2章 -弟の決意- part1
警告 警告 警告
この章から皆様をとてつもなく失望させる展開になります。
覚悟して読んでください。
授業か終わりHRになる。
連絡事項の伝達が終わり鐘と同時の終礼によって
一日の授業が終わる。
「一緒に帰ろう」
洸一が話しかけてくる。
それと同時に俺のスマホが震える。
時間的に恐らく姉さんからだろう。
一緒の電車に乗って帰ろう!
と短い文章がL〇NEで送られてきていた。
洸一に
「ごめん、俺」
というと洸一は
「もしかしてお姉さんから?」
と訊いてくる。
「ああ」
「そうか。じゃぁ僕は一人で帰るとするよ」
「ごめん」
「いいさ」
という会話をした後洸一は一人で帰っていった。
HR後の人の少ない教室で
俺は姉さんにメッセージをL〇NEで送る。
いいよ
すると既読がついてすぐに
やった!
じゃぁこの時間の電車に乗るから
いつもの駅で乗ってきてね!
乗ってる電車の位置は後で送るね!
と乗るだろう電車の時刻と共にメッセージが送られてきた。
こういうとき姉さんの返しは異常に早い。
一体どうやったらこんなに早く返信できるのかと
いつも思っている。
道中立ち止まって返信を繰り返しながら
駅の改札を通りホームで電車を待つ。
そしてついた電車の真ん中の車両に姉さんがいた。
俺が乗り込んだ瞬間にこちらに気づき
抱き着こうとする。
俺はそれを制止し電車内が割と空いていたので
ドア付近に陣取って姉さんを隣に立たせる。
「私に抱き着かれるのがそんなに嫌だったの?」
姉さんがかなりむくれた顔でそんなことを聞いてくる。
「いや、電車内で抱きつかれそうになったら
そりゃ逃げるとか抵抗とかするでしょ」
「素直に抱き着かれるのが弟というものだよ」
「何をどや顔で言ってんだよ。
弟だからと言って素直に抱き着かれるかよ。
それにさっきの光景は傍から見たら冴えないモブ高校生に
美人が抱き着いてる絵だぞ。
何であんな男が・・・・とか
あんなモブ男に騙されてかわいそう・・・・・・
とかしか思われないだろ」
「周りなんて気にしちゃだめ」
「いや周り気にしろよ。俺たちを初見で姉弟と思う人なんて
いないんだからさ」
「姉弟に見えなくてもいいじゃない、
今から抱き着かれなさい」
「いやだ」
今の会話でかなり目立ってしまった上に
また抱き着かれかけたのでそれを回避しながら、
また周りからの冷たい視線に耐えながら電車で帰った。
姉さんからの攻撃は家に入るまで続き、
それを避け切ったからすごく疲れた。
そして俺は部屋に入ってカギをかけ一人を満喫していた。
そのうち母さんが夕食前に風呂に入れと言うので
着替えを持って風呂に入る。
体を一通り洗って湯船に浸かっていると
服が擦れる音がする。
俺は一瞬何かなと考えたが考える前に動けと体が言うので
ドアノブにある錠を回して脱衣所に繋がる
ドアが開かないようにしようとしたが
間に合わなかった。
ドアノブまであと少しのところで
勢いよくドアが開き、一糸まとわぬ姿の
姉さんが入ってきた。
肌色を脳が認識した瞬間
俺は超スピードで体を壁に向けて目線を逸らす。
「んふふ~、奇襲成功~」
「何してるのさ姉さん!」
「ええ~、たまには姉弟水入らずで
お風呂に入りたいな~って」
「トシを考えろよ!」
「真面目か!」
「そっちのトシじゃねえよ!年齢だよ!」
「あ、それはどうでもよくて~、一緒に入ろ?」
「何でだよ!?」
「さっき言ったでしょ~たまには裸の付き合いをしようって~」
「お互い思春期の姉弟が裸の付き合いをしてたまるか!」
「よそはよそ、うちはうちよ!」
「そんな理屈は通用しないよ?姉弟は普通は
一緒に風呂なんか入らないよ?」
と言い終わるや否や風呂に入る音がしたので
「姉さん?体を洗わずに風呂に入る気?
体を洗ってから入りなさいって教わったよね?」
と怒り気味に言うと
「体を洗ったら一緒に入ってくれるの?
じゃあわたし今から体洗うから待っててね!」
と言って体を洗い始めた。
すかさず音を立てないように風呂から上がり
高速で着替えて風呂場を後にした。
少しして姉さんの絶望した声が聞こえてきたような気がするが
気のせいだ。
ちなみにしばらくして風呂から出てきた姉さんになぜか
俺は怒られた。俺入るとは一言も言ってないじゃん。
そして今日は珍しく父さんが定時で終わって
帰ってきたので家族全員そろっての夕食だった。
俺は姉さんのことを相談するチャンスが来たと思い夕食後に
母さんと父さんに声をかけ居間に来てもらうことにした。
もちろん姉さんにばれないようにした。
周囲警戒は厳にね。
そして俺が指定した時間に母さんと父さんが
居間に来る。
「どうしたの浩太?ついに彼女ができたの?」
「違う」
のっけから何言ってるんだ母さんは。
「成績が落ちたのか?」
「いや、そういう話でもない」
父さんが心配そうにそう聞くので答える。
「じゃぁどうしたんだ」
「いやさ、姉さんがあの話を聞いて以来俺に対して
恋人同士がするようなことを要求してくるようになって」
「話ってもしかして、浩太と朱音が血が繋がってないっていう話?」
「そう、あの話を聞いて以来から」
「あらら~」
「ふむ・・・・・・」
母さんは何だか嬉しそうに、父さんは難しい顔をする。
誤字あれば報告してください。
確認次第直します。