戻ってくると姉さんが


「お帰り~こうちゃんここに座って?」


と俺に隣に座るように要求してきた。

俺がそれを無視して神子島さんと姉さんの

ちょうど中間の距離になるようなところに座ったら

凄い速さで俺の隣に体がくっつくくらいに寄せてきた。

それを見た神子島さんはかなり驚いた顔をしていた。

いや、俺も驚いてるんだが。



姉さんと神子島さんの話に相槌合わせる感じにしてたら昼になった。

つまりほぼ空気状態で何時間も姉さんの部屋に

いたのである。俺やっぱり要らないじゃん。

昼になったと姉さんに言うと


「あ、そうだ!お昼せっかくだから

響ちゃんも一緒に食べようよ!

今日はいろいろ作っちゃうよ~!

私に任せてね~!」


と一頻り言った後部屋を出ていく。

そして神子島さんとまた二人きりという状況になり

どうしようと考えていると、


「ねぇ浩太くん。あなたお姉さんのことどう思ってるの?」


と神子島さんがストレートに質問してきたので

少し委縮してしまった。


「あぁ、大丈夫答えたくないなら答えなくていいから」


と言ってくれたが一応質問された以上答えなくてはいけないだろうと

思い答える。


「どう思うも何もあの人に興味はありません」


俺がそう答えると神子島さんは考え込むような表情をした。


「てっきりあんな美人な姉がいるんだからシスコンなのかと

思ってたけど違うのね」

「違います」

「姉をそういう対象として見たことある?」

「その質問は昔から嫌と言う程されたので正直答えるのが

非常に面倒くさいのですが答えましょう。ありません」

「そう・・・・・なのね」


神子島さんは俺の答えを聞いて釈然としないというような

顔をしていた。


「じゃあさ、もしもだよ、朱音に告白されたらどうする?」

「無論断ります」

「どうして?」

「それは・・・・・・そう、今週どこかで時間取れますか?」

「お、私を口説くつもりかい?まだ早」

「違いますから。先程の回答の理由と姉さんについて相談があって。」

「ここぞというところで台詞を遮るのはやめて欲しいな・・・・・いいよ、いつにする?」

「早いうちにしたいのですが」

「じゃあ水曜はどう?」

「でしたらその日に」

「決まりだね」

「えぇ、こちらとしても日程がすぐ決まってよかったです。

神子島さんも姉さんに関して俺に聞きたいことが

沢山ありそうでしたから」

「!何で気づいたの?」

「姉さんに関する質問をしているときの声の真剣さと

表情、目があからさまでしたから」

「キミ・・・・・・・詐欺師向いてるかもよ」

「冗談はやめてください」

「うふ、そういえば聞きそびれたことを今訊くけど・・・・・

朱音って料理できるの?」

「上達はしていますね。母さんほどではないですが」

「ほぉ、朱音っていつから料理するようになったの?」

「姉さんが高校入ったくらいからでしたかね。

急に料理教えてって母さんに言い出して。

それから休日は大体、平日も時間があれば教わっているようです」

「よかった、これでもし壊滅的だったらどうしようかと」

「今は母さんがついてますから、安心してください」

「それはつまり一人でやりだしたら変なモノ入れたり

しだすってことでは・・・・」

「神子島さん、フラグを立てるような言動は慎みましょう」

「そ、そうだね・・・・・・ところで」

「はい」

「ちょっと私に対して他人行儀が過ぎる気がするんだが」

「他人じゃないですか」

「あのね・・・・・・何でもかんでも事実を言えばいい

ってものではないんだよ」

「寧ろ事実以外何を言えと」

「とにかく私のことは下の名前で呼んでほしい」

「お断りします」

「ふぅん。朱音にあんなことやこんなことを吹き込んで」

「わかりました響さん」

「よろしい!」


会話が途切れそうなタイミングで姉さんが

俺と響さんを呼んだ。

張りきったことがわかる昼食を一緒に摂り、

また姉さんの部屋で置物になっていたら

夕方になり響さんは帰っていった。

俺に意味ありげな視線を送りながら。

さて、相談内容を水曜までにまとめないと。

そう思いながら残りの休日の時間を過ごした。

誤字等指摘ありましたら随時報告ください。

直せる限り直します。

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