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姉という存在。  作者: とある山田
2章 -弟の決意-
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2章 -弟の決意- part2

この話では弟が姉に対して感じているものを少しひけらかします。


そしてここから更にダークな展開になります。


ブックマークすることは非常にお勧めしません。

ここで、あの話の内容について俺は短く振り返っていた。



それは俺が高校の入学式を終わってすぐのことだった。

昼までで学校が終わり姉さん・母さん・父さんが

帰ってきて夕食をとっているときに突然母さんが



「今日これから時間がある?」



と訊いてきたのだ。




「私はあるよ~」

「俺も大丈夫」

「そう、じゃあ8時くらいにリビングに来てね」




と言っていたので言われた通り8時くらいに居間に来た。

姉さんも俺が来て少ししてから来た。



全員そろったので母さんが話始める。


「実はね、あなたたちの関係について言っておきたいことがあるの」


母さんがそう言うと3枚の書類を取り出し机に並べた。


「これね、うちの住民票・戸籍謄本・戸籍の附票なんだけどね、

この3枚の書類を見て何か気づかない?」




目の前にある3枚の書類を見る。すると、

住民票の姉さんと母さんの欄に前住んでいたらしい住所が

書いてあり、戸籍謄本の方には父さんと母さんが再婚という

事実が書かれていた。

そして戸籍の附票には姉さんが養子であるという事実が書かれていた。



俺はこの3枚の書類の内容から導き出される答えであろうことを

質問にして問うことで確かめる。



「俺と姉さんは本来は他人同士で、再婚によって

姉弟になった・・・・・・?」

「そうだ。今まで黙っていてすまなかった」



父さんが申し訳なさそうに謝る。


「別に謝ることじゃないだろ」

「いや、結果として今までお前たちのことを

騙していたことになるだろう?だからな」

「いや、俺としてはこの書類から

その事実が知ることができて逆によかった」

「そうか・・・・・・」

「だが・・・・・・年月を見るに結婚したのって俺が生まれた

ばかりの頃だよな?どこで出会ってどういういきさつで

結婚したのかという疑問が出てくるんだが。

ていうか父さん、俺の血縁上の母さんて俺を生んですぐ死んだんだよな?

・・・・おい」

「ま、待て!言いたいことはわかる!だが仕方がなかったんだ」

「どう仕方がなかったか聞こうか、親父」


俺と父さんで言い合いが始まり、ヒートアップし始めた頃、

隣では母さんと姉さんが何かを相談していたが

そんなことに反応している余裕はなかった。

やがて言い合いが終わり息切れが治まった後

俺はこの話を聞いた後の正直な感想を言った。



「それにしても・・・・・・・昔から思っていた謎が全て解けたよこれで」

「謎?」

「そう、謎がね」



その謎ってのは何だって?決まっているだろう。

姉さんとの圧倒的な学力差、容姿の差、地頭の差、

行動力や体力の差等々のあらゆる格差の理由さ。

なぜ姉さんにどんなに努力しても勝てないのかという理由が

思わぬタイミングで知らされた事実によって

全て解明されたからだ。

成程、勝てないわけだ。

そんなことを思っていると母さんがこんなことを言い出した。


「あ、そうそう、義理の姉弟や兄妹って結婚できるんだよ~」

「俺はそもそも結婚自体する気はない」

「え、そ、そう・・・・・・・?」



母さんが残念そうに言うが俺は一切気にしない。

何が起ころうと俺は絶対しない。



「とりあえず話は終わりだ。このことをどう考え

行動するかはお前たちに任せる」



父さんがそういって席を立ち台所に向かう。



俺も自分の部屋に戻り今日の話を脳内で反芻していた。



「姉さんがあの血統を受け継いでいるなんてね。

なるほど、そりゃ何だってできるわけだ。

鬼才というのは将に姉さんのことを表す言葉だな。

劣等感が更に増幅される」



姉さんに対して元々様々な思いを抱いていた俺だが

今回の話を聞いて諦めや絶望のようなものを殊更に感じずにはいられなかった。

なにせどうしたって俺が姉さんにどんな勝負を挑もうと勝つことは

不可能だという証拠の一つを目にしたんだ。

それでやる気というか反骨心というのだろうか、

出る人間がいるなら是非見てみたいと思う。

そして俺にとって姉という存在は何なのかという

物心ついた時から考えていた問題に対する一つの回答を導き出す。

俺にとっての姉とは、

”究極の理不尽”の一つなのだと。

俺の全ての希望や自尊心・未来といったものを

奪い、壊し、潰す、そういう存在なのだと。



俺はこの結論に達した瞬間、全身から力が抜け、

何も気力が起きなくなってしまい、布団に無意識に入り込んだ。



無気力になった俺は電気をリモコンで消灯しその日はそのまま眠りについた。

こんなヘボい小説でもブックマークしてくださったり

感想を書いてくださる人がいらっしゃることに驚きつつも感謝しています。

ご期待には恐らく添えられませんが完結までやりぬきます。

よろしくお願いいたします。


誤字報告はお早めにください。

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