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姉という存在。  作者: とある山田
5章 -弟入院、そして-
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5章 -弟入院、そして- part5

なろう15周年イベントに参加してテンション上がって

眠気そっちのけで書いたのでおかしなところが多々あるかもしれません。

あと胸糞注意です。

黒髪のショート。切れ長の瞳。色白の肌。

すらっとした脚。白魚のような手。

美人というのはこういうことなのだろうと思う其の容姿。

女に興味を持ったことがない俺が柄にもなく見惚れてしまっていた。

するとその女性はこちらに気づき話しかけてきた。


「あなたは?」

「え、あ・・・・・・・・桜木浩太です」

「桜木・・・・・・・もしかして1ヶ月くらい前に繁華街で

暴行されたっていう高校生?」

「そうです」

「ふぅん、君が」


そういって席を立ちあがり俺に近づいてくる。

何をしてくるかわかったものではないのですぐ逃げられるように

入り口手前で立ち止まり相手が手を出しても届かない距離をとって女性と対面する。


「一つ聞いてもいい?」

「何ですか」

「あなた、恋愛ってしたことある?」

「ありません」


唐突にさっきの話と全く関係ない質問を女性がしてきた。

一応率直に答えると女性は少し考える素振りをして再び質問してくる。


「じゃぁ今まで恋人がいたことはないってこと?」

「それが何か?」

「いえ、君に今恋人はいるのかなと、そう思って」

「はあ・・・・・・・今の質問に一体何の意味があるのですか」

「私にはとても重要な意味のある質問なの」


一体どんな意味があるのかわからない。

何の理由があっての質問なのかということを聞きたいのだが

先程からその質問をしてきた女性が下を向いて考え事をしている。

これは下手に聞くと


「今考えてるところだから黙ってて」


と言われるやつだと思い黙って女性が発言を再開するのを待つ。

少しして考え事が終わったのか顔を上げ上目遣いに俺の目を見る。

そして俺に向かってとんでもないことを言い出した。


「あなた、私の恋人になりなさい」

「は?」


いや、これはこう言ってしまってもしょうがないだろ。

だって今日、しかもつい数分前に初めて会った人に

いきなり恋人になれなんて言われても意味不明以外の何物でもないだろ。


「あの、あなたは何を言ってるんですか?」

「私の恋人になりなさい、と言ったのよ」

「発言に対してではなくその発言をするに至った経緯が

意味不明だと言ってるんです」


すると目にも見えない速さで逃げる隙を与えないように

女性が間合いを詰めてきた。


「なっ!?早い・・・・・!」


俺の目の前まで来たと思ったら間髪入れずに

女性が首に腕を回し後頭部に手を置き顔を強引に引き寄せてくる。


「く、しまっ」


そう言った時には時すでに遅し



















「んんっ!」


俺と女性との距離は零になっていた。

女性の顔が俺の目の前に存在している。

俺と女性の唇が直接触れ合っている。

つまりキスをされた。初めてのキスを今目の前にいる女性に奪われたのだ。

その事実を認識した瞬間俺の中で一つの思考が脳内を巡る。

キス。唇同士を合わせること。

互いの唇を塞ぐ行為。

唇、唇・・・・・・・・・・・・・。

思えば唇の奥には舌があり、その奥に喉があり、更にその奥に声帯がある。

そして一番奥には肺がありそれを動かす横隔膜がある。

声を出すためには脳が横隔膜を動かし肺を収縮させ、

声帯で空気を震わせて最終的に唇から空気の振動が声という形で伝えられる。

何が言いたいかというと。

つまり俺の存在自体を否定する言葉、俺の努力をあざ笑う言葉、

俺の自尊心をズタボロに引き裂いた数々の罵声と汚い言葉。

それら全ては唇を通じて出てきたわけだ。


「アンタ邪魔」

「うるさい黙れクズ」

「とっととどけ」

「キモ」

「消えろ」

「どっか行けよゴミ」

「触るな」

「近づいてくんなよ」

「なんでいなくならないの?アイツ」

「要らない子なんだからとっとと死ねばいいのに」

「何もできないくせに」

「アンタやる気あんの?」

「なんでアンタみたいなのがこの世界に存在するんだろうね」

「どうしたの?早くしなよ」

「ざまぁ」

「ポンコツすぎっしょ」

「ホント使えない」

「ホント何もできないよね~」

「「「「「「「「「「ギャハハハハハ」」」」」」」」」」


そう考えた瞬間汚い言葉を紡ぎだす唇というものに対する嫌悪感が際限なく湧いてくる。

唇という汚らわしい器官によって俺が今将に汚されているという現実から

一刻も早く逃げ出さなければいけない。

脳から送られる早く逃げろという警告とこれからどんな理不尽なことを

されるのかわからないという恐怖と胸から込み上げてくる嫌悪感によって

強烈な吐き気に襲われる。

俺はキスしてきた女性を今まで出したことのない力で無理やり突き放し

トイレに向かって全力疾走をする。

そして女性に捕まることなくトイレに辿り着き素早く鍵をかける。


そして俺は便器の前に座った瞬間嘔吐した。

嘔吐してもしても体が胃の内容物を全部出そうとする。

いつまでも体が嘔吐するをやめないため

トイレ内は嗚咽の声で埋め尽くされる。


少ししてトイレ内での異常な状況にに気付いたらしい看護師の人が

強制的に鍵を開錠し俺に声をかけてくる。


「大丈夫ですか!?どうなさいましたか!?」


俺は嘔吐を繰り返したことによって体力が消耗していたのと胃液で喉が

やられてしまったため答えることが出来ない。


少しして俺は担架に乗せられ応急処置室に運ばれた。

処置が終わり気持ち悪さが落ち着いたタイミングで看護師の人に話しかけられる。


「一体何があったんですか?」


その問いにどう答えたらいいのか迷う。


「いえ、答えづらければお答え頂かなくても構いません」


そうおっしゃるので俺は


「すみません、今は答えたくないです」


と質問に答える。


「わかりました。もう少し様子を見て医師が許可したら病室に戻れますので

それまでは動かないで下さい」


そう言って看護師の人が立ち去る。

1時間くらいベッドで休んでいたら医師の人が来て診察と問診をして

大丈夫でしょうと言ったので俺は病室へと帰った。


病室のベッドに横たわりさっき起こったことを振り返る。

ついに移動が許可されたからと院内探検した後談話室に行ったら女性がいた。

その女性が話しかけてきて近づいてきたと思ったら突然キスされた。

キスされたことに対して拒絶反応のようなものを起こし

嘔吐して応急処置を受けた。

知らない女性にキスされたことを引き金としてまた何かトラウマのようなものを

発現させる引き金を引いてしまったのだろう。



取り敢えず今日はもうあれだけ嘔吐したので動きたくない。

体力を消耗しすぎて動けない。

かと言って眠気があるわけでもない。

なので、今日は父さんが買って置いてくれたテレビカードを使って

適当にテレビで時間を潰す。

夕食の時間までテレビを見てその後は勉強をする。

そして消灯時間となったので勉強をやめておとなしく就寝した。

そういえばあの後あの女性の姿をどこでも見なかったな。

そもそもとしてあの女性はいったい何者なのか。

何のために俺に近づいたのかもよくわからないままだな。

でも今後会うことがあるかというと恐らくそれはないだろう。

そしてあの女性の名前知らないけど二度と会うことないから知らなくていいや。

そんなことを思いながら眠りの谷へと落ちていった。



後で改訂する可能性がありますが話の本筋は変えないようにします。

誤字・脱字報告はお気軽にどうぞ。

確認次第修正します。

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